9/12/2010

リコーダー改造クルムホルンもどき

中国の横笛「笛子」(dizi)には息を吹き込む歌口と6つの指孔の中間付近に膜孔と呼ばれる孔があり、ここに笛膜を貼り演奏する。
一般的に笛の音は正弦波に近い澄んだ音がするが、笛膜の振動が加わることでダブルリードを持つ楽器のような表情豊かな音になる。
(笛子の笛膜については別項で解説するつもりです)

スザートの曲は時々プログラムに加えられるが、打楽器などを加えて演奏すると、リコーダーの音色だけでは押され気味になってしまう。クルムホルンやコルナミューズを加えて音色や音量に変化をつけたいのだが、それらの楽器は経費や演奏技術の習得で問題がある。
それならばリコーダーに笛膜を応用すればクルムホルンのような音色が得られるのではないかと考えた訳である。

最初の試作
樹脂製ソプラノリコーダーのラビュームと一番上側の指孔との中間付近に孔をあけた(8X6mmの長円)
笛膜を張り演奏してみたが、音程がすっかり狂ってしまい、音も不安定、原因はこの部分の管の厚さが数ミリあり、管の外側に膜を張る為、内管の容積形状が変ってしまうことが原因と思われる。

試作改造
管の厚さによる容積変化を避ける為、管の厚さ分をヤスリで削り落とした、これに笛膜を貼った状態(写真)
笛膜や接着する阿膠(アージャオ)と呼ばれる膠(にかわの一種)も写っている。音程はかなり改善されたが、笛膜の状態によってはビビリ音にならなかったり極端な場合は音が出なくなったりした。

試作改造その後
膜孔を縮小するとかなり改善されることがわかったので、5mm程度の孔を空けた樹脂の薄板を膜孔に貼つて孔径を縮小しその上に笛膜を貼って使用してみたが何とか使えるレベルにはなったと思う。昨日HRCの練習があったので実際に合奏で使用し、「ソプラノ クルムホルンの音に似ている」などと強弁して何とか使用を認めさせることに成功した。本家の笛子でも笛膜の貼り方はいろいろコツがあるらしいので、更に工夫してより安定した「クルムホルンもどき」を完成させたいと思っている。

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