11/29/2014

百合丘教会のコンサートに出演

リハーサル中のThe up cedar's

百合ヶ丘教会でのチャリティーコンサートに出演した。
2014/11/24 カトリック百合丘教会
第29回との事だから歴史のあるコンサートなのだろう。私たちは初めての参加。
以前この教会で開かれたコンサートを聴きに来たことがある。
今回最後に演奏したバンドのドラマーはここの教会の神父さまらしい。

出演団体は
⒈百合ヶ丘教会聖歌隊
⒉ヴァイオリンとピアノのデュオamoureusement(アムルズマン)
⒊エンジェルハープアンサンブル  アルエット
⒋麻生ブラスアンサンブル・ラボ
⒌平尾リコーダークラブ
⒍ The up cedar`s

私たちの曲目は
 女心をつかむコツ   J.ダウランド 
 今こそ別れ      J.ダウランド  
 Ego sum panis vivus   G.P.パレストリーナ
 隣人ローランド    S.シャイト
 里の秋  海沼 実
 埴生の宿  ビショップ

楽器構成
基本はリコーダー4 or 5重奏で「今こそ別れ」にはリュート、「里の秋」「埴生の宿」にはグレートベースを使用した。

教会なので響きは非常に良い。会場ギッシリ100名を超えていると思われる観客の方が入ったが、それでも響きは十分あった。リュートを加えたりグレートベースを使用したり変化はつけられたと思う。ただ観客の方のほとんどが古い曲目やリコーダーを聴くのは初めてだと思うので、曲の説明などもう少し出来たら良かったと思うが、くどくなり過ぎてもいけない。演奏内容だけではなく、バランスの取れた適切な説明があれば全体をグレードアップすることが出来ると思う。

リコーダー以外のいろいろな楽器の方達とご一緒できると音楽の作り方など少しづつ違っていて面白いし、参考になる事も多い。
ヴァイオリンと ピアノのデュオの方達と控え室が一緒になった。どちらもまだ音大の3年生との事だが、すでに演奏活動やコンクールで活躍しておられる方達だ。
ヴァイオリンは100年ほど前のイタリア製だそうで、音色については相当こだわりを持っておられるようであった。軽く音を出し、綿密な打ち合わせ、ドレスに着替え、演奏会場に向かう・・・・一連の動きが、演奏開始時にピタリと焦点を合わせているのが感じられる。 さすが! 

最後に演奏したThe up cedar's のドラマーが神父さまだと書いたが、バンドそのものが、信徒の方達で構成されているのだ。演奏された曲も近隣の藤が丘教会の上杉晋平作詞作曲と紹介されていたからカトリック教会にも伝統的な音楽ばかりでなく新しい流れを取り込んできているように思った。
それで改めて最初に出演した百合丘教会聖歌隊の曲をプログラムでチェックしてみると題名こそ聖書の中の文言であったが、作詞作曲は日本人の名前であり、こちらも新しい流れのようだ。演奏順番の関係で聞き逃してしまったが、ちょっと残念だった。
私たちの曲目の Ego sum panis vivus   G.P.パレストリーナ (これはヨハネ伝の一部を歌詞にしている)を加えたのだが、その必要はなかったかも知れない。

10/10/2014

31回昼下がりコンサート終了


 31回昼下がりコンサート
2014/10/5 「喫茶ポーポーの木」

通常は月末の日曜日なのだが、今回は日程の都合で一週間遅れた開催
秋に関係ある曲を集め、さらに前回から夏休みなどで時間が取れたので充実したプログラム。

それなのに朝から大雨、さらに台風の接近でさらに強くなるとのこと
会場の喫茶店に車で送ってもらい、練習を兼ねたリハーサル、しかし雨はますます強くなる。

開演時間が近づいてもお客さんは一人も現れない。
「こりゃダメだお客さんが0なら演奏会は中止だ」などと言っていたら
直前にドドドと5人のお客さん。狭い喫茶店なのでこれでも十分なのだ。
雨にもかかわらず聴きに来て下さったのはオカリナで演奏活動をしている方がほとんどだったので、少し踏み込んで曲の形式とか時代背景まで説明したが、質問も出たりして、興味を持って聞いていただけたと思う。


バッハ フーガの技法よりCONTRAPUNCTUS Ⅰ (リコーダー四重奏)

最初に演奏したのが10年ほど前になる。この曲でリザーブコンサートにデビューしたのだ。
当時は怖いもの知らずで、どんな曲だって出来るような気がしていた。多分各パートは必死で拍を取りながら演奏したように思う 。
今なら互いのパートの動きを感じながら演奏することが出来る。バッハは楽器を指定していないが、リコーダー4本で演奏することはバッハの意図にかなっているのではないかと思われる。金管楽器の華やかな演奏も多いが、音色に気を奪われてしまう。むしろリコーダーの単純な音で演奏してこそ各パートの動きが浮かび上がり、フーガの技法を極め、それを書き残そうとしたバッハの思いにつながることが出来るような気がしてきた。まだ満足できる演奏には達していないけれど。


ウイリアム・ウイリアムス 鳥の鳴声の模倣によるソナタ (リコーダー2本と通奏低音にバスリコーダー)
9月に一度学生時代の友人達と演奏しており、私にとって2度目となる。通奏低音と2ndリコーダーがHRCのTさんとKさんに入れ替わった訳だが 、演奏している時頭に浮かぶ風景が異なるのが珍しい経験だった。9月の演奏はバロックピッチのリコーダーと半音下げたチェロの通奏低音、今回はモダンピッチのリコーダーとバスリコーダーの通奏低音。ピッチや楽器の違いより、演奏者のキャラクターが大きな違いとなって感じられた 。同じ曲だが角度を変えて少し立体的に見ることができたような気がする。

ダウランド 涙のパヴァーヌ (リコーダーとリュート)
数年前に演奏した曲であるが、当時は器楽曲としてLPレコード の演奏を真似てきたのだが、最近YouTubeなどに歌とリュートの組み合わせでアップされているのを幾つか聴く機会があった。「涙の・・・」との題目にふさわしい演奏だ
やはりリコーダーといえども悲しみの表現は意識しなければならないだろう。今回は細かい音符を追いかけるだけの演奏だったような気がする。 

Kさんが新規に入手したリュートは軽くて演奏しやすいそうだ。実はこのリュートを作った工房がすぐ近くにあり、前々回の昼下がりコンサートでこの楽器のお披露目演奏には製作者自身が聴きに来てくれたのだ。
身近にリュート奏者が存在すること自体、考えてみれば得がたい事なのだ。今後少し頑張ってレパートリーを増やしてみよう。

リンゴの歌
映画の挿入歌らしいが、「敗戦 」を「終戦」と無理に言い換え、「国破れて山河あり」の心境の人々に大ヒットした歌。
歌そのものは短調でちょっとしんみりさせ、前奏や間奏を長調にして明るい未来を予測させる絶妙の構成。
リコーダーへの編曲はもちろんHRCの名アレンジャーTさん

次回は1月25日を予定している。

9/14/2014

鳥の鳴声の模倣によるソナタ その2

曲の冒頭 鳴声を模倣している部分

「鳥の鳴声の模倣によるソナタ」 Sonata in imitation of Birds William Williams(1677-1704)

作曲者のWilliam Williams  については実はあまりよくわからない。
バッハやヘンデルより7年ほど前に生まれているが、27歳の若さで亡くなっている。
出生年なども資料によってはズレもあるようだ、この曲の出版は London 1703となっているから亡くなる直前の出版だったのだろう。
肖像画も検索してみたが、見つからなかった。他にリコーダーの曲が数曲残っているようだ。
この「鳥の鳴声の模倣・・」はリコーダー奏者に好まれているらしく、YouTube などでも幾つかアップされていて聴くことが出来る。

当時のイギリスの時代背景は ニュートンの万有引力の法則1687 ・・・ ワットの蒸気機関の発明1765 
産業革命前夜の動きも考慮されても良いでしょう。貴族達だけの音楽ではなく、裕福な貿易商や工場主など自ら演奏を楽しむ人たちが出現してきたのです。

2回目の練習では、本番前の練習で使用する部屋を確保出来た。新宿高層ビル街の一室なので外の光景も素晴らしく、部屋の中もちょっと豪華、
ただ音は少し響き過ぎ。お客がいない空席のせいなのかもしれない。お風呂屋さんで歌っているようで。思わず楽器を鳴らし過ぎてしまう。
他のパートとの関わり合いに注意することなく、自分のパートのみ歌う傾向が感じられた。やはりトリオソナタのような曲はパート間で旋律を受け継いだり掛け合ったりしながらあたかも楽しく会話が進行するように演奏することが必要と思う 。
その点第一回目の練習「スタジオアイシャ」では響きが少なく譜面台を寄せて演奏したのでもっとお互いに聴き合うことが出来たように思われる。会場の残響の具合によっても演奏が変わってしまう。

