12/29/2013

第15回クリスマスコンサート終了

オカリナサークルの演奏

12月23日恒例のクリスマスコンサートが終了した。今回で15回目だそうだ、よく続けてきたものだ。
平尾りコーダークラブが結成されて最初のコンサートがこのクリスマスコンサート。以来毎年続けているわけだ。
今年も恒例のケーキ、お茶を用意した。演奏団体がひらおオカリナサークルと平尾リコーダークラブの2団体だったのは少しさびしかったかも知れない。

プログラム
オカリナサークル
ムーンリバー・・・H.マンシーニ
雪の降る街を・・・中田喜直
星めぐりの歌・・・・宮澤賢治
心の窓にともしびを・・・中田喜直
ジングルベル・・・アメリカ民謡
カントリーロード・・・J.デンバー
ふるさとは今もかわらず・・・新沼謙治
きよしこの夜・・・F.グルーバー

平尾リコーダークラブ
ジングルベル・・・J.L.ビアボンド
聖なる乙女・・・作者不詳
甘き喜び・・・J.S.バッハ
ウィロビー卿の帰還・・・J.ダウランド
隣人ローランド・・・S.シャイト
コンドルは飛んでいく・・・D.ロブレス
ホワイトクリスマス・・・I.バーリン
神のみ子は・・・賛美歌
グロリア・・・賛美歌
牧人羊を・・・賛美歌
聖夜・・・F.グルーバー
クリスマスメドレー
恒例のケーキと紅茶


お客さんもかなり集まり、毎年ケーキと紅茶の付いたこの会をおぼえていてくださる方もいるのだ。
ただお客さんの数はオカリナサークルが声をかけてくださった方が圧倒的に多い。これは両グループの姿勢の違いが現れているように思う。
オカリナサークルはお客さんと一緒に楽しむ事を大切にしている様に思う。だからコネを最大限使って演奏会に来てもらうことを呼びかけ、会場をクリスマス飾りでいっぱいにするのだ。演奏曲目もお客さん中心で選んでいるのだろう。
一方平尾リコーダークラブは自分達が演奏してみたい曲目を並べ、それがうまく演奏できるかどうかに最大のエネルギーを割いてしまう。その結果としてお客さんの勧誘まで手が回らないことになる。これは大いに反省しなければならないことなのだが、なかなか難しいことでもある。

また演奏内容とは少し違うが、会場の男女の比率はいつもながら考えさせられた。平尾リコーダークラブは女性2:男性3で女性が圧倒的に多いリコーダーの世界では珍しい存在なのだが、当日訪れた男性客は2~3人、全員合計しても女性の1割以下、これは高齢化社会に向かっていく上で由々しき問題であると思われるが、リコーダークラブにとっては手に余る問題である。

リコーダーでPA装置
今回上記プログラムのホワイトクリスマス以降はPA装置を併用した。これは観客の方達により楽しんでもらえるための音量と音色を求めての試みだったが、詳細は別ブログで報告するつもりです。

12/27/2013

ワープ発表会


12月22日ワープの発表会が終わった。
この会場は個人が提供してくれている会場で、多くのグループが使用している。
今回は32グループが演奏した。内容は多彩で、オカリナやウクレレなどの器楽だけではなく、歌やフラダンスのようなものも含まれる。私はループというフォルクローレのグループで参加した。このようにいろいろな方たちが集まっている場だから、全く異なる楽器の練習を覗く機会も多く、交流も盛んなようだ。

そんな訳で他のグループから応援に来てもらう事は簡単なのだ。そしてうまく行けばそのまま定着してしまう事もある。私達のループも当初はケーナサークルとしてスタートしたのだけれども、ギター、パーカッション、ヴォーカルなどが加わり、編成だけはフォルクローレグループの形が整ってきた。さらに今回はボンボ奏者が都合で参加できないのが当日わかったのだが、代役もすぐにお願いできた。
今回の演奏曲
クヌミシータ、サリーリ、プルルーナス。

演奏のレベルもそこそこ上がってきたし、ギターがしっかり支えてくれるので、細部は色々ほころびもあるかもしれないが、まあそれらしい演奏にはなったような気がする。今回選んだ「大福」ケーナも慣れたのか少し細く指穴も小さめで扱いやすいと思った。サンポーニャについてはプルルーナスで出番があったが、テンポが早かったせいか、ほとんど音を出せないうちに曲が終わってしまった 。

これだけいろいろなグループの演奏があると普段知る機会がない楽器などの演奏に触れることができるし、そんな中でキラリと光る演奏に遭遇することが有るのだ。今回はヴァイオリンの迫力に度肝を抜かれたが、その伴奏を急遽引き受けて、微塵も揺るがずやってのけた「I」さんのギターもわかってはいたけれど改めて凄いと思った。そのほかボイストレーニングの方達の歌と一緒に演奏したフルートは、よく鳴っていて美しかったし、フラダンスの先生もビックリするほど見事でした。私達が出演した2部(1~3部中)のみの感想です。

12/16/2013

中南米におけるルネッサンスリコーダーの痕跡-4 ワマン・ポマの挿絵


No.368インディオから情報を収集するポマ

今回はワマン・ポマの「新しい記録と良き統治」の挿絵ついて検討する。

「新しい記録と良き統治」
著者のワマン・ポマはペルー  クスコ出身のインディオ
親族より教育を受け読み書きができた。
 神父の助手を勤めて各地を回り、見聞を広め、キリスト教的世界観を持つに至った。
現地の非人道的な統治に苦しめられるインディオを救うためには、過去のインカの時代に戻すのではなく、正しいキリスト教的世界を実現することこそが、その目的に叶うと彼は考えたのだ。
そのため、
スペイン本国に直訴する事を決意し、この原稿を書き始めた。ペルーを放浪しながらおよそ30年かけて完成し、年齢も80歳を超えた。フィリペ二世に送るつもりだったが、それはかなわなかったらしい。スペイン本国でも民衆が圧政にあえいでいることなど知る由も無かった。

原稿は一旦歴史から消えてしまった。そして約300年後、1908年デンマークの図書館で発見されて日の目を見たのだ。どのような経路でデンマークの図書館に保管されるに至ったかについては多いに興味がわくところだが、ここでは取り上げない。

モトリニーア神父の布教史は、侵略する側から書かれているが、ワマン・ポマの「新しい記録と良き統治」は侵略されたインディオの側から書いてある。
さらに
500点以上の挿絵が添えられていること。これを単なる漫画と考え、自分の著作のあちらこちらに、飾りとして使用しているアンデス関係の著作を見たことがあるが、ポマに対して礼を失していると言わざるを得ない。
文字を持たなかった民族の絵に寄せる執念はテレビや新聞、各種出版物、に溢れる時代にドップリつかっている我々にとって想像もできない世界があるかもしれないのだ。
これは一見稚拙なようであるが、要点を押さえ大胆にデフォルメしてあるのだ、
現に最初に載せた民衆から話を聞くポマ自身の絵は、履物や頭飾りを描き分けることによって4つの異なる地方の人々を表しているそうだ。その他ちょっとした服装の違いで職業を表していたり、十字架を身につけているか否かとか、細かく書き込み、それに意味を持たせている可能性は十分あることは間違いない。
それでは楽器に関すると思われるいくつかの挿絵に絞って検討してみる。
No318 ケーナの演奏


挿絵全体を通して見ると、楽器を演奏している挿絵はそれほど多くはない。この原稿の目的にからしてそれは理解できる。太鼓だけとか伝令の法螺貝のような挿絵を省くと、(No.870)弦楽器が一点、(No318)ケーナらしい笛を丘の上で演奏している(これはテブノーが自著のケーナ曲集の表紙に使用している)、(No.675)リコーダー一本と他の楽器、種類不明なチャルメラ風楽器、(No680) 最初のブログでも取り上げた聖歌隊の少年達がリコーダーを持っている。













