7/07/2018

第44回昼下がりのコンサート



6月24日 昼下がりのコンサート終了しました。

プログラム
・涙のパヴァーヌ  ・・・・J.P.Sweelinck
・今こそ別れ・・・・・・J.Dowland
・ソナタ Op.5 No.11  ・・・・A.Corelli
・今日の料理テーマ・・・・富田 勲
・翼を下さい・・・・・・・村井武彦
・琵琶湖周航の歌・・・・・吉田千秋
・メドレー・・・・編曲  高梨征治
  (富士山 さくら貝の歌  あざみの歌 水色のワルツ)
・雨のメドレー・・・・編曲  高梨征治
 (雨ふりお月さん 雨上がり 雨降りくまの子 雨ふり 夏は来ぬ)
・東京ラプソディー・・・・古賀政男

今回はフレンドシップコンサートで紹介されたYさんにコレッリのソナタ 通奏低音のバスリコーダーをお願いした。それぞれ個人的には練習したと思うが、一緒に合奏したのは一回だけちょっと心配だった。
お客さんは普段より少なめ、「他に行事があったのかねー」 などとお客さんのほうが気遣ってくれた。

「涙のパヴァーヌ」はスヴェーリンク編 いつものダウランド編とはだいぶ雰囲気が違う。ウエットではなくかなりドライな感じ、思うにパイプオルガンのための曲ではないだろうか。あまりベタベタの涙でないところが良い。

「今こそ別れ」 リコーダー四重奏の楽譜だったが、最初にリュートで全曲演奏した後、トップパートから順番に演奏に加わる演出を試みた。トップパートはソプラノリコーダーを想定していたようだが、あえてアルトリコーダーを使用した。

コレッリ  ソナタ Op.5 No.11  Yさんと二重奏。今回は練習時間も少ないので、1. Preludio  2.Allegro のみ ヴァイオリンの原曲はホ長調だがアルトリコーダー用としてへ長調に移調してある。第二楽章などは跳躍する部分が一部低い音なのでその部分全体を1オクターブ高くしてある。
第1楽章 Preludio は最低音がF、最高音がC 、もちろんアルトリコーダーを前提とした移調なのだが、最高音のCがきれいに出せるテナーリコーダーなら演奏可能。全体としても低い音が多いのでむしろテナーリコーダーが良いと思われる。 

第2楽章 Allegro へ長調への移調だけではなく、跳躍する部分が1オクターブ高くなっている。これはアルトリコーダーに適合させるためでもあるが、跳躍を伴い華やかな演奏とするにはこの処理は正解かもしれない。
実際ヴァイオリンでの演奏を聴いてみると、華やかに高音で演奏しているように聞こえるが、楽譜をみるとちょっとビックリする。音符がほとんど五線譜内に収まっている。
ヴァイオリンの場合はこれを華やかに弾くことができる。キラキラした高調波を多く含ませる演奏も可能なのだ。試みに音域がほぼ近いテナーリコーダーで演奏してみるとおとなしく響き、場合によっては1オクターブ低く聞こえるかもしれない。これはリコーダーの音が基本波がほとんどで高調波成分が非常に少ないという性質のためだ。
そのため1オクターブ高く移動してアルトリコーダーで演奏すると少しキンキン感はあるが、華やかさも出る。

そんな訳で今回第1楽章 Preludio はテナーリコーダーで演奏し、第2楽章 Allegro でアルトリコーダーに持ち替えた。 ちょと変則だったかもしれない。
第2楽章十六分音符の連続する場所は案の定ズッコケかかったが、Yさんが上手く合わせてくれた。

今日の料理テーマ  テレビの料理番組でおなじみの曲。リコーダーでマリンバ風の演奏は楽しい。メドレー2曲は高梨さんの編曲、よくこれだけ集めたと思う。 時々 唱和する声が聞こえたが、演奏用の編曲だから歌いにくかったと思う。
東京ラプソディー  作曲 古賀政男となっているが、原曲(確かイタリアの曲)をマンドリン演奏で聞いたことがある。前半はよく似ているが、後半の手放しの明るさは東京ラプソディーが断然勝る。
次回は9月30日(日)を予定