2ndリコーダーのG君は今週末富山に帰り、地元のリコーダークラブの練習に参加した後、また東京に戻り本番に参加してくれるのだそうだ。地元のリコーダークラブの演奏会が10月にあるので忙しいのだ。
チェロのO君にしてもオケの練習を休んで遠方から駆けつけてくれているのだ。練習と言えども「一期一会 」

明日は本番。直前の練習と会場でのリハーサルは多少時間を用意してあるようなのでそこで最後の調整ができるはず。
鳥の鳴声の模倣する箇所ではもっとそれらしく、それ以外の場所は楽譜から解放されて自由に会話を楽しんでいるような演奏を目指したい。
YouTube 参考演奏






8/24/2014

鳥の鳴声の模倣によるソナタ

狭い室内での演奏 音響は悪くない

「鳥の鳴声の模倣によるソナタ」 Sonata in imitation of Birds William Williams


学生時代はマンドリンクラブに所属して学業もおろそかになるほど熱心に練習した。しかし卒業すれば 、みんな家族を持ち仕事に追われ、必死だったと思う 。
60歳を超えて仕事も生活も一段落付いたのだろう。お互いに連絡を取り始めた。特に私の場合、行方不明扱いだったらしい。それがリコーダーの季刊誌に私たち平尾リコーダークラブが紹介された。その写真の中の顔に見覚えがあるということで連絡をくれたのが、富山でリコーダーを始めていたG君だったのだ。  その結果多くの友人と再会を果たすことが出来た。みんな苦労して来たらしく、年はとっていたが、何らかの形で音楽と関わり続けているのが大部分と知って嬉しかった 。

G君がリコーダーを始めたのは、当時の私がリコーダーやっていたこともきっかけの一つなのだそうだ。うれしいね。
そのG君と「一緒に演奏してみましょう」と言う話が発展して当時指揮者だったO君のチェロも巻き込んでトリオソナタでもやってみようということになった。しかし3人ともそれぞれ別なグループに属し、集まるのは大変なのだ。そんなことでもたついているうちに、なんと演奏の依頼が来たのだ。

OB会での演奏の依頼だった 。まだ練習もしていないが、技術的には多分大丈夫だろう。発表できるチャンスなどめったにあるものではない。曲は「鳥の鳴声の模倣によるソナタ」 ウィリアム・ウイリアムス 
急遽練習日を2日程決めて練習場も確保した。またG君がバロックピッチの楽器も所有していることがわかったので、この際バロックピッチで挑戦とO君に半音低い調弦をお願いしたところ、やって見ましょうとの連絡をもらった。・・・・・

今日がその最初の練習日、武蔵小杉にあるstudio Aisya(スタジオアイシャ)楽器の個人練習などに特化したスタジオ、小さな防音室が並んでいる。
私が時々借りるのは一番狭い0.8畳 15分で150円、かなり狭いが一人でリコーダーの練習をするには問題ない。
今回の部屋は2.5畳 電子ピアノが備え付けてあって4人まで使用可能 30分500円
大きなチェロを入れるとぎゅう詰め状態だったが、演奏には特に支障はなかったとのこと。
音響は悪くないし、エアコンは快適、3人の演奏技術もほぼ同レベル、曲も難しくない。 練習は快適に進んだ。
当初の予定は1-2楽章だけの演奏を考えていたが、1-4楽章に拡張も可能だろう。学生時代にタイムスリップしたような気分だ。

気心の知れたチェロに乗っかって演奏するリコーダーは実に快適だった。次回の練習も楽しみだし、多分本番も上手く行くだろう。

8/10/2014

細岡ゆき門下生発表会


細岡ゆき門下生発表会 2014年7月27日 近江楽堂
ヴィオラ・ダ・ガンバ なかやまはるみ  チェンバロ 矢野薫

やっと近江楽堂での発表会が完了した。ここ2ヶ月はそのことが頭から離れず、30回目の昼下がりコンサートやケーナの発表会も何と無く力が入らないまま過ぎてしまった。関係者の方々申し訳ない。私自身の演奏も何とか終了し、ホッとしている内にもう8月になってしまったが、遅ればせながら記録しておきます。
F.バルサンティ  ソナタハ長調 作品1ー2  Adagio Allegro

演奏の方は、当初それ程難しくないとの思ったのだが、実際に演奏して見るとそんなに簡単ではなく、全曲の演奏はあきらめて1楽章、2楽章だけ集中して練習した。しかしそれにしても私のレベルを上回る曲だったようで、特に第2楽章のAllegroは16分音符の連続する部分では機関銃のようにダダダダとピストン運動する場所が4小節も続き、息、舌、指、楽器の保持、気力などが、安定して持続出来ないと途中で破綻してしまう。しかも同様のパターンが4回もあるのだ。短ければごまかし様もあるが、これだけの長さがあると ちょっとしたことで崩れてしまうのだ。

第1楽章 Adagio  作曲者自身が書いたらしい装飾音がこの楽章全体にちりばめられているが、特に64分音符を含む急上昇急下降が3ヶ所ある。(始まってすぐに1ヶ所、終わり頃連続で2ヶ所)これが華麗に決められるかがポイントだろう。最初の1ヶ所は気負いこみ過ぎかコケてしまった。後半は何とかつなげることが出来た。

第2楽章 Allegro  出だしのメロディが愛嬌たっぷり、お下げ髪の女の子が、えくぼで話しかけてくるようだ。間も無く例の16分音符によるピストン運動が始まる。
ピストン運動が難しいのでそこにだけ目が行ってしまうが、本来この部分は「つなぎ」なのだから機械的にさっさとこなしてそれ以外のメロディを工夫すべきなのだが、それが出来ないのが悔しい。後半近くお下げ髪のメロディが再び顔を出す。印象的に目立たせたいと思ってもテンポが早いためあっという間に通り過ぎてしまう。最後は低域でのピストン運動この部分は低音部でかつ右手左手にまたがる為思ったよりも難しい。そこを通過するとすぐに曲は終了する。少し短すぎたかな。もう少し演奏したかった。


演奏の形態はいろいろでリコーダーと通奏低音、 リコーダー2本と通奏低音、リコーダーアンサンブルと奏低音、通奏低音なしのリコーダーアンサンブルもあった。
せっかくの機会なのだから、1人または2人で通奏低音付きで演奏するのが最も収穫が多いのではないだろうか。
その点今回その形態で演奏したのが5組だけというのはちょっと少なかったような気がする。

参加者はそれぞれ苦労して自身の課題を乗り越えたと思うが、
そんな中でもNさんの演奏を取り上げて見る。
曲はヘンデルのソナタ イ短調。
「この曲はヘンデルがアン王女の通奏低音の練習のため作ったと言われているのでリコーダーはそれほど難しくはないはずだ」など知ったかぶりで斜に構えていたら、ガンバとチェンバロの音がグワーと立ち上がってきた。Nさんのリコーダーがプロ奏者達のやる気に火をつけたらしい。結局最後まで崩れることなく堂々と鳴らしきり、大拍手。演奏を終えたNさん正面をグッと見つめる。頭にはルビーのような飾りが付いたたターバン状の飾り。これだって演奏の一部なのだ。 やはりヘンデルはすごい

演奏後の打ち上げでは若い方達も多く話がはずんだ。私も演奏がとりあえず終わりホッとしてビールで乾杯して話に加わった。
実はこの2ヶ月間アルコール類は絶っていたのだ。酒も飲まず必死で練習したわけではない、気持ち上の問題だけだったのだけれど、わずかでもプラスになったかもしれない。
伴奏者の方から、前回に比べてかなり良くなったと言われたり、リコーダーの音色が綺麗だったと言ってくださる男性がいたりした。学生時代の友人も二人駆けつけてくれて、良い演奏だったとのこと。お世辞半分でも褒められれば嬉しい。
当日の録音を聞くとちょっとがっかりしてしまうのは仕方ないでしょう。

6/22/2014

アルメニアのDuduk 発見

アルメニア(Armenia)のDuduk

先日アルメニアのDuduk の写真を読者から送ってもらってブログで紹介した。
その時の写真は楽器の下端に穴が無いように見えたので、もしかして穴が無いのかもしれないなどと書いた。
写真を送ってくれたDonneidecker氏は撮影時に穴はあったような気がすると連絡してきたが、それ以上確かめようが無いのでこの件は保留としておいたのだ。しかし私は心に引っかかる感じがあった。 これによく似た楽器をどこかで見たことがある。・・・