サルヴェ・レジナを歌うインディオの少年達





まず最初に気づくことは、少ない数の挿絵で断定はできないのだが、横笛らしい挿絵が一点もないことだ。そして明らかにリコーダーと思われる挿絵が2点、これだけでも「フルート」がリコーダーを指している事の証拠のように思われる。
では聖歌隊がリコーダーらしい楽器を持っている挿絵を検討してみる。中央の少年が持っている楽器の部分も拡大しておく。

挿絵の説明文がサルヴェ・レジナを歌っていると曲名まで書き込んでいる。
聖歌隊の少年達の顔だが、西洋人の顔ではなく、日本人の我々が見ても現地インディオの少年を思わせる顔つきである。省略やデフォルメはあっても的確に表情をとらえているのだ。ポマの優れた描写力がうかがえる。





リコーダーらしき楽器の拡大写真を見ていただきたい。吹き口付近は削られて薄くなっている。窓の部分もしっかり書き込まれている。指穴もしっかり加工されている。そして下側の先端部分は少し裾広がりになっている。これでもリコーダーでないと主張できる人が居るとは思えない。正にルネッサンス型のリコーダーそのものように見える。なぜこのように正確な描写なのだろうか。
たとえばケーナについて考えてみると、ポマを含むインディオにとってケーナの構造など自明のことなので、棒状の楽器を構えていればそれはケーナなのである。(NO.318)
ところがリコーダーを表現するとなると、特徴をしっかり描かなければならない。
ポマは少年たちが清らかに演奏している「フルート」を手にとってケーナとの違いの説明を聞いたに違いない。そうでなければこれだけ的確に特徴を描ける訳がない。
私などポマがリコーダーを演奏できたのではないかと思ってしまう。それほどこの挿絵はリコーダーの特徴をとらえている。

ポマはこの著作の中で統治する官僚たちや場合によっては司祭や伝道師までもがインディオの抑圧に加担していることを告発しているのだ。この原稿が破り捨てられずに後世に残ったことは奇跡に近いことではないだろうか。
ポマの立場はかなり微妙である。過去のインディオの統治には見切りをつけ、かつスペインの統治に対しても激しく告発している。
そのような立場をずっと堅持するのはかなり微妙な部分もあり、批判も浴びたことだろう。


ポマが「キリスト教的世界観」を堅持しつつ著作を書き続けられたのは、教会や身近にいる神父達の影響が大きいのは当然としても、音楽からそのエネルギーを受けていたように思う。
インディオの少年達によるオルガンのようなリコーダーの合奏、それに続いて湧き上がる美しい歌声にインディオの未來を重ね合わせたのではないだろうか。
だからこの一枚の挿絵を曲名まで添えて著作に加えた。
リコーダー愛好家の私にとってはそのように思われるのだ。

図版は
・Guaman Poma de Ayala,F,. El Primer Nueva Coronica y Buen Gobierno(1615)
{ワマン・ポマ 「新しい記録と良き統治」]

この原稿はデンマーク王立図書館で公開されている Guaman Poma

11/29/2013

中南米におけるルネッサンスリコーダーの痕跡-3 ヌエバ。エスパーニャ

ワマン。ポマによる挿絵(少年達が読み書きを習っている)

ワマン・ポマの挿絵とモトリニーア神父の文章を組み合わせてリコーダーの存在を主張するなど、かなり無茶とも言える話の進め方だ。両者はほぼ同時代ではあるが、ワマン・ポマはペルー国内の伝聞を元にしているし、モトリニーア神父はメキシコ付近で布教活動をしていたのだ。しかしスペインの教会、イエズス会やフランシス会の布教の一環としてのスペイン語や音楽の教育方針はほぼ共通だったのではないかと想像できるし、ラテンアメリカ・・の著者である山本氏もそのような組み合わせてを選択しているのでこの路線でもう少し話を進めて見たい。

モトリニーア神父による「ヌエバ・エスパーニャ布教史」は中米に派遣されたフランシス会の神父の本国への報告書である。
モトリニーアの名前はメキシコのナワ語で貧乏人を意味するそうだ。
本国のスペインから送り込まれて来たフランシス会の12名の修道士たちが、ボロボロの修道服なのを見て、現地人たちが「モトリニーア(貧乏人)」とささやきあうのを聞いてそれを自分への呼び名に取り入れたのだそうだ。本名はトリービオ・デ・ペナベンテ修道士。
実際に見聞きしたことに若干誇張した部分があるにしても、全体の流れは、異文化を見下したりすることなく、好奇心、行動力そして驚き、場合によっては賞賛も込めて記述している。興味深く面白い事柄も多いのだが、このブログでは、リコーダーや音楽に関わると思われる項目を抜き出してみる。核心部分は前述の山本氏の引用部分と同じだが、それ以外の部分も取り上げてみる。少し長くなるが、お付き合いお願いします。「」内が引用部分で、”・・・・”は省略がある事を示している。

   <以下引用>

「第3巻第12章 教えられることはなにごとによらずおぼえてしまう原住民の優れた才覚と器用さについて。彼らは目にしたものはすべてほどなく自らの手で行うようになる」より

「原住民が物事の呑み込みが早いだけではなく、物事を注意深くじっくりと観察する目を具えており、しかもほかの国の人間のように尊大なところも無く、見栄も張らない。」・・・「スペイン語とラテン語の読み方をおぼえるにはたいした時間は要しなかった。」・・・
と賞賛した後 引用された歌に関する文章が続く。引用で省略された部分も書き出してみる。
「3年目の年私たち修道士は原住民に歌を歌うことを教えた。」・・・・「最初に歌を教え始めたのはある老齢の修道士であったが、その時の模様は全く傑作だった。まずこの老修道士は原住民のことばについてはほとんどのまったくなにも知らず、スペイン語しかはなせなかった。にもかかわらず、彼は相手がまるでなんでも聞き分けできるスペイン人であるかのように、懇切丁寧な口調できちんとした内容の説明を原住民の少年たちに対して行うので、彼の話を聞いているわれわれの方がなんとも笑を抑え切れずに困った。他方、少年たちの方はといえば、老修道士が一体何を言おうとしているのかを理解しようと口をポカンと開けたままじいっとそのことばに聴き入っていた。ところが驚いたことには、最初のうちこそ少年たちはなにひとつ老修道士の言っていることも分からず、また通訳をしてくれる者もいなかったにもかかわらず、ほんのしばらくすると少年たちの方が老修道士の言うことを理解するようになり、その結果、立派に歌をおぼえてしまった。
今日では少年のなかには聖歌隊の指揮ができる者がいくらでもいる。優れた才能と大変な記憶力に恵まれた彼らは、自分たちの歌う歌のほとんどを暗唱しており、歌っている最中に楽譜の順序が乱れていたり、楽譜が床に落ちるようなことがあっても、このために歌が途切れたり音が誤ったりするようなことはない。」・・・(少年の聖歌隊員の一人がミサ曲を完成させたエピソード)・・・
原住民はオルガンの代わりに沢山のフルート[注]を使って音楽を奏でる。彼らのフルートの協奏はハーモニーが見事なうえにフルートの数が多いので、本当のオルガン演奏かと思えるほどである。
こうしたオルガン曲を彼らに教えたのはスペインからやってきた幾人かの音楽士であった。音楽士の一行がやって来た時、全員をまとめてその宿舎から食事までの世話をしようという人がここでは見つからなかったので、われわれ修道士が原住民と話をして、音楽士たちを数名ずつ幾つかの村に分けて引き受けてもらった。そして相応の謝礼をする代わりに、音楽を教えてもらうように取り計らったので、この時に原住民は音楽を習う機会を得た。フルートのほかに彼らはチリミーア(クラリネットに似た木製管楽器)[注]も作る。ただし、いまのところはまだその本来の音は出ない。フルートの吹き方を知っていたある原住民の少年がテワカンの町で、ほかの原住民にその吹き方を教えたところ、一ヵ月で全員がミサ、晩祷、聖歌、マニフィカト、モテトなどの伴奏ができるようになり、半年もすると立派に一人前のフルート奏者が誕生した。・・・」
「・・・・(原住民がリーベックを作り演奏もできるようになった)・・・」