7月7日 太田光子/平井み帆「コレッリを夢見て〜出会い〜」近江楽堂 ではコレッリ ソナタ第11番を演奏する、変ロ長調 となっている。どんな演奏だろう。楽しみです。

6/17/2018

南米の謎の笛 タルカ

タルカ 2種類 アンデスの家ボリビア にて


南米のフォルクローレと言えばすぐにケーナが出てくる。
しかし現地にはまた別の笛 ピンキージョ、モセーニョ、タルカなどの不思議な笛類が存在する。南米の紹介などで民族衣装を着て、これらの笛を吹いている写真を見ると土着の民族楽器のように思われる。

一般的にはこの3種類の笛はリコーダーと類似であることは言われている、フォルクローレの関係者などでそのような意見が散見される。「アンデスの家」の福岡さんも、なんらかのリコーダーの影響を受けていると言っておられた。

私はさらに一歩進めてスペインポルトガル統治時代に持ち込まれたリコーダーの末裔ではないかと考えている。
このブログではスペイン、ポルトガルの統治時代にリコーダーが持ち込まれたと主張してきた。(中南米におけるルネッサンスリコーダーの痕跡)それはワマン・ポマ 「新しい記録と良き統治」(2013/12/16)のイラストであったり、モトリニーア神父「ヌエバ・エスパーニャ布教史」(2013/11/29)あるいはガルシラーソ「皇統記」(2014/2/16)などであったりするが、それらは間違いなくリコーダーを指し示している。そしてそれはある時期 特定の場所で起こったことではなく、相互の関連なく時期も場所もバラバラ、つまりかなり長期間 そして南米の広範囲にリコーダーが使用されていたことを示しているだろう。ここまでは当時の貴重な文献による推測で十分な根拠がある。

現地では当然研究が進められていると思われるが、
日本ではこれ以上の資料は入手できないと思われるのでここから先は私の独断で進むことをお許し願いたい。「ピンキージョ、モセーニョ、タルカ は昔持ち込まれたリコーダーの末裔である」
ケーナは竹の筒のようなパイプに息を吹き付けて音を出す(音が出しやすいように切り込みが付いているが)サンポーニャも同様で極めて原始的な発音方式だ、ところがピンキージョ、モセーニョ、タルカはリコーダーと同じウインドウエイ、ラビューム、を有し機能だけではなくその構造まで類似である。これは徐々に改良されたと考えるよりリコーダーの模倣あるいはリコーダーそのものと考えられる。
前述の資料ではフランシス会やイエズス会の修道士達が原住民の教化村を作り自立した生活を保証する、教育を受けた少年たちは見事にリコーダーを合奏し歌を歌う、作曲や指揮ができる少年まで現れる。当然リコーダーの名手も生まれていたはずだ。しかし強欲なスペインやポルトガルの移住者の圧力で最終的には修道士達は国外追放となり教化村は崩壊してしまう。

村から離れた少年は自分でリコーダーを作ってみることにした。リコーダー制作の手伝いもしたことがあるので構造は分かっている。筒状に木を加工するのだが、旋盤など無い、かまぼこ型に木を削り中を彫って溝を作り板を貼ればかまぼこ状の筒ができる。あとはラビュームとウインドウエイを作り、指穴をあければ出来上がり。竹などで代用すればもっと簡単だったと思われるが、少年はあくまで木にこだわったのは、かって使っていたリコーダーが木製だったから。 
現在も演奏されるタルカは大中小と3種類あり3種類同時に演奏するのだそうだ。それも同じ指使いで!リコーダーのソプラノ、アルト、テナーを同じ指使いで同時に演奏することを考えてみれば良い。とんでもない響きになるはずだがその音が人知の及ばぬ世界を表していると考えられているのかもしれない。
この不思議な合奏も以前 教化村で行われていたリコーダー合奏の名残りではないだろうか。ソプラノ、アルト、テナーのようにサイズの異なるリコーダーが大、中、小のタルカに置きかわり、楽譜は失われ忘れ去られてしまった。
・・・いかがでしょうか私の仮説です・・・