多摩地区に小さな地下スタジオの付いた建物をアマチュア演奏家に解放してくれている方がいて、私達のフォルクローレグループもそこを利用させてもらっている。このブログでもそこの発表会を紹介したことがある。 スタジオ機材やピアノ、ドラムス、ギターなどが置いてある。そんな中にいかにも南米の手作りといった感じのケーナが数本(これが不思議によく鳴る)国産のプラスチック製のソプラノリコーダーが一本、そして木製の笛のような楽器が一本置いてあった。ケーナに気を取られてその木製の笛のような楽器についてはあまり気に留めなかったのだけれども、Dudukに似ているような気がしてきた。

今日フォルクローレグループの練習日だったので、会場に着くと早速その楽器の場所へ行ってみたのだ。何とDudukそのものではないか!特徴ある大きなリードも箱の隅に転がっている。 今まで何度か目撃しているはずなのに、注意してこなかった自分が少し情けない。

リードを取り付け少し強めに息を吹き込むと意外と簡単に音が出た。特徴のある音だが悪い音ではない。指孔の塞ぎ方を変えると音程がはっきり変わる。運指が解れば簡単な曲は演奏できそうな感じであった。 この楽器の入手経路など知りたいと思ったが、本日はあいにく家主の方が不在とのことで果たせなかった。
下端には穴が開いている


裏面には2箇所の穴

楽器の下端には間違いなく穴が開いている。裏側には2つの穴。表側には8つの穴。とりあえず本日はここまで、
運指や入手経路などわかったらまた報告するつもりです。

ハミングバード・リコ 演奏会


2014年6月15日 調布市文化会館たづくり 1F むらさきホール
 
今回30周年記念コンサートとのことだが、大変なことと思う。派手ではなくても地道に魅力ある練習を積み上げてきた結果だろう。

数年前この団体の演奏会を聴いた時は、もう少し人数も少なく、女性だけでこじんまりやっている感じだったが、今回は部員数20名で私の友人を含めて男性が4人程になり、大型低音楽器も増えて、迫力ある音だった。指揮者である古山和夫氏の指導が細部まで行き届いている感じ。

会場と出演者数の関係だろう長方形の会場の長手方向に演奏者達がゆるい円弧状に並び、観客の椅子もそれに向かい合うように並んでいる。同一フロアで、演奏者と観客が近く親近感がある。音量バランスの問題が出るかも知れないが、私は中央より右寄りの低音楽器近くに席をとったので全く問題がなかった。

W.バード「5声のブラウニング」はちょっと平板な演奏で、期待していただけに残念。せっかく指揮者がいるのだから、もう少しメリハリが欲しい。そうでないと難しそうな曲がただ流れてゆくだけで終わってしまう。
M.フリーデック「様様な様式の誕生日おめでとう」(ハッピバースデーの曲)もう少し遊びの部分を強調したほうが楽しいのではないか。エルガーの曲などは観客席から笑い声が上がった。ベートーヴェンは省略されたらしいが、ぜひ聴きたかった。

テレマン組曲イ短調より「プレジール」は良かった。指揮をしている古山氏が観客席にクルリと向き直り リコーダーオーケストラをバックに演奏。アルトリコーダーのソロは素晴らしかった。高音も無理なく出てさすがのテクニック、しかしそれだけではなかった、次の曲はヘンデルのオンブラ・マイ・ フ。プログラムにはソロのことは書いてなかったのだが、楽譜の間からソプラノリコーダーを取り出して演奏を始めたのだ。弱音からビブラートを伴ったクレッシェンドで最強音まで吹き上げる。最強音でも音は崩れない。ソプラノリコーダーをこれだけ歌わせるのを初めて聞いた。ひょっとしてこれを披露する為オンブラ・マイ・フを選んだのではと思ってしまう。

最後の「インスブルックよさようなら」H.イザークは安心して美しい和音が楽しめた

いろいろ書いてしまったが、これは聴く方からの勝手な思いであって、演奏する側から考えて見るとちょっと異なるのかも知れない。
観客を喜ばす為練習しているのではなく、自分たちが充実した練習が出来るような曲を選び、その延長線上に演奏会があるわけだ。30年の歴史はその集積の結果だろう。

6/12/2014

アルメニアの Duduk


ブログの読者、ドイツケルン在住のDonneidecker氏から珍しい楽器の写真を送ってもらったので紹介する。
「トルコ人街のお祭」があり、その中の骨董品屋で珍しい笛のような楽器があったので、撮影したとのこと、アルメニア系だそうだ。ダブルリード付きの楽器はショームの仲間と相場がきまっているのでその仲間の楽器であろうと連絡した。
ショーム(Shawm)英国は後年オーボエに発展した楽器で、民族楽器としては世界中に散らばっており、ドイツのシャルマイ(Schalmei)、ポルトガルのチャラメラ(Charamela)、中国のソーナ(哨呐)など多くの地域に存在している、特徴は、小さなダブルリードと、円錐管の組み合わせだ。

しかし再度写真を観察したところ重大な相違点が発見された。まずリードが不自然に大きい。クラリネットのリードを2枚合わせにしたような形状でバスーンのリードより太いのではないか。またリードの形状から考えると円錐管ではなくクラリネットのような円筒管である可能性が高い、写真の外観を見ても棒状の形態だから内部も円筒管なのだろう。さらに写真を拡大して楽器の下端を見ると驚愕の事実が! 穴が開いていないらしいのだ。棒状の先端が丸く削ってあり穴は見えない。 指孔を全部押さえたら息を吹き込めなくなるわけだが、指孔は直線状に8個空いているので、小指は使用せず、上側6個の指孔を使用し下側2個は常時開放したままではないかと推定する。音域はあまり広くないのではないか。

追ってDonneidecker氏から連絡があった。
Duduk(Armenia)としてWikipedia に載っているとのこと。これに間違いない。
かなり詳しく。音も聞けるので一見の価値あり。

写真をさらに詳しく観察するとクロマチックチューナーやギターの弦もあり、この楽器(Duduk)の予備のリードも置いてあるから、骨董品店と言うより楽器屋に近いのではないかと想像する。さらにバンジョーのような弦楽器も見える。

6/08/2014

バルサンティ ソナタ 2

ソナタ 2 Adagio の部分

師匠からmailが届いていた。「近江楽堂で演奏しませんか」内容はすぐ判ったが、ちょっと弱気になり返事はグズグズと伸ばしていた。響きの良い近江楽堂でプロのチェンバロやガンバの伴奏でバロックのソナタなどを演奏するのだ。

先日リコオケの練習の時師匠から声がかかり、「例の件どうなりました?」不意打ちで慌てて「ハハイ、参加します・・・」。
曲は普段からソナタなどを演奏しているわけでは無いので、なじみの曲など思いつかない、テレマンの曲など難しそうだし、・・・前回バルサンティのソナタ1をやった時、ソナタ2も音の動きが派手で面白そうだと思った覚えがある。「バルサンティの2番をやります」などと曲名まで答えてしまった。

楽譜はペトルッチ楽譜ライブラリーからダウンロードした。「なんだこれは!」第一楽章のAdagioはやけに細かい音符が並んでいる。64分音符!かなりびびってしまう。 前回同じバルサンティのソナタ1番をやった時は、白い色の2分音符が並んでいて、小節(コブシ)のように適当な装飾音でお茶を濁すことが出来たのだが、今回の楽譜は細かく装飾音が書き込んである。作曲家自身による装飾音の書き込みがあるとの記事を読んだ覚えがあるが、正にこの部分なのだろう。適当に省略などはまずいだろう。第二楽章のAllegro はそもそも調性はハ長調だし難しい超高音とかは無く、演奏しやすい構成にしてあるが、音の動きがド派手に作ってあり、追いかけるだけで大変。陽気に歌い騒げればそれで良し。深い情感など求める方が間違っている。

バルサンティはイタリアからイギリスに出稼ぎに来ていた。当時のイギリスは産業革命前夜で全てが勃興していた。多くの産業が起こり、人を引きつけ、お金が流れていた。結果として文化も発展し、音楽を嗜むことも紳士達の条件とされていたのだろう。そのような背景があるからこそ、ブレッサンやステインズビーなどリコーダーの名工も生まれ、バルサンティのリコーダーソナタ集も良く売れたのだ。出版後比較的短期間のうちに再版されたとの記録が残っているとのことだ。当時のアマチュア演奏家達に好評だったらしい。・・・・・・

しかしそれでもイギリスでのバルサンティの生活は楽ではなかったようだ。
当時は著作権など確立してなかったので楽譜の原稿を出版社に手渡し、なにがしかのお金を受け取ればそれでおしまい。リコーダー愛好家に人気が出て楽譜が再版されたとき、割増原稿料など受け取ることが出来たのだろうか。作曲だけではなくオーボエやティンパニーも演奏したらしく。器用だなどと言われているが、生活のためそうせざるを得なかったのが実際ではないか。旅費を捻出するためティンパニーを売り払ったとの記録が残っているそうだ。多くの作曲家がイギリスに渡ったが、それぞれ苦労したのだろう。