「第3巻第13章」 「・・・・バンドゥーリア(形はギターに似た12弦楽器で音色はマンドリンに近い)、バイオリン、ハープと言った楽器類も実に多種多様な細工や飾りの付いたものを作り出す。・・・・・・フルートにしても彼らが造ったものは非常に音色がいい。・・・・・」
   <引用終わり>

注(後藤)
フルート ここでは全て、横笛のフルートではなく、ルネッサンスタイプのリコーダーを指すと思われる。
チリミーア 「クラリネットに似ている」となっているが実際はオーボエの様なダブルリードを使用するショームの一種、チリミーアがチャルメラに近い発音であることに注意。
リーベック 洋ナシのような形、通常3弦で弓で弾く

色々な楽器が持ち込まれ、そしてそれらが現地で作られた事がわかる。パンドゥーリア、バイオリン、ハープ、チリミーア、リーベックなどは民間で個人的に使われたのだろう。しかし教会の中では、ミサ、晩祷、聖歌、マニフィカト、モテトなどの伴奏をするため少年達に教える必要があったのだ。

フルートがリコーダーの事を指しているのは間違いがないとおもわれる。沢山の楽器を使ってオルガンのような演奏をするとの記述、テワカンの町で吹き方を教えたところ全員が一ヶ月でミサなどの伴奏ができる様になった。等
本国のスペインでもリコーダーの合奏はさかんに行われていたと思われるし、原住民の少年達に初めて音楽を教える神父の立場で考えてもリコーダーが最良の選択肢であることは当時も今も変わらないのではないか。

多くの職人が中南米に渡って来たことが書かれている。仕立屋、馬具職人、金銀細工師、・・・その中にはリコーダー製作者も混じっていたし。その指導を得て現地でもリコーダーが生産されていたに違いない。「彼らが作ったフルートは非常に音色が良い」との記述もある。
またかなりの数が必要なはずだから量産されていたのだろう。場合によっては竹で作られたリコーダーも存在したかもしれない。この件は後で検討したい。

ここでの写真もワマン・ポマの挿絵を使用させてもらう。
少年達が読み書きを学んでいる。左側の譜面立てに乗っているのは楽譜だ。五線譜とト音記号らしき模様が見て取れる。音楽も習うのだろう。

今回の引用は下記による
モトリーニア 「ヌエバ・エスパーニャ布教史」(小林一宏訳))岩波書店 1979

11/24/2013

大福ケーナ入手

2本のケーナ、奥はアハユ リグナムバイタ製、手前は大福ケーナ

リコーダーと違ってケーナは比較的安く、音色や音の出やすさなど個性がある。
普段ケーナの音に苦労しているが、簡単には上達しない。そんな時新しいケーナに出会うと、音色がちょっと個性的だったり、高音が楽に出そうだったりすると、つい買ってしまうのだ。
先日もフォルクローレグループの I さんが大阪へ出張してケーナを何本か持ってきてくれた。大阪で食堂を経営している女性が作っているのだそうだ。
ちょっと細めで口が合わないため音が出ない。しばらく吹いていると少しずつ音が出るようになった。ピロピロと独特の音色、使えそうな予感がしたので購入してしまった。

写真
茶色の木製ケーナはアハユ リグナムバイタ製 いかにもボリビア製らしく太くて指穴も大きい、そのまま吹くと音程がかなり低い。それをビューと吹き上げて高音に引っ張りあげると実に良い音がする。音程もA440Hz にほぼ合わせることができる。ただ私にとっては高音が少し出しずらいのだ。
3年ほど前新百合ヶ丘駅前でフォルクローレを演奏していたリチャード・コタ氏と親しくなりこの楽器を試奏してもらったことがある。彼はすばらしい音色で演奏した後、これはプロフェッショナルケーナだと絶賛してくれた。私は当時より多少は上達したはずだが、未だに手こずる部分がある。

手前の竹製ケーナは今回入手したケーナ、裏側に大福の焼印がある。細めの管で指穴も比較的小さい。
音程は引っ張りあげなくても、ほぼ440Hz でまとめることができるし高音も出やすい。音色は泣かせる音が比較的出しやすいような気がする。

プロフェッショナル達は多彩な表現と音量を求めて太い管のケーナを吹きこなすのだろう。もちろん我々アマチュアもそれを目指すのが王道なのだろうが、大福ケーナのような道もありかもしれない。しばらく取り組んでみようと思う。

入手した楽器は一見何の飾りも無い竹製のケーナだが、細かく観察すると吹き口部分、指穴、先端の節の部分など細かく配慮されているのがわかる。手馴れたそして女性らしい神経の行き届いた楽器と見た。後で聞いて分かったのだが、竹の材料で9年間寝かせてから加工したとのこと、10年物のケーナだそうだ。
YouTube 製作者の竹田さんが演奏している。


11/16/2013

平尾祭りで演奏


第三文化センターでの演奏
リザーブコンサートの翌日
地域の文化センターのお祭りで演奏した。普段この施設を利用している団体の発表会のような内容、絵画やパッチワーク、が展示してあったり、子供達のゲームがあったりする。私たちはフラダンスの発表の後1時間ほど演奏する時間が割り当ててある。
 
演奏曲目
Dreaming of Home and Mother(旅愁) J.P.Ordway
小さい秋見つけた  中田喜直
里の秋  海沼実
Kanon    Johann Pachelbel
Marche Militaire(in G)  Franz Schubert arr.Robert C.Wslshe
オスマントルコ マーチ「ジェディン・デデン」
大きな古時計~モーツァルト風~ H.ワーク
コンドルは飛んでいく   Daniel A. Robles
童謡メドレー
(証城寺の狸ばやし、あの町この町、あめふり、こがね虫、肩たたき、しゃぼん玉、まりと殿さま、兎のダンス)
昭和歌謡メドレー
(さくら貝の歌、あざみの歌、水色のワルツ)
東京ラプソディー

楽器編成はリコーダー5本 あるいは リコーダー4本+(ギターor打楽器)
オスマントルコマーチではリコーダーを加工して笛膜を張りリード楽器のような音を出してみた
コンドル・・・はケーナでも演奏したことがあるが、今回はアルトリコーダーで演奏した。ケーナとは少し違った”切れ”が出せたと思う。

お客さんがちょっと少なく、「いい演奏なのにもったいない」の声も聞こえた。有難いことだが演奏だけでなく、観客動員も真面目に考えてなくてはならないと思った。

11/10/2013

第27回リザーブコンサート終わりました

27回リザーブコンサート Gクレフの演奏

第27回リザーブコンサート
2013年11月9日(土) 
多摩市関戸公民館 ”ヴィータホール”
参加団体 14

リザーブコンサート終わりました今回は今までと会場が異なり、日曜から土曜に変更になった。
そのため参加を見送った団体や、参加しても全員参加ができないグループもあっただろう。しかし従来の会場が借りられないと言う事態でも開催できたことは幹事団体の並々ならぬご苦労があったと思う。今回の幹事団体は「舞ーザ里座」と「Spica」(蛇足ながら"舞ーザ里"は"ブーザリ"すなわちリザーブをひっくり返して読んでいる)

演奏したどのグループも練習を積み上げてきたことが良くわかる。リコーダーの響きがリアルに伝わってくるのだ。これは会場の規模や残響がリコーダー演奏に適しているのだろう。すべての演奏を書くことはできないが、いくつかを取り上げて見る。

国立第一中学校リコーダー部
初出場で最初の演奏、会場全体が注目する中でスタート・・なんと柔らかい音、決して力まず、それでいて音が会場中にしみわたる。これでいいのだと納得させられてしまう演奏でした。

たまの音楽家
 今回は3名だけの参加だったが、よくまとまっていて気持ちよい。このグループの得意分野はこれだと思わせる演奏

Spica、舞ーザ里座は実力派、難曲も手堅くまとめる

リコーダーアンサンブル☆Gクレフ このグループならではの選曲 工夫もあり、いつも楽しませてくれる。

イル・ヴェンド・カルド・スペチアーレ
このグループは前回までは肩肘を張ったような演奏であまり好きではなかったが、今回はまるでガンバの演奏を聞いているように穏やかに流れた。
もともと個々の実力は高かったのだろうが、今回は全員に意思の統一があり、かつ練習を積み上げてきたことをうかがわせる演奏だった。私は思わず派手に拍手してしまった。