巻頭の写真は吉祥寺時代のアンデスの家ボリビアで撮影させてもらったタルカ 2種類 他は在庫のケーナ。

ピンキージョ、モセーニョについては別稿で書く予定です。

参考資料
「幻の帝国」 南米イエズス会士の夢と挫折    
 伊藤滋子 同成社  2001年8月10日

6/05/2018

多摩川練習



コレッリ 作品5-11 のソナタ    バロックヴァイオリンのモニカ・ハジェットの演奏があまりに素敵なのでリコーダーで二重奏を約束したY氏に楽譜を送ったのだ。1楽章、2楽章だけだったので軽く考えていたのだが、ム!難しい。 モニカ・ハジェットは軽々と楽しそうに演奏しているのだが、それは確かなテクニックの裏付けあってのこと、16分音符がダダダダダダ・・と続くところなどは、途中から息は乱れ、舌は引きつり、指はもつれ、とても続けられない。
Y氏からは「カラオケ店で練習しましょう」など言ってきているのでモタモタしておれない。
仕事帰りに多摩川の河原で練習するしかないだろう。
久しぶりの多摩川だが快速急行が下車駅の登戸に止まるようになり、おまけに増発までされている。
これは小田急電鉄が私の練習のために便宜をはかってくれたようなものだ。
ケーナは時々持ち込むが、リコーダーは随分久しぶりのような気がする。少年サッカー場なども作られてだいぶ雰囲気が変わってきたが、川岸に岩が並べてあるのは以前と同じ、その一角に腰を下ろす。目の前に川面が広がり、カモ類はもういない。時々コイとおもわれる魚がジャンプしている。遠くでトランペットの練習をしているらしい。

全音の新ブレッサンを組み立てて音を出す。天井がなく音は拡散するだけだから、実にショボい音、でもこれが真の私の音なのだ。
ダメなところは相変わらずなのだが、同じ16分音符の連続でも分散和音になっているところはなんとかできる。そのフレーズを頭の中で歌うことが出来ていれば息も舌も指も連動して動くらしいのだ。ところが単純でも機械的に進行していく場所では歌うことが出来ず、音符を目で追っているので目の反応が少し遅れ、その上 息、舌、指も相互に連動せず途中で破綻してしまうのだ。
突然雲が切れたらしく沈む直前の太陽光が川面に広がる。ふと気がつくと目の前の岩にリコーダーを持った私の影があった。
帰りの電車の中でモニカ・ハジェットを聴く「単純で機械的な進行」ではなかった、実はながーいフレーズなのだ。暗譜して歌えるようになれば多分演奏できるのではないだろうか。

5/27/2018

フレンドシップコンサートを終わって「ウミネコ笛」

ソプラノの頭部管を利用したウミネコ笛


1、CONTRAPUNCTUS Ⅰ  J.S.Bach
2、SONATA Op.5-9  A.Corelli 
     Preludo, Giga,Adagio,Tenpo di Gavotta  
3、 瀬戸の花嫁  平尾昌晃

これが平尾(HRC)の演奏した曲です。演奏者4人
傾向がバラバラだけれどもこれもHRCの主張でもあります。

CONTRAPUNCTUS Ⅰ  J.S.Bach
何回も演奏している曲なのでかなり自信を持って臨んだ曲だったのですが、あるパートが途中で突然ずれて大混乱・・一瞬目の前が真っ白「アチャー!」・・すでに曲の中盤だったので止める事も出来ず、私は強引にソプラノパートを演奏し続けました。他のパートも徐々に正規の位置に戻ってくれて最後は一緒に終わることができた。「終わり良ければ全て・・・」よかったネ

SONATA Op.5-9  A.Corelli 
コレッリの美しいソナタは演奏していて楽しかったけれども原曲はソロヴァイオリンと通奏低音、リコーダー四重奏に編曲は少し無理があるかも。中間の2パートは欲求不満だったかもしれない。
原曲はイ長調だが今回はハ長調 に編曲してある。リコーダーで演奏するには少し低めだったかもしれない。ブリュッヘンなどは変ホ長調で演奏している。難度は少し上がるがいずれ挑戦して見たい。