初めてではないが、初台のオペラ シティ近江楽堂でプロの奏者の伴奏で演奏するのは、緊張するものだ。
「オレが時給×××円で雇った伴奏者だ・・・・」と思えば少しは気が楽になるかもしれない。多少「とちった」としても優しくフォローしてくれるはずだ。

いずれにせよ演奏まで 2ヶ月をきったのだ。集中して取り組まないと大恥をかくことになりそうだ。

5/18/2014

リコーダーとチューナー その3

完成したマイクをアルトリコーダーに取り付けた

リコーダーの音程を確認するため、チューナーを併用しているが、周りの音に影響を受けて混乱してしまうことがある。それを避けるため普通はピエゾ素子にコンタクトマイクを使用すれば避けられるが、リコーダーの場合は楽器自体の振動が少ないため音のピックアップに問題がある。(リコーダーとチューナー その2)
そのため今回は小型のマイクを使用してラビュームの至近距離から音を拾うことにする。
そこに使用するマイクだが、コンデンサータイプのラベリアマイクはファンタム電源が必要だったりXLRによるバランス伝送だったりして大げさすぎて使い切れない。安価なエレクトレットマイクが使えればよいのだが、チューナーが、エレクトレットタイプに対応していないのだ。

エレクトレットのマイクカプセルは簡単に手に入ることが判ったので、エレクトレット用アダプタも含めて作ってみることにした。
使用パーツはマイクカプセル WM-61A , 抵抗2.2kΩ, コンデンサー0.1uF, ボタン電池LR44, 3.5mmモノプラグ/ジャック、6.3mmモノプラグ、シールド線外径1.4mm 3.5mm 電池ホルダー、ヒシチューブ、プラケース。

購入した部品、右下がマイクカプセル

この種の部品は秋葉原でかなり安く手に入る、マイクカプセル2個入りで200円、抵抗100個入りで100円、コンデンサーも10個入り100円、電池10個で100円・・・etc


回路はマイクカプセルに2.2kΩの抵抗を介して1.5Vの電圧をかけること、また出力側に直流が流れないようにカップリングコンデンサーでカットすること。抵抗やコンデンサーの値はとりあえず付属の参考資料の値を使用した。電池の電圧容量も含めて最適な値かはまだわからない。回路図で点線で四角に囲った部分がプラケースに入っている。
電源スイッチを使用すべきだが、スペースがないので、マイクカプセルからの3.5mmプラグの抜き差しで代用する。
電気屋として性能、強度、ルックスを追求すれば、マイクカプセルは金属ケースに入れるべきだが、楽器に傷をつけたくないし小型にしたいので、ここはあくまで演奏者の立場を貫くことにする。なるべく小さくかつ金属部分が表に出ないように。極細シールド線をハンダ付けしたマイクカプセルは、ヒシチューブで固定して、取り付け用マジックテープに糸で縫い付けた。電池など入れる箱は角の取れた小型プラスチック製とし、3.5mm,6.3mmのプラグは高級感には欠けるが、外装が軟質プラスチック製とした。
完成したマイク一式、下地の目盛りは1cm

早速リコーダーオーケストラの練習に持ち込んでテストしてみたが快適に動作する。演奏していない時は周囲の音にも反応するが、自身の音と圧倒的な音量差があるので問題ない。取り付け用マジックテープはソプラノからバスまで使用出来る長さにしてあるが、回転したりして動いてしまうので、テープの裏側の一部にスポンジを貼るなど長さも含め、もう少し使いながら検討してみたい。

チューナー用のマイクとしては 、これでほぼ完成として良いと思う。 

実は 安く作れるとのことで選んだマイクカプセルWM-61Aは知る人ぞ知る名器なのだそうだ。6.3mmの出力プラグをチューナーからアンプに差し替えてみると良い音でスピーカーから音が出てくる。このカプセルを利用して良質のマイクロホンを作る記事はいくつかweb上で見つけることができる。

期せずして「電子(電気?)リコーダー」が完成?したわけだ。
ドイツのリコーダーメーカー mollenhauer社から電気リコーダー(Elody)が発表されている。

近代的なデザインのリコーダーにマイクロホンが仕込まれ、ケーブルを外部のアンプにつなぎ、音を大きくしたり、エフェクターを経由してちょっと変わった音を出している。面白い試みではあるが、外部のエフェクターやアンプを取り去ってみれば、本質はただのマイク内蔵アルトリコーダーだ。音域も多少広がっているが、それ程決定的な差があるとも思えない。それにかなりの値段、これなら今回工夫したマイクを取り付けたリコーダーで十分に対抗出来る。と言うよりバスリコーダーやソプラノリコーダーにも自由に取り付けられるから、可能性はこちらの方がもっと広がっていると思う。
いろいろ使って見て結果があるていどまとまったら報告するつもりです。とりあえずコンプレッサーやリヴァーブのようなエフェクターを試してみたい。

5/11/2014

リコーダーとチューナーその2 コンタクトマイクCM-200

アルトリコーダーに取り付けられたCM-200

前回, リコーダー演奏中は譜面台にチューナーを取り付け常時スイッチをONにしておくと便利であることを書いた。
この場合一人で演奏している場合は快適なのだが、何人かで同時に音を出している場合、ちょっと厄介なことが起こる。チューナーが表示している音が、必ずしも自分の音であるとは限らないのだ。
自分の音が途切れている時隣の音が鳴ればチューナはその音を表示している。自分の楽器を鳴らしても瞬時には切り替わらずちょっと遅れて表示される。
さらにリコーダーオーケストラなどで音階練習などしているときは問題が大きい。自分の音すら良く聞き取れないのにチューナーの表示が当てにならない。このような事態を回避するため コンタクトマイクロホン CM-200 というアクセサリーがある。
マイクロホンなのだが、空気の振動をとらえるのではなく、楽器に密着させその振動を直接ピックアップするのだ。そのため取り付けた楽器の振動には反応するが、空気を伝わってくる他の音には反応しない。
ちょっと大きめな洗濯ばさみのような形状で、内部にはピエゾ素子が埋め込まれており、これが楽器の振動を電圧の変動として送り出してくるのだ。早速購入して使って見た。結論を先に言うと、これは残念ながらリコーダーには使えなかった。

ソプラノリコーダーでもこのマイクを取り付けるのにちょっと苦労する。運指の邪魔にならないように足部管か頭部管の窓の下に取り付ける。リコオケの練習時に持ち込んでみた。
他の楽器が鳴っても全く反応しない。音を出してみると赤いLEDが点灯し、針がスッと上がってセンター付近に止まると緑LEDが点灯した。「オ、これはいい、成功だ」と思ったのもつかの間、反応しない音がいくつかあるのだ。アチャー!

足部管にコンタクトマイクをつけた場合、左の指孔を全部ふさぎ、右手の指孔をいくつかふさぐような音はピックアップできるのだが、右手を使用せず左手の指孔だけををいくつかふさぐような音はピックアップできない。また頭部管へ取り付けた場合は(写真)、左手だけの運指の場合良好だが、右手も使う運指の場合反応が鈍く場合によては動作しない。
理由としては管の中の空気が振動しても、木製の管はそれ程強くは振動しない。それと振動しても空気の振動が近い場所に限られ、離れた場所へ届く振動は木質の内部損失によって弱くなってしまうと思われる。このことは「木質材料の違いでリコーダーの音色が変わる」とする、まだこのブログで結論を出していない問題とも深く関わり非常に興味深いのだが、今回はちょっと保留する。

もちろんこの現象はリコーダーだから起きるのであって、ヴァイオリンやチェロ、あるいはトランペットなどの金管楽器、フルートやサキソフォーンなどの金属製木管楽器では快適に使用出来るはずだ。オーボエやクラリネットはひょっとして不具合がおこるかもしれない。

リコーダーでこの問題を回避するには楽器の振動ではなく、ラビュームの至近距離からマイクロホンで集音すれば良い。このような目的で使用する小型マイクはラベリアマイクと言われ殆んどコンデンサー型でファンタム電源を必要とする。性能は良いが大げさすぎて価格だって最低でも5000円程度から数万円まで、チューナー本体の数倍から桁違いまで、とても使いきれるものではない。安価なエレクトリックマイクが使用できれば良いが、このチューナーは対応していない。

いっそエレクトリックマイク(ECM)が使用できるよう工夫をしてみよう。部品も意外と安く入手できそうである。次回はECMを使用した報告を書く予定です。

5/04/2014

筑波山のグライダー

筑波山上空を飛行するグライダー

孫たちと一緒に筑波山に登ってきました。ケーブルカー利用です。
平地から見た山容は高さこそ低めですが堂々とした独立峰でさすが日本100名山だけのことはある。混んでいたけれど新緑が美しかった。

