5/24/2015

warpでの練習「草原のマルコ」

チャランゴ2台

先日はwarpでのフォルクローレの練習。私はケーナで参加している。
ケーナサークルとしてスタートしたこのグループも強力なギターや打楽器奏者を迎えることができ、とりあえずフォルクローレのグループとして活動をしているのだが、肝心のケーナやチャランゴの演奏テクニックがイマイチで伸び悩んでいるのが、悩みだ。
今回用意した曲の中に「母を訪ねて三千里」の主題歌「草原のマルコ」がある。フォルクローレではないのだが、南米が舞台のストーリーだし、歌にケーナが絡んだりするので、この種のグループでは時々演奏されるらしい。
このアニメがテレビ放映されたのは1976年だそうだが、39年前となるわけだ。私は長男といっしょに見た。子供の頃見た人や、まだ生まれてなかった人もいる。これだけ長期間歌い続けられるのは、名曲と言えるだろう。

歌がメインとなるので、シンガーソングライターの梢さんに参加してもらった。ここwarpは色々なジャンルの方達が関係しているので、そのようなことが比較的簡単に出来るのがすごい。
彼女はこの曲を聴いたことがないはずだが、ピシリと見事に決めてくる。さらに音程など疑問があるのかピアノで音を出してチェックしている。なんか音楽に対する姿勢の違いを見たような気がした。

あと今回は「コンドルは飛んでゆく」をやる。いままでは二部形式でやっていたが、今回は中間部も省略せず三部形式で演奏する。ヤラビ(Yaravi)-パサカージュ(Pasacalle)-ワイノ(Huayno) 南米のグループも二部形式で演奏するところと三部形式で演奏するところがある。原作者のロブレスはコンドルカンキというインカの英雄を讃えるオペラのために作曲したのだが、オペラはあまりにも政治的すぎるためか、演奏されなくなり、「コンドルは飛んでゆく」の部分だけが、サイモンとガーファンクルの歌に使われたりして、世界的なヒットになった。中間部も演奏することで、元のオペラの雰囲気に少しは近づけるような気がする。
(コンドル・・に関しては過去のブログにも書いているので興味のある方はどうぞ)

次回のwarpの演奏会は7月19日 あと一回は練習日が取れるからなんとかまとめられるでしょう。

今回手伝ってくれる梢さんがwarpで歌っている動画がYouTube にあったので紹介します

5/19/2015

贅沢な練習


土曜日は平尾リコーダークラブの練習日だったが他の部員の都合が悪く、せっかく確保した部屋をキャンセルするのはもったいない。私一人で使わせてもらうことになった。ウシシ大歓迎!
ここのところあちこちに顔を出しているので、おさらいしなければならない曲が増えてしまい、ちょっとあせり気味だったので、まさに天の恵み。パートもいろいろあるとは思っていたが、、結局ソプラノからバスまで全部必要だった。さらに翌日はフォルクローレの練習日だったので、ケーナも加えた。

ここは団地の集会室、時々練習に使っているが、響は良い。なんか一人で使うのは少し申し訳ないような気がしたので、部屋の半分の照明は消し、エアコンも使用しなかった。椅子と机を出し、あとはひたすら練習、4時間はたちまち過ぎてしまった。普段の練習は合奏だけ繰り返し、なんとなくそれで出来たような気がするが、これだと出来ない部分はいつになっても出来ないままになってしまう場合がある。

また合奏で確認したい場合は、iPodに練習が録音されているので、聴きながら合奏できる。カナル型の イヤホンだと自分の音が少しききづらいので、片側を少しルーズに装着することにより録音と自分の音とのバランスを取ることができる。


何箇所かの難しい部分が出来るようになったし、演奏テクニックも(ほんの僅かだけれど)前進出来たような気がするのも嬉しい。プロの演奏者達は毎日こんなことをやっているんだろうな。

5/05/2015

フィアウティ・デコー

私の試作したフィアウティ・デコー

J.S.バッハにはリコーダーのソナタがない。カンタータなどで効果的に使用されている場合もあり、リコーダーが嫌いだったわけではないと思うが、作曲する機会がなかったのかも知れない。そんな中でブランデンブルグ協奏曲の4番や2番はリコーダーを使用している。古い録音の場合フルートが使用されていることが多かったが、最近はリコーダーを使用し他の楽器に伍して堂々と演奏しているのは実に頼もしい風景なのだ。録音されているCDには他の楽器の演奏者と一緒にリコーダー xxxxと演奏者の名前が印刷されている。
しかしここで重大な疑問があることをご存知だろうか。

バッハはリコーダーのパートを通常イタリア語でフラウト(Flauto)、フィアウト(Fiauto),複数ではフラウティ(Flauti)、フィアウティ(Fiauti)のように書いているそうだ。
ところがブランデンブルグの4番の場合ちょっと変わったことが書いてある。
Fiauti d'Echo フィアウティまではわかる。リコーダーの複数だ。デコーは何? 
フィアウティ・デコー  これでエコー リコーダーの意味だそうだ。
バッハ手書きの楽譜を見てみる。
バッハ手書きの第一楽章

第一楽章の上の部分に記入されている題名

"Concerto 4to à Violino Principale, due Fiauti d'Echo, due Violini, una Viola è Violone in Ripieno, Violoncello è Continuo."
独奏ヴァイオリンと二つのフィアウティ・デコーの為の協奏曲第4番  二つのヴァイオリンと一つのヴィオラ・ヴィオローネ、チェロと低音を伴う