瀬戸の花嫁  平尾昌晃
今は練習に参加できないTさんの編曲、アルトリコーダーの高音部を容赦なく使って歌わせる。雰囲気を出すため「ウミネコの鳴き声や汽笛の音」を使うことにした。当初は録音でやろうとしたが、「ウミネコ笛とバスリコーダーの汽笛」を使用した。写真はウミネコ笛 ソプラノリコーダーの頭部管を使用し、竹ひごに丸い厚紙を接着したスライダーを出し入れして音に変化をつけウミネコを模したつもり。録音を聴いてみるとそれなりの雰囲気は出ていたように思う。



フレンドシップコンサートを終わって (CD)

モニターを2個使用したので効率が良かった


すでに1ヶ月ほど経過しており、今さらの感じもあるが、何点か書いておきます。
録音のCD
多分最初の頃から録音してCDに焼き付けることは、私の専売特許のようにやってきたわけだが、ここ数年間は、果たしてCDで良いのだろうかとの思いはある。
私自身、現役時代はオーディオに関わっていたので、自宅にはオーディオ装置がある。しかしこの装置でCDを聴いたことなどここ何年間かなかったような気がする。CDは購入することはあってもiPodで聴くだけだから結局オーディオ装置は使わなくなってしまった。しかし携帯CDプレーヤの宣伝を時々見かけるから、まだそのような需要はあるのかもしれない。

演奏のデータを配るのであれば、CD以外にもDVD、 ブルーレイディスク、フラッシュメモリなどあり、サーバーにアップしておいてダウンロードやストリーミングのようなことも可能になったけれども、大部分の方がそれらを自在に使いこなしているわけでもなさそうなので、仕方なくCDに頼るしかない。今回容量の大きさからCD4枚組となってしまった。「DVDなら1枚で収まるのに!」などと思いながら、編集作業の後、さらにCDの焼き付けと盤面への印刷作業が延々と続くのだった。

機材
録音  Roland  R-05. 少し古い機種だが必要な性能は十分満たしている
 外部マイクなど下手に凝るより、内臓マイクだけで十分、会場の舞台に近い位置に立てたスタンドに取り付けただけでかなりリアルな録音が出来る。団体ごとにON/OFFを繰り返すと必ずどこかでミスをするので(何回も痛い目に遭っている)休息時間以外はOFFにしない。

サウンド編集ソフト Audacity 2.0.5  ライブ録音のように連続して録音しているので、演奏部分だけをコピーして取り出す。
連続した長い録音データの中からトラック部分を取り出して並べる作業は結構大変で、波形の目視とヘッドホンによる音のチェックで進めるが、知らない曲が連続している場合など悩んでしまうこともあり、今回もプログラムの項目別に1トラックとさせてもらった。(したがって楽章に分かれている曲や組曲なども分割したトラックにすべきところだが、まとめて1トラック)  今回PC入れ替えに伴い古いモニターが余っていたので、ノートPCに接続しWモニターとしてみた(写真は編集中の様子)全体の波形、グループ別、当該のトラックそれぞれの波形を切り替えることなく表示しておけるので作業はかなり改善された。
音の加工については各トラックの音量をそろえるノーマライズ(注1)がほとんどで、曲間のノイズ部分にフェードインやフェードアウトを使用した。
あと打楽器を使用している一部の曲ではコンプレッサー(注2)を使用した。これはリコーダーの演奏の場合打楽器を使用すると打楽器の音が強すぎて録音処理上問題となるのでそれを補正する目的である。

CDRへの書き込みソフト、Nero Burning ROM
USB による外部ドライブを使用したが 確実に動作し使いやすかった。私は使用しなかったが、外部ドライブを複数使う機能もあり大量に焼く場合は有効な機能と思う。

(注1)ノーマライズは「標準化」とも訳され、CD全体の音量を揃える目的で使用される。もう少し詳しく説明すると、当然のことながら各グループごとに録音された音量は異なる。音量の低いトラックは必要なだけ増幅すれば良いのだが、デジタル録音は限度(0dB)を超えた音量になると派手なノイズを発生してしまう。そのためトラックの中の最大音量ポイントを見つけ、そこが限度(0dB)を越えないレベルまで全体を増幅する。これを自動的に行ってくれるのがノーマライズだ。便利な機能だが、注意点も有る、抜き出したトラックの中に拍手、大きな場内ノイズ、打楽器の音などがが含まれてそれがすでに(0dB)に達しているとそれが最大音量のポイントと見なされてそれ以上の増幅ができなくなる、拍手や突発的なノイズは編集作業で除去することが可能で有るが、曲全体に打楽器が使用されているとお手上げとなる。
同じ団体が打楽器 有り/無しでリコーダーの音量が変わってしまうのは不自然なのでコンプレッサーで処理し対処している。
打楽器が入った演奏、紫色の部分はリコーダー、魚の骨のようにとがっているのが打楽器