頂上でびっくりする光景に出会いました。
上空をグライダーが飛行していたのです。山の斜面に当る気流を利用しているらしく1時間以上も往復を繰り返していました。
途中でもう一機姿を見せ、並んで飛行するなどの場面もあり、思わず何枚も写真を撮ってしまった。

・・・。50年以上昔、私は飛行機少年だった。模型飛行機の競技会に入賞して副賞でグライダーに乗せてもらったことがある。
昔の新潟飛行場の端のほう阿賀野川に近い場所にグライダーの発着場所があった。セコンダリーと呼ばれる中級機で、操縦はもとゼロ戦パイロットとのことだった。アメ車でワイヤを引っ張ってもらい上昇した後切り離して数分間の飛行だった。・・・・

私は興奮して空を指差し「グライダーだ!」と何度も叫んだのだけれど周りの人は「無人機じゃないの」などと平然としている。山頂は人で込み合っていたけれど「ガマの油売り」の口上に気を取られ、グライダーに全く無関心な人々が殆んどらしく見えたことが大いに不満だった。すばらしい光景なのに。

白い機体に長い主翼、見ただけでドキドキしてしまう。同じように風力発電の風車、白く細長い回転翼も見ているだけで気持ちが良い。

リコーダーとチューナーその1

譜面台に取り付けられたチューナーCA-40

リコーダーを演奏している時は常時チューナーを使用している。

合奏の前に各楽器で音出しをするのだが、他人の音を「高い!高い!低い!低い!」などと決めつける人がいる。男性に多いような気がする、よほど自信があるのだろうと思うが、リコーダーで常に正しい音程を維持するのは、結構難しいと思う。

一般的に楽器が冷えていると音が低く、温まると高くなるといわれているが、これは正確な表現ではない。
楽器としての管の長さは、温度が上がれば、理屈上は少し伸びるはずだが、微小なのでここでは無視できる範囲と考えられる。ところが空気の中を走る音の速さは温度上昇の影響を大いに受けてしまう。これが音程の変わる主原因なのだ。

また寒い季節など、楽器が冷えているので、442ではなく440で合わせましょう。などと言われることがある。しかしこれも正確に言えば。楽器の中の空気が冷えているので・・と言うべきだ。音の高さを決定するのは、管の中の空気である。
まあ管が冷えていれば空気も冷えていると考えるのが一般的ではあるが。

ではなぜ空気が冷えていると音が低くなるのか。そしてどのくらい変化があるのだろう。

音の速さと温度の関係は 音速(m/sec)=331.5+0.61t (t は摂氏)の近似式を使用する。
また 音速(m/sec)÷周波数(Hz)=波長(m)  の関係である。

気温は20℃ 話を簡単にするためA管のリコーダーを考えてみる。(穴を全部ふさいで音を出すとA音442Hzと考える。実際には存在しない楽器)
20℃での音速は、331.5+0.61x20=343.7 m/sec
 したがって442Hzの波長は  343.7÷442=約0.778(m)  
管の長さは開管の場合波長の1/2 で有るから  0.778÷2=0.389(m)  この楽器の管長は0.389(m)であるはずだ。
開端補正などはここでは無視する。

ここで気温が急激に下がり、10℃になったとする。
10℃の音速は、331.5+{0.61x10}=337.6 m/sec  
この楽器(管長0.389m)の出す音の高さは、337.6÷{0.389x2}=433.9(Hz)かなり低くなってしまう。

もし気温10℃でも442Hzを出すためには、7mm管長を短くすれば良い。
337.6÷442=0.764   0.764÷2=0.382   0.389-0.382=0.007(m)=7(mm)

あるいは440Hzで妥協できるのであれば5mmの縮小でも良い。
337.6÷440=0.767   0.767÷2=0.384   0.389-0.384=0.005(m)=5(mm)

いかがでしょう実際の感覚に近いのではないでしょうか。

したがってリコーダーの音程は常に変動していると思って間違いない。
最初の音合わせだけで音程が定まるのではなく、温度変化に伴い常に変動しているわけだ。もちろん自分の耳で聞き分けるのが基本だけれども、
チューナーの指示は大いに参考になる。

私はKORGのクロマチックチューナーを使用している。メトロノームのような余計な機能がなくチューナーのみに徹しているのが使いやすいと思う。金具で譜面台の下側に吊るせるようにしてあるので楽譜が隠れることはない、電池は充電出来るニッケル水素電池を使用しているので電源を入れっぱなしにしても、電池代金の心配は不要。

これで演奏中も音程を確認できる。ただこの方式にも少し問題があって、チューナーのマイクが周囲の音も拾ってしまうので、リコオケなど多くのリコーダーが鳴っている場合は、他の楽器の音を測定している場合もあり混乱してしまう。

KORGにコンタクトマイクロホン CM-200 があり、これはピエゾ素子を使用して空気の振動ではなく楽器の振動を直接拾うマイクなので他の楽器の音はシャットアウトできる。 このような目的にはぴったりのアクセサリーと思えるので、次回はこれを使用した報告をする予定。

3/16/2014

第10回フレンドシップコンサートを終わって

会場全体にAmazing Graceが響きわたった

フレンドシップコンサート終わりました。
2014年3月8日(土) 稲城中央文化センターホール

参加したみなさんごくろうさまでした。
今回の演奏会を一言で言うなら「多様性」でしょうか。

演奏形態も3人から20人を超える団体まで、楽器もルネッサンスタイプはもちろん、ペッツォルトの Sub Contra Bass FF やSub Great Bass in Cまで登場、
サブコントラバスはコントラバスの1オクターブ下 折り曲げられた管の長さは3.6mもあるそうだ。
曲目もルネッサンスやバロックの曲はもちろんだけれども、ヒンデミット、カチューシャ、コンドルは飛んでいく、The RB(リコーダー、ビートの意味)     など多岐にわたり。カルメン前奏曲に勇ましくチャレンジするグループがある一方 「故郷」などの演奏にほっとしたり、「愛の挨拶」ではリコーダー合奏を始めた頃の高揚感を思い出したりした。

各団体に割り当てられた時間は20分、自己紹介や曲目の説明なども含まれる。ちょっと短いが自分達独自の構成とすることも可能。
またリハーサルは原則午前中で終了し、演奏者は観客席から舞台へ移動、終われば観客席に戻るので、すべての団体の演奏を切れ目なく聴くことになる。「演奏」だけではなく相互の「交流」も大切な要素なのだ。

10回の歴史は多様性への歴史と見ることも可能と思う。初期の頃は、独自性を出したいと思う気持ちはあっても、表現方法がわからず、技術も不足していた。回数を重ねることで、表現のアイデアを相互に学びつつ、演奏技術も積み上げてきたこと。そこへさらに外部から異色のグループが加わった。これが今回の多様性へとつながったと思われます。

ゲスト演奏ではサンマルティーニのトリオソナタやバッハのカンタータのアリアなど、同じくバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番よりラルゴ(ガンバヴァージョン なかやまはるみ編曲)もガンバのソロで演奏され面白かった。

私は例によって録音係でした。いつもの使い慣れた録音機材を使用したので、ストレスなく、まずまずの録音が出来た。編集は今まではPerk/Mac.を使用していたが、今回よりSoundEnginFree/windows を使用してみた。各操作に 細かい設定はできず、例えばノーマライズやフェードイン、フェードアウトはプリセットされていて使用するかしないかの選択だけ。それが作業の単純化となり、作業時間がかなり短縮できそう。編集しながら聴いていると当日は聞き流してしまった演奏への思い入れを随所で感じることができる。なるべく早く編集を終え、お手元に届けるつもりですので、ぜひ聴いていただきたい。

写真は今回より復活した全体合奏、 曲はAmazing Grace 、 舞台そでには巨大なサブコントラバスなどが見える。

2/24/2014

フレンドシップコンサート HRCの演奏曲目




フレンドシップコンサートまであと2週間、各グループも曲目などほぼ決定していると思います。今回は照明の操作員も出てもらえるらしく、背景に色の付いた照明を当てるぐらいのことはできるそうです。 

私たちHRCもほぼ曲目が決まりました。多分変更はないと思うので、バラしてしまいましょう。

1.Fine Knacks for Ladies  : J.Dowland
私たちが、いつも最初に必ず演奏しているテーマ曲です。本来は歌詞のついた歌なのですが、軽妙な感じが出せるかどうか。
「珍品はいかが 安くて素敵な品ですよ さあお買い得」と品物を売っているようで実はご婦人方に自分自身を売り込んでいる。