私たちRicco Suono 
まだ未熟な部分はあるが、Cantus Missae は「和声が美しかった」との声も聞かれた。これは私たちが日ごろ練習で目指していることがある程度結実してきたのではないかと思う。Fly Me to the Moon 楽しく演奏できたが、まだ未消化の部分がある。
S先生より頂いたRicco Suono の写真追加しておきます


幹事団体、それと参加の皆さんご苦労様でした。
来年はパルテノン多摩 小ホール 11月第三日曜日と決定しているそうだ。


11/09/2013

中南米におけるルネッサンスリコーダーの痕跡-2

ワマン・ポマ「新しい記録と良き統治」の表紙

南米をスペインなどが征服して属国として統治した時代、イエズス会が布教の一環として楽器などを持ち込み、音楽を教えた。その楽器の中にルネッサンスタイプのリコーダーが含まれていたのではないかと以前のブログに書いたことがある。
アンデスの家ボリビアに行くと、その末裔ではないかと思われる楽器、タルカ、ピンキージョ、モセーニョなどを見ることが出来る。この件に関してもう少し掘り下げてみようと思った。

ラテンアメリカ楽器紀行、山本紀夫著  前回はこの本より引用したのであるが、小冊子にもかかわらず、内容が充実している。氏は文化人類学者として長年にわたる現地調査を積み重ね、かつ楽器と文化人類学との関係に深い関心を持ち、楽器の演奏も現地で指導を受けるなどかなり造詣が深い。楽器への興味だけでなく、文化人類学者としてのバックボーンがあるので、これだけ長期間かつ広範囲の調査が、可能なのだろう。前回楽器についての踏み込みが少し弱いなどと書いてしまったが、申し訳ない、撤回します。
全編に渡り示唆に富む内容で、掲載されている写真も貴重な記録になっている。

さて、以前ブログに取り上げた
スペインの神父モトリニーアの引用部分に添えられていたリコーダーらしき楽器を持った図版は最初から文章に添えられていたのかと思っていたが、実は別な文献によるものだった。図版の説明には、ちゃんと出典が記入されていたのだが、私はそれに気がつかなかった。
モトリーニャ神父の文章は
・モトリーニア 「ヌエバ・エスパーニャ布教史」(小林一宏訳))岩波書店 1979

図版は
・Guaman Poma de Ayala,F,. El Primer Nueva Coronica y Buen Gobierno,Siglo Veintiuno,Mexico,1980(1613)
{ワマン・ポマ 「新しい記録と良き統治」}


 「ヌエバ・エスパーニャ布教史」(新スペイン布教史)
スペインはアステカ帝国、続いてインカ帝国をも滅ぼし、この地をヌエバ・エスパーニャ(新スペイン)と称して統治したのだ。
著者のモトリニーアはフランシス会の神父である。イエズス会ではないが、ここではあまり詮索しない。
大きな流れを見れば、これは侵略であってその結果として、スペインは莫大な利益を得たわけだ。
ほとんどのスペイン人は、一攫千金を願って南米に来たような人間が多かったから、尊大で粗野、現地の文化や歴史など全く興味を示さなかった。しかしそのような流れの中にあって、モトリニーア神父は神父という立場だからと言うより、本質的に人間として対等な立場で周囲に接しているように思う。異文化に接してもそれを見下したりバカにしたりすることなく、好奇心そして驚き、場合によっては賞賛も込めて記述している。

「新しい記録と良き統治」
著者のワマン・ポマはペルーのクスコ出身のインディオ
親族より教育を受け読み書きができた。
 神父の助手を勤めて各地を回り、見聞を広めた。キリスト教的世界観を持つに至り、
現地のずさんな統治に苦しめられるインディオを救うためには、スペイン本国に直訴するのが良いと思いたち、この原稿を書き始めた。ペルーを放浪しながらおよそ30年かけて完成し、年齢も80歳を超えた。フィリペ二世に送るつもりだったが、それはかなわずリマで亡くなったらしい。スペイン本国でも民衆が圧政にあえいでいることなど知る由も無かった。
原稿は一旦歴史から消えてしまった。そして約300年後、1908年デンマークの図書館で発見されて日の目を見たのだ。

モトリニーア神父の布教史は、侵略する側から書かれているが、ワマン・ポマの「新しい記録と良き統治」は侵略されたインディオの側から書いてある。
さらに
500点以上の挿絵が添えられていること。これは一見稚拙なようであるが、要点を押さえ大胆にデフォルメしてあるのだ、まさに百聞は一見にしかずだ。

今回はリコーダーに関係すると思われる文献の紹介だけだが、別途文献別にブログを書いてみたいと思っている。

11/07/2013

第27回リザーブコンサート

第27回リザーブコンサート

2013年11月9日 (土)
会場 ヴィータホール(多摩市関戸公民館) 京王線 聖蹟桜ヶ丘駅 徒歩1分
 
今年もリザーブコンサート開催される。ただ例年と大きく異なる点は、演奏会場と日時が変更になる。今まで毎年使用してきた会場が、借りられなくなったためだが、これはしかたのないことだ。今後の運営も少し変えていかなければならないだろう。
開催曜日が変更になった為参加できない団体がある反面、新規に参加してくる団体もある。今回は何と言っても国立市立国立第一中学校リコーダー部だろう。
おばさん、おじさん達の従来の団体とは 成り立ちや練習量も大きく異なる。どんな演奏なのか興味深々だ。もちろん彼らだってそうだろう。

参加団体の演奏順番と開始時間を書いておきます。これは主催者から最初の連絡で、その後変更や訂正があるかもしれないことをご承知おき下さい 。

 1.国立市立国立第一中学校リコーダー部 13:00-
 2.リコーダーコンソート青葉・・・・・・・・・・・    13:12-
 3.スプリングウインド・・・・・・・・・・・・・・・・     13:24-
 4.Ricco Suono・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      13:36-
 5.パフ…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・         13:48-
 6.アンサンブルO・・・・・・・・・・・・・・・      14:00-
 7.武蔵野リコーダーコンソート・・・・・・・   14:12-
  <休息>
 8.Spica・・・・・・・・・・・・・・・・・・         14:40-
 9.すずしろリコーダークラブ・・・・・・・・        14:52-
10.リコーダーアンサンブル☆Gクレフ・・・    15:04-
11.パランポラン・・・・・・・・・・・・                 15:16-
12.たまの音楽家・・・・・・・・・                    15:28-
13.イル・ヴェント・カルド・スペチアーレ・・    15:40-
14.舞ーザ里座・・・・・・                            15:52-


私はRicco Suono の一員として参加します。
曲は
Cantus Missae  Josef Gabriel RheinBerger
Fly Me to the Moon  Bart Howard/細岡ゆき

演奏終了後の打ち上げでは、色々な団体の方と話ができるので、収穫も多いのだ。
ただ翌日はHRCとして地域の文化センター祭りで演奏するので、アルコールはそこそこにしておかなければならない。
こちらはHRCとして単独での演奏なので曲数が多く、気が抜けない曲が並んでいる。本日木曜日が最終演習なので、先ほどまで練習してきたが、全て完璧というわけにはいかない。まあなんとかなるとは思う。

10/31/2013

「花祭り」その2

アンデスの家ボリビアに展示してある珍しいチャランゴ

フォルクローレの定番で ”El Humahuaqueno”エル・ウマウアケーニョ(直訳はウマウアカの人)「花祭り」という曲がある。
フォルクローレの曲はいろいろあるが、会場の盛り上がりという点ではこの曲の右に出る曲はないだろう。作曲者はエドムンド・サルディバールとなっているが、民謡から採譜したとの説もある。