(注2)コンプレッサー
本来ならより充実した音作りのため使用されるが、ここではリコーダーの音と打楽器の音のバランスを補正する目的で使用している。参考までに打楽器ありの演奏の波形を示す。中心部に帯状に見える波形がリコーダーの音、魚の骨のように最大値まで伸びているのが打楽器の波形。このままノーマライズ処理をしてもすでに打楽器の音が最大値(0dB)に達しているので増幅できない。そのため打楽器の音を圧縮する。リコーダーの音より高いレベル 例(-12dB)をスレッショルド値として定め、それを超える打楽器の音量を圧縮する。それにより最大値(0dB)までに余裕ができ、その分さらに増幅できるからリコーダーの音は大きくなる。この処理で打楽器に比較したリコーダーの音量はある程度改善されることになる。

余談だが、プログラムの最後に「ゲスト演奏」としてプロ奏者の演奏がある。もちろん演奏はさすがプロと言わせるだけの音色と音量なのだが、編集作業をしていると音を聴かなくても波形を見ただけでプロの演奏と判ってしまう。プロの場合だと粒ぞろいの音を次々と繰り出して音量も安定していて波形もビシリと色濃く安定しているが、アマチュアの場合は音の出だしや音量が安定せず、モニター上の波形はデコボコかつスカスカに見える。ここでコンプレッサーを使用して音量のバラツキを揃え音量も押し上げればプロの演奏にグッと近くなるはずだが、今回の目的が「記録」なのでそのような処理はご法度です。

今回のCD-R はすでに生産を終了した太陽誘電”That’s”ブランドの在庫品を使用したが、次回もCD-Rで頒布するなら別のブランドを探さなければならない。CD時代はすでに終わりなのかなとも思うが、他に決定打がないのでまだ続くのかもしれない。

4/25/2018

演奏会「リコーダーでコレッリ」



「リコーダーでコレッリ」  リコーダー:本村睦幸 チェンバロ:三和睦子 4月20日
フレンドシップコンサートの前日だったが、聴き逃すわけにはいかないので、時間を工面して出かけた。会場のSpace415 は初めての会場なので時間に余裕を持って出かけたが、中野駅北口を出て地図にしたがって歩き、住宅街に入るとすぐに「Space415」の看板が見えた。開演1時間前、ちょっと早すぎたかもしれない。階段を上がり会場に入ると「昼の部」の観客の方たちがまだ残っていて談笑されていた。そう今日は同一のプログラムが昼、夕、夜 と3回公演なのだ。

プログラム
アルカンジェロ・コレッリ 
・ソナタ第2番ト長調(作品5の10ヘ長調による)
    編曲者不詳  1702 ロンドン、J.ウォルシュ出版

・ソナタ作品5の5 ト短調
    編曲者不詳  1754 パリ、ル・クレール出版

フェルディナンド・デ・メディチ
・プレリュード  (チェンバロソロ)

ドメニコ・スカルラッティ
・ソナタニ長調 k492   (チェンバロソロ)

アルカンジェロ・コレッリ
・ソナタ作品5の4 ヘ長調
    J.C.ペツ編曲 1707 ロンドン、J.ウォルシュ出版

「夕方の部」の予約者は10名程度らしく椅子もそれに合わせて並び替えられた。私はチェンバロの鍵盤が見え、かつリコーダーからの距離が最適と思われる位置を選んだ。トークコンサートとのことで楽曲の説明も楽しめたし、何よりもリコーダー演奏の細かいニュアンスが直接伝わってくる快感。実に贅沢な演奏会! この広さ、この残響が心地よい。例えば近江楽堂では残響が長すぎて、曲名のアナウンスですら聞きづらく、演奏の細かいニュアンスなどはピンボケで曖昧になってしまう。もっともその曖昧さに助けられることも身に沁みて承知していますが。