2.My Lord Willoughby's Welcome Home  :J.Dowland (ウイロビー卿の帰還) 
「隣のローランド」と同じメロディーを使用しています。当時の流行歌だそうで、ダウランドはリュートの曲として作曲していますが、今回はリュートとリコーダーで演奏します。YouTubeで声楽と打楽器による演奏を見つけましたので載せておきます。

3.O Nachbar Roland  :S.Scheidt(おお隣のローランド) 
リコーダーではよく演奏される曲で「お試しステラ」のCDにも入っていました。各パートが複雑に絡み合いながら進行します。
本来はガンバで演奏される曲だと思うのですが、アーノンクール   コンセントゥス・ムジクスの演奏がすばらしい。

4.El Condor Pasa : Daniel A. Roblos (コンドルは飛んでいく ) 
フォルクローレの定番ともいえる有名な曲、アンデス民謡ではなく、スペインに対して反乱を起こした英雄コンドルカンキを題材にした歌劇の序曲に含まれている旋律です。
作者のロブロスが各地の民謡を採譜していたノートは残されているが、一致するる旋律は見つかっていないらしい。
以前ケーナで演奏したこともあるのですが、リコーダーでも別な味が出せればと思います。


参考 YouTube My Lord Willoughby's Welcome Home J.Dowland の旋律を元にD.W.Solomons が編曲
合唱曲として迫力ある演奏ですが、当時の流行歌の歌い方を再現しているのかはわかりません。 





2/16/2014

中南米におけるルネッサンスリコーダーの痕跡-6インカ皇統紀

鋤で畑を耕す。 ワマン・ポマの挿絵

インカ・ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガの「皇統記」を今回も取り上げる、リコーダーに関係すると思われる文章だけを紹介してきたが、今回はリコーダーは出てこない、しかし、原住民達が土地を耕し、歌を唄う、そこへ教会を含むヨーロッパ文化が合流すると何が起こるか、約450年前の出来事だが、彼の記述は学友が関係していたので、実際に体験しているわけだから、具体的で迫力がある。ぜひ紹介しておきたい。

<以下引用>
第5の書 第2章
「土地の耕作に見られた秩序と、インカ王および太陽の土地の耕作にまつわる祭儀について」
土地を耕し、作物を栽培するにも、調和の取れた秩序があった。・・・・人々はまず太陽の土地を耕し、次に寡婦と孤児の土地、そして高齢や病気のため体が不自由な者たちの土地を耕すことになっていた。これらは皆、気の毒な弱者とみなされ、それゆえインカ王は、彼らの土地を優先して耕すよう、人々に命じたのである。・・・選ばれた人民委員よりラッパか笛で合図があると各自受け持ちの畑に弁当もちで馳せ参ずることが義務付けられていた。・・・・気の毒な弱者達の土地を耕してしまうと、今度は自分達の土地を、互いに助け合って、という言い習わしのとおり、協力して耕作した。・・・ ・・・一番最後に耕作されるのがインカ王の土地であり、これはインディオ全員の共同作業で行われた。王の畑、あるいは太陽の畑へ農作業に出かける時のインディオたちは皆、満足感と喜びに満ちあふれ、最大の祭事のためにとってあった、金銀飾りのついた晴れ着で装い、頭には大きな羽飾りをつけていた。そして、鋤で土を掘り起こしながら、インカを称えてつくられた多くの歌を口ずさんだ。・・・・ そうした歌はすべて、ペルーの共通語で「勝利」を意味する(ハイリ)という言葉に基づいていた。・・一節ごとに(ハイリ)の反復句が唱えられ、それは、インディオたちがうまく土塊をとらえて砕くために鋤を打ち込んでは引き抜く、一定のリズムに合致するように、必要なだけ何度でも繰り返されたのである。・・・・・・

インディオのこうした歌とその調子がひどく気に入ったクスコ大聖堂の聖歌隊指揮者が、1551年か1552年のこと、聖体祭のために、インカの歌を完全に模倣したオルガン合唱曲を作曲した。そして、私の学友であった8人の混血児が、インディオの服装をし、それぞれ鋤を手にして繰り出し、聖体行列の中で、インディオの(ハイリ)の歌を披露したのである。各節の反復句に来ると、聖歌隊員がいっせいに唱和した。スペイン人たちはおおいに満足し、インディオたちは、自分達の歌と踊りでもって、スペイン人が主なる神(この神をインディオたちはパチャマック・・と呼んでいた)の祭礼を執り行うのをみて、有頂天であった。

<引用終わり>

インカ・ガルシラーソが貴族の子孫であれば土地の耕作の秩序を書くのはお手のもの。彼でなければできない描写が続く。
オルガンが鳴り響きそこへ学友のメスティソ達が鋤を手にインカの農耕歌を歌う。「ハイリ!ハイリ!」の唱和の声に、詰めかけた観客たち(スペイン人、インディオ、神父など)からどよめきが上がる。インディオの音楽とヨーロッパ音楽が融合した瞬間だろう。

ワマン・ポマの挿絵の中にも鋤で耕す場面が登場する。「8月トウモロコシを植える為に畑を耕し始める。人々はチチャを飲みハイリを歌う」と説明されているから、この場面にぴったりなので使用させてもらった。

参考文献
岩波書店 大航海時代叢書エクストラ・シリーズ「インカ皇統記」インカ・ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガ

厚木リコーダー・オーケストラ 1st Concert


2014/2/9 (日)厚木文化会館小ホール

前日の大雪からは信じられないほどの青空、演奏会は中止にはならないだろう。
本厚木は降雪量が多かったかもしれない。念のため軽登山靴を履いて出発。
電車の窓から雪をかぶった丹沢がよく見える。少しづつ大きくなつてくる。突然視界が大きく開き、丹沢山塊が目の前に広がる。電車が相模川を越えたのだ。すぐに本厚木駅に到着。
雪のため観客は少ないだろうと思ったが、そんなことは無い、7割以上席は埋まっているように見えた。

プログラムは4部構成となっており、
第1部 厚木 リコーダー・オーケストラ 基礎コース
第2部 厚木リコーダー・オーケストラ
第3部 積志リコーダーカルテット
第4部  合同演奏

第1部
2つのフランス舞曲 J.D.ケアリー  、主よ、人の望みの喜びよJ.S.バッハなど楽しく聴けた。出演者の中に小学生低学年の女の子が4人も含まれているのだ。リコーダーの演奏経験もいろいろ差があるのは当然で、演奏者全員が楽しめる選曲は難しい作業だが、ここでは良好な選曲だったと思う。

第2部
8声のカンツォン”ラ・フォッカーラ”  C.ブラミエリは重厚な音色が聴けた。
8つのマスクダンス  J.コペラリオ では打楽器が入ることによって全体に活気がみなぎる。リコーダーと打楽器との音量バランスも良かったと思う。
小交響曲  C.グノー  リコーダーにとって難しい曲のように思える。特にテンポ感、演奏者が多くなれば、「最大公約数」的なテンポになってしまうことは、ある程度仕方のないことかもしれないが、曲によってはそれが目立ってしまう。しかしこれはどこのリコーダーオーケストラでも難題であり、克服は容易ではない。

第3部
積志リコーダーカルテット(SRQ)は想像していた以上に上手くそして楽しめた。
もしろん演奏テクニックが優れているグループは他にもあると思うが、ここは適切な選曲そしてアレンジを自分たちで行い、それを小気味良い司会でつないで行く、個々の曲がバラバラにあるのではなく、全体が一つの流れとなっていて舞台に引きつけられっ放しになる。リコーダー製作者が2人も含まれていて、お仕着せではない本当に必要な楽器を自前で使用できるのも強みだろう。


第4部合同演奏
サウンドオブミュージック 編曲の河野和男氏は小学校の先生でリコーダーの指導に熱心だったそうだ。
このような場面にはピッタリではないかとの思える曲
アンコールのゆうやけこやけは女の子たちの「♪もういいかい」「♪まあだだよ」のかけ声で始まり、最後はガークラインまで登場するサーヴィスぶりであった。

全体の構成も4部に分かれ、それぞれ特色が出ていて興味が途切れないのだ。
会場の小ホールは音響反射板が設置してあり、観客席後方でも十分な音量で聴くことができた。大雪の直後でもこれだけの入場者がいることは、演奏者を取り巻く家族や友人達との良好な関係が想像され、今後大切にすべき点かもしれない。


場内撮影禁止のアナウンスがあったので演奏中の写真はないが、花束贈呈の時、撮らせてもらった1枚を載せておきます。
当日演奏されたSRQの演奏はすでにYouTubeにアップされているので聴くことができるので紹介します。2つのヴァイオリンのための協奏曲 バッハ  他の曲はイモズル式で聴けると思います。