リコーダーは歴史の表舞台から一旦は消えてしまいドルメッチによって再興された楽器だ。だから演奏法や製造方法なども一旦途切れてしまいゼロから再構築されたのだと考えて良いと思う。フィアウティ・デコーもその一つだ。リコーダーが2本一組となってつながっている楽器が幾つか発見されているが、これがフィアウティ・デコーだと考えられている。
リコーダーを弱く吹くと音程が低くなってしまうのはリコーダーの性質で仕方がないと思われているわけだけれどもこれを解決する一つの方策がこれなのだ。

2本の楽器を用意し、一方を弱く吹いても音程が下がらないように少し高めに調律しておく。もう一方は通常の調律なので通常はこちらを使って演奏する。弱音が必要なときは高めに調律してあるほうに持ち替えることにより、弱音でも音程を保つことができる。

当時の楽器の写真を掲げておく。2本の楽器がH形に結合されている。

ブランデンブルグ協奏曲はケーテン時代に完成されて演奏されていたらしいが、バッハ自身がこのような2本のリコーダーを使用する奇策な方法を考案するはずもなく、バッハの目の前で器用に2本のリコーダーを演奏して見せた奏者がいたに違いない。バッハはこれにいたく感動し、早速採用したのだろう。第二楽章に強弱の符号が頻繁に現れるから、ここでこの楽器を使用したに違いない。謹厳実直で頑固そうなバッッハがOKしたのだから大変なことなのだ。しかしバッハはそれだけではなかった。何年か後にブランデンブルグ伯に協奏曲を清書して献呈した時にもこのことを忘れず、協奏曲第4番には2本のフィアウティ・デコーを指定したのだ。これはバッハの就職活動の一環と考えられているが、なぜかこの楽譜は棚にしまわれたまま使用されることがなかったらしい。後世発見されて綺麗な未使用の楽譜として見ることができるのもその為だけれど、バッハとしては悔しかったに違いない。

この楽器を再現した演奏がある。以前全曲の演奏を紹介したことがあるが、今回は該当の第二楽章のみの演奏を紹介する。
楽器はPeter van der Poelとフォンヒューネワークショップによって作られ、2本の楽器がV形に結合されている。
2本の楽器は発音の強弱だけではなく音色も差が出るように調整されているとのことである。

H形とV形 
バッハ時代は2本の楽器を平行に並べていたので(H形)持ち替えるのは右手と左手で2動作必要となる。
ところが今回再現された楽器はV形に結合されている。ビデオを観察すると左手については通常に持ち替えているが右手は持ち替えることなく指を伸ばしたり縮めたりして楽器を切り替えているのだ。つまり全体で1.5動作で楽器を持ち替えていることになる。
ビデオの二人の奏者はいとも簡単に楽器を持ち替えているので、それならばと私も試して見たくなって試作してみた。
2本の楽器のメーカーも違うし縛ってある紐が目障り、演奏して見ても楽器は重いしバランスは悪い、持ち替えも大変、正確な音程どころではない。残念ながら断念するしかなかった。

5/04/2015

ウインドベルへお邪魔する

BWV68 バスパートを担当

バッハのアレンジを演奏しているウインドベルというグループがある。ちょっと毛色の変わったグループだ。
今回フレンドシップコンサートに参加してもらったことがきっかけだと思うが、まとめ役のTさんから連絡があり、「ちょっと練習に参加して見ませんか」とのこと。面白そうだと思ったが、モタモタしていると録音や楽譜が次々と送られてきた。現在の部員が3名なのでいつも3声のアレンジだが、4声もやって見たいとのこと。
渡されている楽譜はバッハのアリアとかフーガの4声にアレンジしたもの3曲、パートもソプラノ、アルト、バスとばらばらで、少しはおさらいできると思っていたが、結局バタバタと当日を迎えてしまった。

練習会場の府中のグリーンプラザへ向かう、かなり緊張する。これは仕方ないでしょう。

狭い室内に4人が集まるとあいさつもそこそこに練習開始、
BWV63のアリアの部分と思うが、助奏のオーボエを前面に押し出したアレンジ、このパートをソプラノリコーダーで私が演奏する。
他のパートはびしっと押してくるのに、私だけあせりまくって楽譜を追うのが精一杯、

2曲目はBWV68 カンタータ の一部 私はバスパートの担当、ほとんど休みなし三連譜の連続で音が飛ぶのだ。だから楽器を十分に鳴らす余裕が無い、スカスカ音のまま進行してしまう。楽譜に慣れて手抜きも含めたメリハリのある演奏をしないとバスの役割は果たせないと思う。

3曲目は同じくBWV68 のフーガの部分 今度はアルトパート。それほど長くなく、複雑でもないが、音が難しい、やっぱりバッハだ。でもこの曲が一番まとめやすいかも知れない。

練習時間は3時間ほどだったが、緊張していたのかあっという間に終わったような気がする。やはり他のグループに混じって練習するのは緊張もするが得ることも多い。

最後はお茶で話をしたが、練習だけでは知りえない人柄などもちらりと見えたりして興味深かった。

太鼓の音が聞こえてきた。府中大國魂神社のくらやみ祭りが始まったのだ。