コレッリが作品5をイタリアで出版したのが1700年とのことで早くもその2年後にロンドンでリコーダー用の編曲譜が出版されたのは時代を考えると破格の速さとの説明があったが、ラジオもテレビもなかった時代ロンドンにコレッリの曲を演奏したいと願うアマチュア演奏家が多数いたことになる。そしてそれが一時のブームで終わることなく、約50年後今度はパリで編曲譜が出版されている。もっともこれはトラベルソ用の編曲らしいのだが、コレッリ人気の根強さも感じられる。

アンコール曲名が告げられた “Tenpo di Gavotta” 
えー!これって作品5の9 の第4楽章  あすフレンドシップで演奏する曲だ。
トップパートがほとんど四分音符だけで構成されているので、装飾をたっぷり使わなければならないとこの後に及んでも悩んでいたのだが、本村氏は「気楽に流しましょう」とばかりに最小の装飾でどんどん進む。その流れが快感を呼ぶ。目から鱗、装飾の少なさだけでも真似しましょう。
私への個人的なプレゼントのようにも思えた。

4/18/2018

SONATA Op.5-9 A.Corelli


今度のフレンドシップコンサートでこの曲をリコーダー四重奏で演奏する予定です。
この曲との出会いは10年以上昔にさかのぼる。(「悪魔のトリル」イタリア・バロック・ヴァイオリン名曲集   メルクス) の中の一曲だった。悪魔のトリルやオルガン付きのシャコンヌが印象が強烈だったのでコレッリのソナタ9番はあまり印象には残っていない。しかしジーグの楽譜が配られて演奏してみた時コレッリとすぐわかった。
この件、以前のブログにも書いたが、エンリコ・オノフリのCD(ヴァイオリンとヴィオローネ又はチェンバロのためのソナタ作品5 )の中で曲名を確認できた。また同じくモニカ・ハジェットの(作品5)でも聴くことができる。ハジェットのソナタ9番は端正な演奏で好感が持てる。一方のオノフリはイタリア人らしく遊び心十分と言って良いのかどうかわからないが装飾も自在で楽しませてくれる。メルクスも久し振りに聴いてみるとしっとりとした演奏で悪くない。
多分素材が良いから煮ても焼いても場合によっては生でも食べられるのだ。
有名な曲だから多くの演奏家が取り上げている。

ヴァイオリンの曲だがリコーダー用の編曲が2年後には出版されたそうだから、その様な需要も多かったのだろう。ソナタ9番では原曲はイ長調だが、リコーダーではハ長調に移調してある。

リコーダーでも多くの演奏を聴くことができる。ブリュッヘン、ペトリ、ラウリン など
ブリュッヘンの演奏は変ホ長調、フラットが3つあり一般的なハ長調より2音高くて高音には苦労する場所もあると思うが、全体にハリのある音域、リコーダーで勝負している感じがする。 ラウリンは原調にこだわりイ長調、しかし低すぎるので1オクターブ高く演奏しているのではないだろうか。キラキラ輝く演奏でリコーダーの技巧としては申し分ないが、原曲の田園的な大らかさからは距離ができてしまった気がする。
ペトリは新旧2回の録音ともハ長調で演奏している。(2015の録音で表記はA Major となっているが、原曲の調性であり、実際の演奏はハ長調)3人の中で一番低い音域で田園的な雰囲気は残しながら、装飾も見事に決めている。低音部の早い動きも「もたつく」ことがなく、高いテクニックは当然として、Mollenhauer社のModern Alt Recorder の使用もそれに寄与しているのではないかと思った。
テレマンのリコーダーオリジナル曲をモダンリコーダーで演奏するのは「ずるい」事かもしれないが、コレッリのヴァイオリン曲の演奏にモダンリコーダーを使用するのは、十分に意味のあることだと思う。

自分たちの演奏
この時代の曲は演奏家が装飾を施すことを前提として作られている、演奏のプロフェッショナル達には当然のことながら、私たちアマチュアには困難なこともある。楽譜通りの演奏だけでも足元がふらついているのに、さらに装飾などを加えたら惨めな結果になることは自明なことだ。第1楽章 Prelude ,2楽章 Giga は基本的に楽譜通り、3楽章 Adagio ,4楽章 Tempo di Gavotta. は必要最小限の装飾をつける予定です。