さて最近と言っても、一年以上前のことになるが、NHKの、「花祭りの村を訪ねて」のような題名でウマウアカの村を取材した番組があった。私は「花祭り」のルーツが明らかになることを期待したのだが、村が過疎化してカーニバルそのものが開催できないような状態になっていた。昔は街道の要所として栄えた村も、都市への集中と交通手段が車になったことによってすっかり寂れてしまったらしい。結局最後まで「花祭り」は出てこなかった。

先日アンデスの家ボリビアに行った時 、福岡さんが麻由美さんと一緒に「花祭り」”El humahuaqueno” の発祥の地と言われるアルゼンチンのウマウアカを訪ねた時の話も話題になった。30年以上前のことになるが、カーニバルを実際に見にいったのだ。私が正式に取材したわけではないので、肝心な部分が抜けていたりするが、「花祭り」に関係しているので、書いてみたい。
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トラックの荷台に他の乗客と一緒に乗り山路を走る。途中でパンクしたり故障したり、大変だったそうだ。そろそろ到着すると思われる頃トラックが停車した。あとどのくらいでウマウアカに到着するか聞いたところ。30分との答えであった。しかしそれは間違いで トラックが出発するまで30分との意味だったのだ。言葉が不自由なための誤解だったのだが、その時はそんな事はわからない。
再度トラックに乗り込み、しばらく走るとまたもやパンクして車から降ろされた。そこで偶然欧米人がいた、やっと話が出来たのだ。なんとウマウアカはもう過ぎたとのこと、先ほど停車した場所がウマウアカだったのだ。そのまま進めばボリビアに行ってしまう。あわてて車から荷物を下ろし、折良く逆方向から来た車があったので強引に頼み込んで乗せてもらってウマウアカにもどることが出来た。カーニバルを見ると言っても現地に到達することが大変だったのだ。
私は思わず身を乗り出して「花祭り」は歌っていましたか? 元歌のような歌はありましたか?と聞いてしまった。福岡さんは笑って、それはわかりませんでしたよ。ウマウアカのカーニバルで歌い継がれてきたということはないようだ 。
続いてここでカーニバルの様子を書くべきなのだが、私は全く聞いていないのだ。情けない。

そのあとウニャ・ラモスの生家を訪ねた。ウマウアカが出身地なのだ。彼はケーナの名手で来日したこともある。本人は不在であったが、父親と面会できて、持参した彼の日本公演の時の写真など手渡した。日本の新幹線の話が伝わっていて話題になった。わざわざ遠方の日本から訪ねて来てくれたことには感激した様子だったそうだ。
しかしもっと驚いたことにウマウアカに住んでいる日本人がいたのだ 。

現地では車を持っている日本人として有名で、福岡さんが宿泊していたホテル?で教えてくれたらしい。麻由美さんと尋ねて車に乗せてもらったりしたが、車が超オンボロのシトロエンでエンジンのあちこちにオイルをさし、それからクランクを手で回すとボロロンとエンジンがかかるのだそうだ。その人の名は今となっては思い出せないし、仕事も何をやっていたか、はっきり覚えていない。福岡さんしばらく考え込んで、布を商売にしていたような気がする。との事。いずれにせよ不思議な日本人だ。
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「花祭り」はサルディバールが1943年発表した。歌詞はその後付け加えられたとされ作詞者が登録されている。
サルディバールが民謡から何らかのインスピレーションを得たと言う可能性は否定できないが、彼の創作と考えても間違いではないようだ。
最初から大ヒットしたわけではなく、
イヴェット・ジローなどがシャンソンとして歌い、その後フォルクローレとして認知された。元の歌詞に”花”は出て来ないが、シャンソンでは異国情緒あふれる夢の世界が歌われていて、花、鳥、水、船 などが登場し、そして題名が「花祭り」である。その題名をそのままフォルクローレの題名に流用したので歌詞と題名にズレが生じてしまったのだ。

1972年ごろ現地で購入したケーナの運指表に「花祭り」が載っていることはすでにこのブログに書いたことがあるが、運指表の横に4曲ドレミで書いた楽譜?がある。一位が「花祭り」二位が「コンドルは飛んで行く」当時でもそれだけ人気があったのだ。

注)
ウマウアカ アルゼンチン北部 フフイ州 の町 ”El Humahuaqueno” エル ウマウアケーニョ「 花祭り」はこの地のカーニバルを歌っている

ウニャ・ラモス 1933.05.27出生 ケーナの名手で作曲家でもある。 「灰色の瞳」など


小林隆雄氏による『福岡稔 小伝』日本におけるフォルクローレの始まりの頃が良くわかる。

イヴェット・ジローによるシャンソン「花祭り」今となっては新鮮にきこえる。


10/18/2013

サンポーニャ 入手

アンデスの家ボリビアに並んでいるサンポーニャとチャランゴ

今私たちのフォルクローレのグループ "Loop"ではプルルーナス(Phuru runas) を練習している。
チャランゴ、ケーナ、サンポーニャがそれぞれ活躍する部分があり、チャランゴはかなりの達人だしケーナもなんとかなりそう、サンポーニャの部分だけがちょっと弱い、サンポーニャの演奏で一つの旋律を二人で演奏する方法がある。トブレとか呼ばれる方法だが、そのためには、私もサンポーニャを演奏する必要がある。そんなことで、サンポーニャを見るため、小平にあるアンデスの家ボリビアに向かった。今月から開店日が変わり、月曜も開店していることがわかったので急に思い立ったのだ。

小平駅前からすぐの店の前に着いてみると鍵がかかっていて中は暗い、しまった電話をしてから来るべきだった。と思いながらインターホンを押して来意を告げると福岡さんが出てきて「今日は誰も来ないようだから横になっていたんだ」などと言いながら店内に入れてくれた。マルタと呼ばれる標準のサンポーニャを選んでいると「自由に音を出していいですよ」などと声をかけてくれる。しかしケーナと違って音を出しても良いと言われてもほとんど音が出ない。管が一本しかないケーナと違って、複数の管を束ねたサンポーニャはあまり厳密に検査するのも意味がないかとも思った。

適当な一台を選び終わると音を聞いていた福岡さんがアドバイスしてくれる。上下の管を吹き分けるとき、楽器をあまり動かさないほうが吹く位置が安定するなど・・そして私がケーナの演奏もまだ一人前でないのにサンポーニャまで手を出していいのだろうかと心配を口にすると、ケーナ奏者はほとんどサンポーニャも演奏する、ケーナ奏者のことをケニスタなどと呼ぶこともあるが、通常はケーナとサンポーニャ両方を演奏するのでビエントス(風の奏者)と呼ばれている。かっこいいでしょう頑張ってください。などと言ってくれる。
ここアンデスの家では楽器も豊富だけれど、福岡さんがいろいろな話をしてくださることが楽しいのだ。

12月発表会のPhuru runasではサンポーニャ2台によるトブレを実現してみよう。

その後 福岡さんが麻由美さんと一緒に「花祭り」El humahuaqueno の発祥の地と言われるアルゼンチンのウマウアカを訪ねた時の話もしてくださったのだが、これは後日書いてみるつもりです。

下はPhuru runas (YouTube)  サンポーニャはトヨと呼ばれる大型の楽器を使用して迫力があるが、私が今回入手した楽器は標準タイプのマルタで長さが43cm程度



Phuru runas YouTube

9/29/2013

第27回昼下がりコンサート終了

会場前のポスター
クラリネットのリハーサル中


















第27回昼下がりコンサート終了した。 2013.9.29
今回は秋がテーマで、秋にかかわる曲を集めた、手馴れた曲だったのでかなり充実した演奏ができたと思う。

童謡メドレーは曲数が多く調もどんどん変わるので頭の切り替えが大変、かなりのスキルが必要、
あとギターとパーカッションの伴奏でTさんのクラリネットで2曲

最後はパッヘルベルのカノン 通奏低音はバスリコーダーとギターに任せ、後は3本のアルトリコーダー、各パートは2小節ずれているだけでほぼ同じ楽譜なので、全員が同じレベルで演奏するのは非常に難しい。しかし練習をいろいろ工夫してきたので思った以上に仕上がって、お客さんからも好評のようだったのが嬉しい。