2/02/2014

中南米におけるルネッサンスリコーダーの痕跡-5 インカ皇統記

Inca Garcilaso de la Vega


 ワマン・ポマの「新しい記録と良き統治」
モトリニーア神父による「ヌエバ・エスパーニャ布教史」
上記二つの文献で南米におけるリコーダーを調査したが他にも有力な文献があるので調べてみる。
 インカ・ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガによる「インカ皇統記」

インカ・ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガ
インディオの子であると同時にスペイン人の子であること、すなわち混血児(メスティソ)である。
1539年クスコに生を受けた。父親 カピタン・ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガ 1531年南米にやってきた征服者、カピタンとついているから大将なのだろう。
母親チンプ・オクリョと呼ばれるインカの王女 したがって彼はメスティソのエリート。 最初の混血児とも象徴的に呼ばれている。20才でスペインに渡り、60歳ごろから「インカ皇統記」を書き始めた。これをまとめるのは自分こそ最適任者であるとの自負をもっていた事は、前書きなどでも十分にうかがえる。
現地のケチュア語を母語として操り、その上ヨーロッパに渡って40年、スペイン語でも文筆活動を行いすっかりヨーロッパの人間になりきって書いている。
ペルー歴史上の重要人物と位置づけられているらしく、紙幣の肖像になったり、クスコにあるサッカースタジアムの名前は彼の名前がつけられている。海抜3400mの高地に位置している過酷なスタジアムとして有名なのだそうだ。

歴代の王の記述が多くを占めるが、音楽についての記述の部分を抜き出して紹介する。一続きの文章なのだが、内容によって4分割してある。

<以下引用>

「第26章幾何学、算術、音楽について彼らの知っていたこと」より音楽の部分を引用する。
・・・・・・
1)音楽の分野でも彼らは独自のものを持っており、たとえばコリャ族やその周辺に住むインディオたちは,葦の管でできた楽器を奏でた。これは4本か5本の葦管を二列に並べて縛り付けたもので、ちょうどパイプオルガンのように、管は順に隣のより少しずつ長くなっていた。通常は、それぞれ長さの異なる4本の管からなっていて、最初の一本が低い音を出し、次の管はそれよりも高い音を出し、また次のはさらに高い音を出すと言った具合で、それはまるで、四つの自然の声、ソプラノ、テノール、コントラルト、そしてバスのようであった。そして、一人のインディオがある音を出すと、次のインディオが五度の、あるいは他の和音で応じ、さらに次々が別の和音でというように、あるときは音階を上りながら、またあるときは下りながら、しかし常に調和を保って演奏するのであった。臨時記号によって音の高さを変更する方法は知られておらず、すべての音が一定の音階に従っていた。しかし、この楽器を巧みに演奏できるのは、王侯貴族に音楽を聞かせるために訓練をうけたインディオたちに限られていた、というのも、彼らの音楽は素朴ではあったものの、決して庶民の間に普及していたと言うわけではなく、それをマスターするには相当の訓練が必要だったからである。

2)彼らはまた、羊飼いのそれに似た、四つか五つの穴の開いたフルートを持っていたが、これは音を調和させて合奏するためではなく、独奏用であった。この楽器は、ハーモニーをつけて演奏することができなかったからである。彼らはフルートで自作の歌を奏でたが、そうした歌は一定の音節数の詩行からなり、たいていの場合、恋の感情を、すなわち恋の喜びと苦しみ、恋人のやさしさとすげなさを表現している。
歌にはそれぞれ、一般に知られた独特の節回しがあり、異なる種類の二つの歌を同じ調子で唄うことはできなかった。何故かというに、夜、恋人に向かってフルートで小夜曲を奏でる恋する男は、その節回しによって、思い姫と世間一般に対し、彼女の彼に対する好意あるいは冷たさに応じた、心の喜びあるいは悲哀を告げるが、異なった趣の歌が同一の調子で奏されたとするならば、恋する男の表現したいのがどちらの気持ちなのか、判別できなくなってしまうからである。また、このようなわけで、一般に、彼はフルートで話しかける、というような言い方もされるようになった。ここで一つエピソードをあげると、あるスペイン人が、クスコである夜中、知り合いのインディオ女にばったり出逢ったが、夜もふけていたので、早く家に戻るように薦めると、彼女はこう言ったという--
「だんな様、どうか私にこのまま行かせて下さい。あちらの丘から聞こえてきます、情愛のこもった笛の音が、やさしく私を呼んでいるものですから、じっとしてはいられないのです。どうか後生でございますから、このままにしておいて下さい。どうしてもあそこに行かなければなりません。愛が効し難い力で私を引きずり、私を彼の妻に、そして彼を私の夫にしようとしているのですから。」
戦争やそこでの武勲をテーマにして作られた歌が、このように奏でられることはなかった。それらは恋人に向けて唄われる性質のものでなければ、フルートの音色になじむものでもなかったからである。こうした歌は大きな祭りで、そして戦争の祝勝会で、兵士達の勇敢な武勲を称えて唄われるのであった。

3)私がペルーを発ったとき、それは1560年のことであったが、クスコ市には、どんな曲でも楽譜さえ前にすれば、絶妙な音色で演奏することのできるフルートの名手が五人いた。彼らは、その市の住人であったフアン・ロドリーゲス・デ・ビリャローボスの所有するインディオたちだった。これを書いている現在、すなわち1602年の時点では、楽器の演奏に卓越したインディオは、どこに行ってもごろごろしているとのことである。

4)喉に関しては、私がいたころインディオたちが、自慢することはあまりなく、一般に彼らが美声の持ち主とは言えなかった。歌唱法と言うものを知らなかった彼らは、ほとんど発声の練習などしなかったからに違いない。混血児の中には美声を誇る者が沢山いた。・・・・
・・・・<引用終わり>・・・・

一連の文章なのだが、3種類の楽器と歌について記述しているので4分割してある。[1)、2)、3)、4)]

最初の部分1)はあきらかにサンポーニャだろう。二列に並べて縛るのは現在も全く同じ、楽器自体はほとんど変化していないように思う。ただ残念なのは、インカ・ガルシラーソが楽器の名前を言っていないのだ。伝聞だけで実体験が全くないからと思われる。サンポーニャとかシークとか言っても良いと思うのだが。ヨーロッパの音楽学者が始めて出会った楽器を紹介するように、五度の和音とか臨時記号とか、ソプラノ、テノール、コントラルト、・・・・など専門用語をちりばめているわりには、具体性がない。 彼自身経験が全く無く、執筆もペルーを離れて40年も過ぎているのだ。 当時は限られた人間だけが扱えた楽器ということだからある程度仕方ないかもしれない。

2)3)はフルートとしてまとめてあるが、明らかに2)と3)は違う楽器だ。

2)四つか五つの穴が空いているフルートで話しかけ、セレナーデを演奏する。ほぼケーナを指しているだろう。ケーナの名人が多くいたことを思わせるが、すばらしい表現力だけではなく、信号を送る道具としてのケーナの側面もあったのではないかとも想像する。

3)はだいぶ時代が後になる。楽譜を見て演奏するとあるから、これはケーナではない、スペインによって持ち込まれた楽器、多分リコーダーであろうと察せられるが、横笛のフルートである可能性も否定できない。その40年後は笛以外の楽器も含むヨーロッパからもたらされた楽器の演奏に卓越したインディオはどこに行っってもごろごろしているほど多くなった。

4)の歌に関しては、ちょっと面白い記録があるので、後日取り上げるつもりです。

著者のインカ・ガルシラーソは堪能なスペイン語に加えケチュア語も自在に話すことができた。それだけに内容の評価は高いと思われる。
しかし実際に当事者となって苦労し感動しながら書いたワマン・ポマやモトリニーア神父のような臨場感には欠けるような気がする。

注(後藤)
ここにおいてFlute=フルートと翻訳するのは誤解を生む素になる。日本語でフルートといえばまず間違いなく金属でできたベームフルートを想像する。しかしヨーロッパにおいては歴史的に色々な笛の種類があったことは常識として理解されているので、Flute(ドイツやイタリアなど他国語表記も含む) とはそれらの総称であると考えられているように思う。また縦横両方のタイプも含まれている。したがって、Flute=笛と翻訳するのが最良と思われる。篠笛や尺八もbambooーFlute となるだろう。

参考文献
岩波書店 大航海時代叢書エクストラ・シリーズ「インカ皇統記」インカ・ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガ  牛島信明 翻訳

1/25/2014

第10回フレンドシップコンサート


第10回フレンドシップコンサート(FSC)の概要と参加団体(五十音順)を、おしらせ致します。

[アマチュアリコーダーアンサンブルが集って、正統派あり、個性派ありの楽しいリコーダーコンサート]

