10/12/2019

BWV1034 演奏

本番前の練習


バッハはリコーダーソナタを作曲していない。しかしフルートソナタは作曲している、多分身近にフルートの名人がいたと思われる。さすがバッハだと思わせるほどの佳曲がそろっている。
リコーダー用に編曲して演奏されることもあり、最近Youtube で聞いたBWV1034 アンダンテ、アレグロ Kristine Westの演奏は素晴らしかったので、私も演奏したくなった。ただしAndanteだけ。Allegroはこの際なし。
原曲はホ短調なのだがリコーダーは3度上げてト短調としてアルトリコーダーで演奏する。ギターで通奏低音のチェロのパートをお願いする。ところがト短調は♭が2つで演奏しにくいとの事、原曲のホ短調なら♯1つだけだ。よしそれなら原曲のホ短調でやりましょう。となった。テナーリコーダーで演奏することになるが、音域的にかなり厳しい。
最高音に近い”D”の音が2回 それより半音低い”C♯” が1回あるのだ。“D”音は比較的簡単に出せるが、“C ♯”が問題で。“D”と同じ運指でリコーダー先端の穴を太腿に当てて塞ぐのだ。テナーリコーダーは長いのでアルトのようにはできない。それにしっかり押し付けて先端の穴を完全に塞がないと音が下がりきれない。私のテナーはメックのロッテンブルグで少し短縮した設計なのでかろうじて可能だが、ヤマハとかモーレンハウエルなどのテナーは少し長めなので体のよほど大きな人でないと無理だろう。

チェロを演奏するO君から合奏しませんかと連絡があった。学生時代の部活OBOG会での演奏だ。渡りに船とばかりにこの曲を提案した。チェロとの合奏は貴重でそれも年に1回しかチャンスがない、しかし練習は当日の午前中に一回のみ。このような場合どちらか一方がプロフェッショナルレベルだとなんとか格好がつくが、どちらも迷走気味だと極めて危険。事実前回はコレッリの演奏で途中でストップしてしまった。

今回はバッハで難しいが、途中で仕切り直しができる場所が何カ所かあるので、その場所をお互いに確認しておけばヤバくなっても立て直せるのだ。彼の楽譜にマークをつけてもらい、リコーダーを大きく振ってスタートの合図とすることに決めた。
チェロの図太い音が多少怪しい音が混じっても堂々として実に気持ちが良い。リコーダーもテナーなので音に落ち着きがある、しかし高音のC♯”が難しい。単独で発音するのはなんとかなるが、曲の流れの中でピシリと決めるのは至難の技。”D”の運指に先端の穴を塞ぎ「クロスフィンガリング?」で半音下げる目論見だが、よほどしっかり塞がないと、音が下がりきれないのだ。

本番の会場は音楽の演奏を目的として作られてないので残響が少ないのだが、チェロにはゆっくりタップリ演奏してもらい、テナーリコーダーも焦らずしっかりを心がけたので響きとしては悪くなかったと思う。ただ肝心の”C♯”が焦ったために滑ってしまい下がりきれず素っ頓狂な音が出てしまったのは仕方ないか。下手に演奏してもやはりバッハはバッハなのだ。





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