プログラム (楽器無記入はリコーダー合奏)
小さい秋見つけた・・・・・・・中田喜直
里の秋・・・・・・・・・・・・・・・・海沼実
もみじ・・・・・・・・・・・・・・・・・岡野貞一
中山晋平童謡メドレー・・・・・・・Tさん編
証城寺の狸ばやし、あの町この町、あめふり、黄金虫、肩たたき、シャボン玉、鞠と殿様、うさぎのダンス

アマポーラ・・・・・・ホセ・ラカジュ (クラリネット、ギター、パーカッション)
キサスキサスキサス・・・・・O.ファーレ (アルトリコーダー、ギター)
街のサンドイッチマン・・・・吉田正 (クラリネット、ギター)
影を慕いて・・・・・・・古賀政雄

昭和歌謡メドレー・・・Tさん編
さくら貝の唄、あざみの歌、水色のワルツ

カノン・・・・・・パッヘルベル (アルト3 通奏低音バス、ギター)

<次回の昼下がりコンサートは11月24日の予定>

9/25/2013

おお隣のローランド その3

おお隣のローランド リコーダーバージョン最初の部分

先日のブログ「おお隣のローランドその2」でザミュエル・シャイトの" O Naschber Roland"とウイリアム・バードの"My Load Willoughby's Welcome Home"が同じ旋律を用いているらしい。と書いた。いくつかの資料の記述を元に書いたのだが、受け売りであることには変わりなく、なんとなく落ち着かない。自分でも確認しようとYouTubeを使って検索してみた。

"My Lord Willoughby's Welcome Home"で検索をかけると、かなりの数がヒットするが、ほとんどがダウランドのリュート曲だ。しかしよく探すと2曲ほどウイリアム。バードの曲を見つけた。最初にチェンバロの曲を聴いてみたが、どうもローランドのメロディーは使ってないようだ。「これはまずいブログにガセネタを書いてしまった」とちょっとあせりながらリュートの演奏を聴いてみる。最初はやっぱりダメだと思ったが、2回目でちょっと気になる音の動きがあった。再度注意深く聴いてみるとそれはローランドの旋律の一つ後半部だと確認できた。ここまでくればもうパズルが解け始めたも同然、同じ旋律の出だし部分も聴こえてきた。中間部には別な要素も入り込むが、後半部分がそれに続く。これで間違いない。

当時はラジオなんかはもちろんなかったわけだし楽譜の出版だって怪しいものだ。「はやり歌」は口々に歌い伝えられ、細部はどんどん変化しただろう、ましてこの曲はメロディーは同じでも別な歌として伝わっていったのだから、違いがあって当然だし、作曲者によって変えられている部分だって当然あるはずだ。

ここまでくればダウランドの同名な曲もひょっとして! と思い聴いてみた。バードの曲で慣れたのだろう、一発でわかった。やはり同じメロディーを使用している。

以前"The Leaves be Green"と言う歌もバードを含む何人かの作曲者の曲が現存していることを書いたが、当時は巷で流行している歌をアレンジして洒落た器楽曲に仕上げるのが作曲家としての腕の見せ所だったのだろう。

ローランドがガンバやリコーダーで演奏されていてメロディーが追いやすいが、"My Lord Willoughby's Welcome"はチェンバロやリュートなので慣れないとわかりずらい。
3人の作品の演奏を並べてみるので、聴き比べて見て下さい。

ザミュエル・シャイト  "O Naschber Roland"

ウイリアム・バード "My Load Willoughby's Welcome Home"

ジョン・ダウランド   "My Load Willoughby's Welcome Home"

解らなかった方ためにヒントを出します。
シャイトのローランドは幾つかのメロディーがあり狙いが絞れない。曲の一番最初に2ndが奏でる部分に着目して下さい。

9/23/2013

リコーダー発音の過渡現象

フルート、リコーダー、ケーナの発音部

リコーダーやフルートの材質と音色の関係を議論する前に、どのような原理で音が出るのか、今一度確認しておくことも大切と思う。

議論するにあたり範囲を定めておく必要がある。もちろん中心はリコーダーであるが、もう少し広げてエアリード楽器全般で考えてみる。(エッジトーン楽器もほぼ同じ意味)リコーダー、ケーナ、尺八、フルート等、いわゆる笛類と考えて良い。

この楽器の特徴としては、まず一定の長さの管がある。そしてその管の一方の側が少し削ってあり、エッジ状になっている、その部分に息を吹きかけると発音することができる。この部分を発音部と呼ぶことにする。この部分に空気の振動が発生するのだ。あたかもクラリネットのリードが取り付けてあるかのように。 また発音部とは逆の側つまり管の終端は開放されていることとする。

ケーナや尺八は典型的なエッジを有する。
フルートなどの横笛類はエッジ部が鈍角でありまた管の方向に対して直角に息を吹き付けるが、ここでは同類として扱う。またリコーダーは口で息の流れを作るのではなく、ウインドウエイと呼ぶ細い通路があらかじめ作られていて、これで細い息の流れが作られる。しかしこれもエアリード楽器の仲間である。

音の発生状況を考えてみる。(私は音響学者ではないので、不正確な言い回しになるが、それほど大外れではないと思う)
エッジ部に息を吹きつけると空気の渦が発生する。それは空気の振動でもあるわけだ。しかしそれは特定の音程を持つわけではなく、いわゆるホワイト ノイズと呼ばれる音で多くの振動を含む音だ。但し低周波から超高周波まで含む必要はない、多分その楽器の音域の範囲が含まれていれば良いのだと思う。そしてそれは決して大きい音ではない。

その振動の一部は拡散し残りの大部分は付属している管の中を進行してゆく。
もし管の長さが無限大であれば、振動はどんどん進み徐々に減衰してしまい結局何も起こらない。しかし実際は有限の長さだから、進んできた音は先端に達し管が突然途切れ音響インピーダンスが大きく変化するので、拡散したり、通過したり、あるいは反射して管の中を逆走して戻って行く。

この反射が重要ポイントになる。反射して逆走した音は発音部(エッジ付近)に戻っていくが、こちらの端では息が吹き込まれ空気が振動している。これとぶつかり合い相互に干渉しながら音は再度反射されて先端に戻って行く。

ちなみにかかる時間を計算して見る。仮に1フィート(約30cm)の長さであるとすると、音速は一秒間に340m、管の長さを0.3mとすれば0.3÷340=0.0008823  約0.001秒。つまりエッジ部で発生した音は、片道0.001秒で管の終端に達し、また反射する。そして往復を繰り返すのだ。

しかし大部分の音は、相互に打ち消しあったりしながらすぐに減衰して行く、これに関しては無限大の長さの管で述べたと同様である。但し例外がある。管の両端つまりエッジ部と管の終端でエネルギーが最大となる音だけは、次々に送られてくる空気の振動が、重なって、急激に大きな一つの振動が立ち上がる。この振動は管内部だけではなく、発音部の空気の振動もこれに同調する。この時出る音はピアノの中央の”ド”より1オクターブ高い”ド”(523Hz)にほぼ近い音  ソプラノリコーダーの指穴を全部ふさいだ状態を思い出していただきたい。
このように安定した状態で振動する波を「定在波」あるいは「定常波」と呼ぶ。

また「吹き込んだ息」が管の中を往復しているわけではない。ことも指摘しておきたい。振動エネルギーは空気分子の振動が次々と伝わって行くのであって(音速340m/秒)、息のスピード(たかだか2m/秒)は、ほぼ無視できる。

ここまでの現象を時系列でまとめてみる
1 息を吹き込み、エッジまで到達する時間 息のスピード(2m/sec) 距離(1cm)とすれば0.005秒
   この時間は多分無音
  
2 エッジで発生した音が管の終端まで達する時間0.001秒だから、仮に5回の往復で定在波になったとすれば0.005秒
  定在波以外の音(ホワイトノイズ)が減衰し、定在波が立ち上がっていく。

