9/25/2013

おお隣のローランド その3

おお隣のローランド リコーダーバージョン最初の部分

先日のブログ「おお隣のローランドその2」でザミュエル・シャイトの" O Naschber Roland"とウイリアム・バードの"My Load Willoughby's Welcome Home"が同じ旋律を用いているらしい。と書いた。いくつかの資料の記述を元に書いたのだが、受け売りであることには変わりなく、なんとなく落ち着かない。自分でも確認しようとYouTubeを使って検索してみた。

"My Lord Willoughby's Welcome Home"で検索をかけると、かなりの数がヒットするが、ほとんどがダウランドのリュート曲だ。しかしよく探すと2曲ほどウイリアム。バードの曲を見つけた。最初にチェンバロの曲を聴いてみたが、どうもローランドのメロディーは使ってないようだ。「これはまずいブログにガセネタを書いてしまった」とちょっとあせりながらリュートの演奏を聴いてみる。最初はやっぱりダメだと思ったが、2回目でちょっと気になる音の動きがあった。再度注意深く聴いてみるとそれはローランドの旋律の一つ後半部だと確認できた。ここまでくればもうパズルが解け始めたも同然、同じ旋律の出だし部分も聴こえてきた。中間部には別な要素も入り込むが、後半部分がそれに続く。これで間違いない。

当時はラジオなんかはもちろんなかったわけだし楽譜の出版だって怪しいものだ。「はやり歌」は口々に歌い伝えられ、細部はどんどん変化しただろう、ましてこの曲はメロディーは同じでも別な歌として伝わっていったのだから、違いがあって当然だし、作曲者によって変えられている部分だって当然あるはずだ。

ここまでくればダウランドの同名な曲もひょっとして! と思い聴いてみた。バードの曲で慣れたのだろう、一発でわかった。やはり同じメロディーを使用している。

以前"The Leaves be Green"と言う歌もバードを含む何人かの作曲者の曲が現存していることを書いたが、当時は巷で流行している歌をアレンジして洒落た器楽曲に仕上げるのが作曲家としての腕の見せ所だったのだろう。

ローランドがガンバやリコーダーで演奏されていてメロディーが追いやすいが、"My Lord Willoughby's Welcome"はチェンバロやリュートなので慣れないとわかりずらい。
3人の作品の演奏を並べてみるので、聴き比べて見て下さい。

ザミュエル・シャイト  "O Naschber Roland"

ウイリアム・バード "My Load Willoughby's Welcome Home"

ジョン・ダウランド   "My Load Willoughby's Welcome Home"

解らなかった方ためにヒントを出します。
シャイトのローランドは幾つかのメロディーがあり狙いが絞れない。曲の一番最初に2ndが奏でる部分に着目して下さい。

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