演奏会
「リコーダーでコレッリ」  リコーダー:本村睦幸 チェンバロ:三和睦子 4月20日
リコーダーの広場の (演奏会・イベント情報)にフレンドシップコンサートの情報を書き込んだとき、この演奏会を見つけた。
なんとコレッリの作品5のソナタを3曲も演奏する。フレンドシップの前日だけれどぜひ聴きたい。

参考CD
・「悪魔のトリル」イタリア・バロック・ヴァイオリン名曲集 メルクス 1972
・「ヴァイオリンとヴィオローネ又はチェンバロのためのソナタ作品5」 エンリコ・オノフリ 2013
・「コレッリ ヴァイオリンソナタ集 Op.5」  モニカ・ハジェット 2005
・ 「Corelli la Follia」 フランス・ブリュッヘン、グスタフ・レオンハルト、アンナー・ビルスマー 1980
・「Italian Recorder Sonatas」 ミカラ・ペトリ & ジョージ・マルコム 1985
・「CORELLI」   ミカラ・ペトリ & マハン・エスファハニ 2015
・「ARCANGELO CORELLI SONATAS From Op5」 ラウリン 2013






3/26/2018

フレンドシップコンサート演奏曲(HRC)


フレンドシップコンサート演奏曲
4月21日の演奏会まで1ヶ月を切った、出演するグループは曲目の仕上げ練習にかかっていると思います。HRCも遅れがちではありますが、やっと曲目と順番が決まりました。
1、CONTRAPUNCTUS Ⅰ    J.S.Bach
2、SONATA Op.5ー9    A.Corelli 
     Preludo, Giga,Adagio,Tenpo di Gavotta  
3、  日本の曲 (ヒミツ)

コントラプンクトゥスⅠ   J.S.Bach
この曲をHRCで練習始めてからもう10年ぐらい経つでしょうか。初歩的な合奏曲を練習し、そろそろ大きな曲もやってみたいね。などと考えていた時 細岡師匠が持ちこんだ曲です。とにかく譜面が難しかった。自分の譜面どうり演奏するのもおぼつかない部分もあり、他のパートを聴いている余裕なんかない。最後が一緒に終わればヨカッタよかったで、しかしそんな状態でリザーブコンサートにデビューしたなんて度胸だけは評価できるかもしれない。

今回奏者が4名揃ったので演奏してみます。以前よりはお互いに聴きながら演奏できますが、やはり難しい曲です。途中でコケたら復帰が難しかもしれない。コレッリのソナタ集作品5より40年も後に作曲されたのが不思議な気もします。

バッハの最晩年に作曲が開始され対位法の技術を駆使し究極の構築性を目指したと言われています。曲集「フーガの技法」は死後未完成のまま出版された。

ソナタ作品5ー9  A.corelli
最初はコレッリの曲が2曲 サラバンドとジーグ の楽譜があり、「昼下がりのコンサート」でも演奏しました。調べてみるとどちらも作品5として出版された12曲の一部で、サラバンドは7番目 ジーグは9番目のソナタに含まれる楽章だとわかりました。他の楽章も調べてみると皆楽しめそうな曲なので、それなら「ソナタ全曲通して演奏してみよう」という事になり、作品5ー9の他の楽章の楽譜もあわてて揃えました。原曲はイ長調ですが、ハ長調に移調し4本のリコーダーで演奏します。
コレッリは晩年、出版されたヴァイオリンの曲以外は廃棄したと伝えられるほどで、残された曲は佳曲揃いと言われているそうですが、納得できるような気がします。ヴァイオリンの曲らしく運弓が見えてくる様な部分も多いのですが、リコーダーらしい演奏もあっても良いと思っています。
作品5の曲集が出版されたのが1700年とのことですが、人気が高く再販を重ね、リコーダー用の編曲も2年後には出版されていたそうですから、(コレッリの思いは別として)リコーダーでじゃんじゃん楽しんで良いはずです。

日本の曲  
とりあえず秘密とします。