3 演奏者の調整時間 前項では触れなかったが、演奏者による調整時間も当然発生する。
  定在波の発生による吹き込み圧力の変化や耳による音程、音量、音色は演奏者にフィードバックされ、ほとんど無意識のうちにに修正される。この部分は上記1、2、の物理的な反応ではなく人為的な行為であるからかなり時間を要すると想像できるが、具体的な時間を示すことはできない。
特定の音(たとえばA)を発音するとき、定在波を立ち上げる時の息のスピードとその音を持続するのに最適なスピードはおそらく異なっており、優秀な奏者はそれを吹き分けているに違いない。
  

9/14/2013

プロジェクト「一人ローランド」


Canzon super"O Nachbar Roland" Samuel Scheidt
ザミエル・シャイトの「おお隣のローランド」をやりたくてうずうずしているのに、なかなか練習が進まない。
それと言うのも5人のリコーダー奏者が必要なのだが、お休みしている部員もいて、練習が先送りになってしまう。それで一念発起で「一人ローランド」に挑戦してみることにした。

概略は5人のパートをすべて一人で演奏録音し、それを重ね合わせて再生できるようにする。

先般パッヘルベルのカノンを練習するため、iPad のGarageBandを使用して通奏低音を作り、それに重ねてリコーダーの1st,2nd,3rd,を自分ひとりで演奏して録音した。各パートは自在にON/OFFできるので、リコーダー奏者が3人そろわなくても練習が可能になる。大変便利で練習にも役立ったのだが、これを「隣のローランド」にも適用しようと言うわけだ。

まず全てのパートが演奏できなければならない。これが一番の問題で、楽器と楽譜はそろっているので後は練習するしかない。

手順
まず最初に指揮者のパートを録音する。メトロノームや自動演奏のリズムを使うわけには行かないので、指揮のパートが全体のテンポを決める。総譜を見ながら適当な棒で机をたたきリズムを取りながら「チャンカ チャンカ チャンカ チャンカ・・・」と歌い、それを録音する。・・・ちょっと恥ずかしくて人前ではできない。
しかしこれが全体の流れを決める重要なポイントだ。
後はそれをイアホンで聞きながら、一つずつパートを重ねて録音してゆく。録音は何回でもやり直せるし、後で差し替えもできる。完成したら指揮パートの音を消す。削除、消音どちらも可能。

機材
とりあえずiPad mini とアプリGarageBandを使用する。パッヘルベルのカノンでiPad mini に内蔵されているマイクをそのまま使ったが、悪くなかったと言うより意外と良好に録音できたので今回もとりあえず内蔵マイクを使用する。

録音の品質に問題があれば、 iRig PRE IK Multimediaを導入すればファンタム電源もあるからコンデンサーマイクも使用できる。ただ3.5mm ステレオヘッドホンミニジャックを経由するのでクロストークも少し心配だし、電池に006P 9V を使用するのがちょっと厄介な気がする。

さらに高品質の録音を目指すなら、
iRig PRO IK Multimedia や Sonic Port LINE6 などがある。どちらもLightning コネクタ経由で24bit の A/Dコンバーターを使用している。またライン入力もできるから、使い慣れたMACKIE のミキサーやコンデンサーマイクも使用できるので、気にはなる存在だ。

今日練習の後半に「一人ローランド」に挑戦することを宣言して私だけで視聴覚室を使える時間を作ってもらった。とりあえず指揮者のパートを録音してみたが、簡単ではない。これでは完成までだいぶ苦労が続きそうだ。

写真は全てのパートを自分で演奏するので楽器を並べてみた。ソプラノ1,2、アルト、テナー、バス。

9/08/2013

おお隣のローランド その2



カンツオン第28番「おお隣のローランド」ザムエル・シャイト Canzon super"O Nachbar Roland" Samuel Scheidt

私たちHRCの練習は夏休みの影響か練習時の部員数が不足してなかなか進まないが、曲の由来や作曲者のことを少し調べてみた。

Samuel Scheidt(1587-1654)  は17世紀初頭のドイツにおける重要なオルガニストで作曲家であった。
同時代にミカエル・プレトリウスやヨハン・ヘルマン・シャインがいる。

 O Naschber Roland は当時のイギリスで人気であった歌を元に構成されている。何でドイツの作曲家がイギリスの歌をとも思うが、流行の歌を取り入れて器楽曲を作るのが当時の技法のひとつだったことと、やはり同時代のイギリスの作曲家ウイリアム・バードの曲「Roland あるいはMY Lord Willoughby's Welcome」が同じ旋律を用いているらしいので、あるいはこの曲からメロディーを拝借したのかも知れない。
当時の流行歌からの借用とはいえ、一流の作曲家の手にかかると見事な器楽曲に仕上がっている。
5人の親しい友人たちが集まって自在にお喋りを楽しんでいるようで、のんびりできるパートなど一つも無い。特にバスパートは大活躍。最後は全員で16分音符の連打でダダダダダダとフィニッシュを決める

本来はガンバの曲らしいが、YouTube などで探してみると色々な組み合わせがある。それだけ名曲であることの証明だろう
リコーダーの演奏も良いが、ガンバの演奏に味わいがある。
ガンバの場合だと、弓のアップダウンで演奏するから、音符の裏表がよくわかり、リコーダー演奏の参考にできる。

巻頭にあげたのはYouTubeにある演奏だが、少しのんびり感があるかもしれない。ガンバの場合はそれもよし。私が今のところ一番好きな演奏はニコラウス・アーノンクールとコンセントゥス ムジクス ウイーンの演奏 "Instrumental Music of 1600"に収められている。iTunes Store より簡単にダウンロードできる。しかも \150 便利になりすぎかも。

8/20/2013

オリジナル楽器によるパッヘルベルのカノン



Recorder と GarageBand での演奏を何回か書いたが、原曲のことも少し触れておきたい。
カノンと言えばこの曲を指すほど超有名だが、原題は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」 前半のカノンだけ演奏し後半のジーグは省略されることが多い。

また一般の録音はいろいろな楽器を加えたオーケストラで演奏されることが多く、それはそれで美しいのだが、オリジナルな編成で3台のヴァイオリンが絡み合う演奏も深い味わいがある。通奏低音はチェロとオルガン、そして大型のリュート(詳細不明)
YouTube より紹介します。







8/18/2013

パッヘルベルのカノンとGarageBandその3


パッヘルベル のカノン通奏低音は、階名でド・ソ・ラ・ミ・  ファ・ド・ファ・ソこれをGarageBandでチェロの音を出しているのだが、実際の楽器のように弓で弾くわけでもないから、どうしてもぶっきらぼうで単調になってしまう。弦楽合奏によるピチカートが魅力的な音を出しているので使って見ることとする。原曲はニ長調だが、今回のリコーダー用はヘ長調なので
F C Dm  Am  B♭  F  B♭ C の和声進行となる、これは大逆循環と呼ばれて極めて一般的な形らしいが、日本人にも好まれるらしく、翼をください(赤い鳥)、夏休み(井上陽水)、負けないで(ZARD)・・など多くのヒット曲があるらしい。

SmartStringsの入力画面 写真A

音源をSmartStringsに指定し、ヘ長調に指定すると写真Aの入力画面となる。当然の ことながら、必要なコードが並んでいる。これをタップするとピチカートのコードが鳴る。コードの自動演奏も可能だが、今回は自分で「演奏」してみる。

各四分音符に対して16分音符でアルペジオ風にコードをいれる。ピアノを弾くような感じですタップするのだが、鍵盤楽器の経験がない私にとっては結構大変なのだ。
通常このような入力はテンポを落として入力すると良いと言われているが、すでに最低まで(40)落としてあるのでそのまま入力するしか無い。たった2小節だけだが、それでも難しい。