各グループの演奏順番が決まりましたので報告します。
数字は演奏開始予定時間です。

1. フェリーチェ      12:30
2. gyachitets        12:50
3. モックなでしこ   13:10
4. ヴィア・モンテ・ビアンコ  13:30
5. 平尾リコーダークラブ    13:50
---休息---
6. 笛魂              14:20
7. チエル・アルコ 14:40
8. ねころびと 15:00
9. Gクレフ      15:20
10.厚木リコーダー・オーケストラ  15:40
11.全体合奏       16:00
---休息---
12.Ricco Suono  16:35
13.奏                 16:55
14.ぴぽ              17:15
15.ジャスミー      17:35
16.細岡ゆき andゲスト2名 17:55

ゲスト演奏家
なかやまはるみ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
細岡ゆき(リコーダー)
佐藤創(リコーダー)
第10回フレンドシップコンサート
開催日: 2014 3月8日(土)
開場: 12:10
開演~終演:12:30~18:00 
入場無料
場所: 稲城市中央文化センターホール(京王線稲城駅より徒歩7~8分)

各グループの持ち時間は出入りを含めて20分を予定しております。
リコーダーの広場演奏会情報にも投稿しました。

チラシの画像最新の版に入れ替えました。2014/2/10
演奏団体    gyachitets  
ゲスト演奏家  「佐藤 創 リコーダー」 追加
問い合わせe-mail 変更  rec04.fsc@gmail.com


全体合奏 2014/2/22
お客さんも含む参加者全員で「全体合奏」を行います。ぜひモダンピッチのリコーダーをご持参ください。
曲はAmazing Grace 楽譜は当日受付にて配られます。

参加グループ名、五十音順に訂正2014/2/23

参加グループの演奏順番と開始時間を追加 2014/3/2
演奏順番一部変更。Gクレフ、ねころびと、平尾リコーダークラブ 3/6


このページは第10回フレンドシップコンサートのお知らせ用として随時追加してゆきます。

小型PA装置 MACKIE SRM150

テスト中のSRM150

小型PA装置 MACKIE SRM150
昨年のクリスマス会でPA装置を併用したが、装置全体が大きいため気軽に使用できない、もっと小型化できないかという思いで導入してみた。
Compact Active PA System とのことで、ミキサー、アンプ、スピーカーが一体化されており、もちろん電源も内蔵されている。本体をカバンに入れて一人で持ち運べる。定格出力も単体アンプに引けをとらず[100Wrms 連続] が保障されている。一体化することで各機器をつなぐケーブル類もほとんど不要となる。
スピーカーが小型になりしかも一個だけだが、メインでガンガン鳴らすのではなく、残響音の補助であればこのくらいでも良いかもしれない。
またリュートやバスリコーダーなど1~2台の場合は手軽に使用できる。

練習会場に持ち込みテストしてみた。スピーカーが小型なので音質上少し気にしていたのだが、ほとんど問題なし、リコーダーの音は超高音とか超低音などは含まれていないのだ。
残響などのエフェクターは内臓されていないが、小型で取り回しが楽なので、例えば後方の壁に反射させて残響を演出するのも面白いと思う。
通常の練習にもカバン一つで気軽に持ち込めるのが嬉しい。いろいろ使ってみれば応用も広がるのではないかと期待している。
写真はテスト中でマイクはSM57を使用、バスリコーダーは表現力はあるが、いかんせん音量がない。PA装置を併用することにより、音色音量に厚みが増えてサキソホーンのような感じで演奏できる。

以上は小型PA装置としての評価であるが、iPadなどと組み合わせて使用する場合また違った面が見えてくる。

iPadとGarageBandのようなアプリケーションと組み合わせ、ライブで使用を目指す場合、例として、GarageBandでギターや弦楽器による伴奏をあらかじめ作っておき、伴奏を自動演奏しながら、リコーダーなどの生楽器を演奏する。
このような場合、生楽器のパワーは、弱小と言われるリコーダーであってもかなりの強さがあり、伴奏がかき消されてしまう。
iPadに接続できるアンプやアクティブスピーカーは数多く発表されているが、すべてこのような目的には向かない。部屋に設置してiTunesなどで音楽を聴くだけなら便利で十分なパワーなのかもしれないが、そもそも目的が違うのだ。
その点SRM150はコンパクトタイプながら[100Wrms 連続]のスペックで。このような目的には最強の組み合わせかもしれない。
小型のミキサーが内蔵されているから、自身の演奏とGarageBandによる伴奏のレベルを最適な比率に調整できるし、たとえ武道館に出演を依頼されて巨大PA装置に接続する場合でも(私の場合あり得ない話だが)SRM150からプロ仕様のバランス伝送で送り出す事が出来る。

できればiPadの信号をディジタルで直接取り込めるようD/Aコンバーターを内蔵しているとありがたい。今後に期待します。

1/21/2014

多摩ムジカアンティカ演奏会

 
演奏中の多摩ムジカアンティカ
多摩ムジカアンティカ演奏会
2014年1月12日(日)小平市中央公民館ホール
思えばかなり変った団体だ。
私達平尾リコーダークラブが発足したころだから10年ほど昔のことになる。当時、よそのリコーダークラブとはどんなものか、あちこちの演奏会を巡り歩いていた時期があった。そんな中でも特異な印象の団体だった。
確かインターネットのKey-Mamaさんの部屋で演奏会を知ったと思う。
中世の曲をリコーダーだけで延々と演奏する。当時私はリコーダー合奏を始めたばかりだったから、作曲者も曲名もまったくなじみがない、親しみやすい曲を演奏するなどの配慮は一切なし。そしてグループをまとめている方の名前もちょっと気にかかつていた。演奏会の連絡はその後何度もハガキが届いていたのだが、つい行きそびれていたのだ。


会場は小平市中央公民館ホール、私は稲城市、どちらも東京の郊外だが、一旦都心を経由しなければならない。時間がかかるのだ。
出発に手間取ってしまい、かなりの遅刻を覚悟したのだが、なんとバスも快速急行も飛び込んでぎりぎりセーフのような感じ、乗り換えもうそのようにつながり、開演3分前ぐらいに会場に到着。

今回のテーマは「イタリア」だそうだ。プログラムにはイタリアに関係する作曲家がずらりと並んでいる。ガブリエリ、パレストリーナ、プレトリウスなど、知っている名前もあるが、知らない名前がほとんど、プログラムには曲目と作曲者を解説してあるから、それを見ながら演奏を聴くことになる。カンツォーナ、リチェルカーレ・・・・など   曲形式の解説もある。この文字情報だけでも大変なもの、読んでいるうちに曲目はどんどん進む、なんせ曲数が多い、途中休息を入れて2時間近く演奏する。一曲にかける練習時間はそんなに取れないのではないか。しかし演奏技術が高いのだろう。それと個々のリコーダーの音が美しい。リコーダーの音色そのものが美しいなどと感ずることは滅多にないことだ。会場には60人程度のお客さんが入っていたが、中央付近にいる私にも十分音は届いていた。バスの音もはっきり聞き取れた。

ふとプログラムの最後のページを見ると「日本フルートクラブ」の楽譜の宣伝が載っている。ああやっぱり・・・・、気にかかっていた代表者の名前も解決した。
その昔、プロからアマチュアまでを含むフルート愛好家たちの組織「日本フルートクラブ」があり、その会長がH氏であった。
私もフルートをやっていた時期があり、会報をもらったり、レッスンを受けたりしたことがある。しかし四畳半一間を借りて生活している貧乏学生にとってフルートは無理だったのだ。結局フルートはあきらめる他なく、フルートクラブとの連絡も途切れてしまった。それからリコーダーの誘いを受けるまで20年以上楽器の演奏をやるチャンスはなかったのだ。
フルートクラブにしても決して道は平坦ではなかったはず、休息時間にHさんに昔のフルートクラブとの関係を話したら、びっくりされていた。現在はHさんが楽譜出版などの業務を引き継いでいるらしい。
参考までにプログラムの一部を載せてみる。

Ⅰ部
A.ガブリエリ・・・ リチェルカーレ 第6番、第7番
パレストリーナ・・・ 第1旋法のリチェルカーレ
インジェニェーリ・・・ カンツォーナ
ヴェッキ ・・・4声のファンタジア
G.ガブリエリ ・・・カンツォーナ第2番
バンキエリ ・・・ファンタジア第1番、第2番
バンキエリ ・・・カンツォン第6番、第8番
フェラボスコ Ⅱ ・・・ファンタジア
アレグリ   ・・・ヴェニ・サンクテ・スピリトゥス
フレスコバルディ ・・・第三旋法のカンツォーナ
ザネッティ ・・・舞曲
Ⅱ部 省略


この団体のかなりなマニアックぶりもそれなら理解できるような気がする。私は10年あるいは40年?の心の引っかかりが一気に解決したような気がした。
写真はカメラを忘れたのでiPad miniで撮影したが、条件が悪かったのでかなりブレがある。