録音ボタンを押すとメトロノーム4拍が始まる。それに続いてチェロの通奏低音が出るのでそれに合わせてンタタタ ンタタタ・・・(ンは休み)タッチパネルなので反応のタイミングが微妙にズレたりするが、あまり気にせず、リズミカルにポンポンポンと打ち込む。多分指が離れる瞬間にピチカートの音が出ているようだ。確実に音を出そうとして強く押すと指がわずかにズレるのだろうかアルコ(弓で弾いた音)になってしまう。私の場合は10分ほど練習してから、録音した。録音は何回でもやり直せる。リズムの多少の乱れはクオンタイズで修正できる。この2小節を1リージョン(録音単位)とする。

チェロの音は前回で完成して、これも2小節を1 リージョンとして28個すでに並べてある。その下側へ、ピチカートのリージョンをコピー&ペーストで並べて行く。
ついでに後打のハイハットも2小節1リージョンで作っておく。これも必要な場所にコピー&ペーストで並べる。何かパッチワークを作っているような感じだが、これで良いのだ。
これで通奏低音+ピチカート+ハイハットの部分は完成。あとはアルトリコーダーの3パートだけ。

GarageBandは録音機能もあるのでイヤホンで通奏低音を聞きながら演奏して録音する。iPad付属のマイクは本体側面にある小さな穴の奥にあるわけだ。譜面台上にiPadと楽譜を置き、1stアルトを演奏して録音。再生してみると、思ったより良い音だ。気を良くして2nd、3rdも録音した。譜面は2小節ずつ遅れて始まり、最後の部分でつじつま合わせを行うだけ。ほとんど同じと考えてよい。
内蔵マイクが余りに小さいので心配したが、十分に使用に耐えるレベルと思う。さらに上を目指すなら iRig HDなどとミキサーを組み合わせればコンデンサーマイクなども使用できるが、とりあえず内臓マイクで問題なし。

カノンのトラック表示 B

完成したカノンのトラック表示 B
上側3本(緑色)はTouch Instrument
1番上はチェロによる通奏低音 28個+1個並んでいる。最後の1個は最終小節
2番目は弦楽器によるピチカート、3番目はハイハット いずれも曲の途中からスタートしているのがわかる。
下側3本 (紫色)は録音のリージョン
連続して録音しているので分割なしの1個のリージョン。1st, 2nd, 3rd リコーダー スタートが2小節ずつずれているのがわかる。

左側はトラックのコントロール部分で任意のトラックのON/OFF 音量調整ができる。
したがってリコーダー奏者が0~3人いずれも対応可能となる。


実際に使用している風景
iPad 、小型ミキサー、アンプ、スピーカを接続、リコーダー奏者は2名なので1st,2nd リコーダーを消音してある。
使用風景

8/13/2013

おお隣のローランド ザムエル・シャイト

譜面はローランドバスパートとアンチョコ

カンツオン第28番「おお隣のローランド」ザムエル・シャイト Canzon super"O Nachbar Roland" Samuel Scheidt

HRC(平尾リコーダークラブ) で以前にも挑戦してそれなりに仕上げ発表した曲ではあるが、再度取り上げて演奏してみることにした。前回私はSoprano1であったが、今回はすべてのパートを入れ替えと言うことなのでで私はBassを希望した。

この曲は本来ガンバの曲らしいが、リコーダーでもよく演奏される。
FRQ(Flanders Recorder Quartet)やレ・サンク・サンスもCDの録音がある。

私が始めてこの曲を聴いたのはステラの演奏だった。ステラのCD「おためしステラ」にも収められている。 
当時HRCを結成して間もない頃で、5人の女性奏者の演奏は迫力十分、ため息をついて聴いていた。特に最後にすべての楽器が16分音符でダダダダ・・とやるところなどは迫力十分、いつかは演奏してみたいと夢想したものだが、内容はともかく演奏も今回は2回目、前回とは少し違った演奏ができるのではないかと思っている。

バスパートの動きがかっこいいのでBassを希望したのだが、実は私には大いに問題がある。Bassの譜面でそのままで演奏するのが困難なのだ。

ヘ音記号が読めないのだ。ピアノの経験はないし、バスパートの経験がほとんどない。Ricco Suonoなどでもバスは演奏したが、「アルトパートの重ね」のような役割りだったのでアルトパートの譜面で良かったのだ。しかし今回はそうはいかない。しかも練習時間があまりない。この際アンチョコを作ることにした。

バスリコーダーは実音より1オクターブ低くヘ音記号で書くのが通常なので2オクターブ上げてト音記号で書けばアルトリコーダーと同じ指使いで演奏出来てアルトリコーダーより1オクターブ低く響く。
毎回こんなことをやっている訳にはいかないので、ヘ音記号も別途練習しておきましょう。


写真はバスリコーダー演奏中の奏者(私)から見た風景のつもり。
譜面台上の楽譜は「おお隣のローランド」のバスパート、アンチョコも右側に見える。

8/04/2013

パッヘルベルのカノンとGarageBand その2


GarageBand Club 「 iPadでミュージシャンになろう!」に参加してみた。
アプリの開発者がギターに堪能らしく、ギター形式での入力が便利なようだ。ギターやコードに不慣れな私にとっては、初級コースと言えども大汗であったが、得るところも多かった。K講師の「最強のアプリです」との発言もある意味納得できる。私は少し簡易なアプリと思っていたが、少し真面目に取り組んでみよう。

先日パッヘルベルのカノンに通奏低音を付けてみた。音源はいろいろあるのだが、バロック音楽に適した音源が無い。とりあえず"Classic Rock Organ"を使用したが、調整が悪いのかしっくりしない。"Smooth Clav"もすっとんきょうな音で使う気にはならない、ジャラジャラーンと鳴るチェンバロの音やガンバの音がほしいのだが・・・
とりあえずバージョンアップで追加された"Smart Strings"を使用してみる。これをでViolinsやCellsの音やそれらのコード音が使える。とりあえずチェロでガンバの代用を試みた。

通奏低音の8個の音は階名で ド ソ ラ ミ ファ ド ファ ソ でそれぞれ四分音符そして2番目のドは一オクターブ低い
A Cellos の入力画面
B Cellos フィレットのような模様あり












写真A はCellos単独で演奏する画面だが、チェロの指板の部分を押さえると音が出る。しかしこれでは音程をとるのが難しい。私はヴァイオリンをほんの少し弾くことができるがそれでもこの画面では非常に困難だ。
しかしScaleを指定するとフィレット付きのような画面になる。写真BはFメジャーに指定した画面。これだと音程の心配はなくなるが、音域が2オクターブないのだ一番低い弦でド レ ミ ファ ソ ラ シ ド、これだけ。一番高い弦で シ ド レ ミ ファ ソ ラ シ 中二本の弦はその中間だから結局ド-ド-シの14音だけ、弦を4本並べて2オクターブ弱 何でこんなに音域が狭いのかと思うが、多分コードを演奏することを中心に考えた設計なのかも知れない。それに各弦の最低音はフィレットではなく上側のブリッジ?部分を押さえる変な設定。(指は押さえない”開放弦”の意味かも)

2小節8音をとりあえず演奏して録音してみる。トラック表示に切り替えると内容が角丸の長方形で表示されこれをリージョンと呼ぶ。再生してみると、かなりたどたどしい演奏だが、クオンタイズをかけることによってかなり修正される。これをコピー&ペーストで28個並べ最後にドの音だけのリージョンを一個くっつけてとりあえず通奏低音が完成。

早速HRCの練習に持ち込みリコーダーで合わせてもらう。チェロの単音でちょっとぶっきら棒な感じだが何とか使えそう。ところが運の悪いことにその日はKさんがギターを持ってきていた。ギターで通奏低音を演奏してもらった。こちらはアルペジオの飾りも付く。
部員たちの感想はギターのほうが演奏しやすいと言う。

まあそうでしょう。早いパッセージではギターのほうがリズムを合わせてくれる。それにアルペジオの飾りも付いている。しかしここで引っ込んだらGarageBandの出番が無くなる。さらに改良工夫しなければ。

Kさんは、さらにサイレントギターを入手したとのこと。これはパワーアンプを通して音が出てくるので、更なるパワーアップが予想される事態となった。 

・・・・続きは次回に・・・・