1/10/2018

全音ブレッサンの特徴

新ブレッサンのウエルドライン(手書き)

全音新ブレッサンは発売以来なかなか評判が良いようだ。従来のABS樹脂の旧ブレッサンも楽器としての性能は十分あった訳で、それを上回っていると納得させるには、それなりの手段が必要となる。
細部に至る見直しが行われたと思うが、実際演奏してみてその効果を実感できた 1.指孔のアンダーカット、 2.ウインドウエイの個別パーツ化について私流に分析してみた。

  1. 指孔のアンダーカット
指を持ち上げ孔を開いた時、一定の振動モードにある内管の空気に外気が影響を及ぼす。トンネル状の指孔よりアンダーカットされた指孔の方が反応が早いのは当然のような気がする。
特に音がひっくり返りやすい高域のトリルでかなりの改善があるし、指孔の間隔が少し狭くなったのは運指のやり易さにつながる。
 
写真は新ブレッサンの左手で押さえる指孔。左側から人差し指、中指、薬指だ。この内中指と薬指の孔にアンダーカットが施されている。
ここで射出成型におけるウエルドラインから考えてみる。
一番左側の人差し指の孔に着目すると写真では青色の細い線が見える。実はこの青色の線は、わかりやすい様に私が写真に書き加えた。実際の線は角度を変えながらよく見ると(青色の線と同じ位置)指孔から右方向に線を確認することができると思う。
中部管を射出成型で作る時,この写真で言えば左側のジョイント部分に金型の吹き込み口がある。そこからドロドロに溶けたABS樹脂が圧入される。樹脂は金型の中を走るわけだが、孔の位置に来ると金型が円筒状の柱になっている為溶けた樹脂が一旦左右に分かれる。柱を過ぎればまた合流するのだが、その時左右の樹脂の接合面にわずかに筋が入るのだ。(ウエルドライン)これは射出成型には付き物の現象だそうだ。ちなみに全音旧ブレッサンを調べてみると全ての孔にこのウエルドラインが見られる。では新ブレッサンではどうかと確認すると、左側の人差し指の孔は同様にラインが見える(梨子地仕上げで見えずらいが)ところが中指、薬指の孔は少し状況が異なっている。孔の外側に同心円状の筋が入っており、リコーダーの外壁より少し低くなっている。この部分を(オーバーカット)と呼ぶらしいのだが、このドーナツ状の部分にはウエルドラインが無いのが確認いただけただろうか。ウエルドラインは外側の同心円から始まっている。つまり中部管の射出成型時は外側の大口径の孔で成型され、その後ドーナツ状の部品を取り付けているのだ。やはり中側が広がった孔は一回の射出では成型できず、後で別部品を取り付けると言う二重の手間をかけているのだ。さらにメーカーによれば、4カ所のアンダーカットされた孔はそれぞれエグリの傾きや孔のサイズが微妙に異なる為、全部別部品だそうだ、それを接着剤ではなく高周波加熱により溶着しているとのこと。 手間がかかっているのだ。

  1. ウインドウエイの個別パーツ化
従来の樹脂製リコーダーのウインドウエイはちょっと極端に表現すれば、歌口を覆うクリーム色(象牙色)の部分、ブロック(茶色)の部分、  その他リコーダー構成部分などの部品によって囲まれた空間(すきま)がウインドウエイと呼ばれていた。ウインドウエイを発音上重要な部分と考えるなら、これでは十分な精度が得られにくいだろう。新ブレッサンではこのことを考慮したのだろう個別部品化してウインドウエイの形状の精度を上げている。8月に行われた「お披露目演奏会」では全音の説明員の方が、ポケットから頭部管のサンプルを取り出して、ウインドウエイの部品を取り外して見せてくれた。小さなチョコレート色だった。これにより吹いた時の感覚が理想的になり、水分による(詰まり)も回避しやすい。との説明だったが私はもう1つ重要な事があると思っている。樹脂製リコーダーは水分による「詰まり」に弱いが、この新ブレッサンはむしろ強いのだ、ウインドウエイの形状が正確に出来ているので水分を吹き出しやすいとの説明だが、私はウインドウエイの熱容量も関係していると考えている。
従来の楽器だとウインドウエイの天井、床、左右の壁とも他の部位例えばブロックなどの表面、であるわけだから、冷えた状態に息を吹き込んでも、冷えたままですぐに温度が上がりにくい、ところが新ブレッサンの場合小さな個別部品なので簡単に温度が上がってしまう。そして一旦温度が上がれば息を吹き付けても、もはや水分は発生しないことになる。
これは大変有効な性質ではないだろうか。もちろん水分の発生が抑えられるのはウインドウエイ部分だけで、高温で湿った空気はそのまま内管へ突入するわけでそこで水分を発生するのは従来の樹脂製楽器と同じだけれども。

関西での「お披露目演奏会」では、バロックピッチの替え管の話は出なかったようで、ちょっと気になるところだ。売り上げの伸びがイマイチなのかもしれない。

 

11/26/2017

エセックス伯のガリアード

リュート 全音新ブレッサン 竹山アルト

本日HRCの練習 2人だけだったので、Kさんがリコーダーをリュートに持ち替えて、リコーダーとリュートの二重奏。
曲はJohn Dowland " The Earl of Essex his Galliard"(ジョン・ダウランド 「エセックス伯のガリアード」)
編集 コンラート・ラゴスニック  編曲 ハンス・マルティン・リンデ これは以前「涙のパヴァーヌ」でも使用した曲集に含まれている一曲。
短い曲だが拍子が変化していくので合わせるのが大変、というか拍子そのものの概念が現代と違うのに、無理をして五線譜に押し込んだような感じ。
楽譜表面の拍子をぎくしゃく追いかけるのではなく、曲本来の流れに乗らなければならない。それが結構難しい。たぶん暗譜が必要かもしれない。
YouTube などでは歌詞付きで歌っている動画もあるので大いに参考にできそうだ。何とか仕上げて年末のクリスマス会のプログラムに加えたいと思う。

リュートの音はギターとはかなり違う、難しそうだが雰囲気があり演奏していて楽しめた。
リコーダーを全音の新ブレッサンに持ち替えてみた。細かい動きの音符が少ないので「取り回しが楽」が有利に働く場面はそれほどないが、問題なく演奏することができる。リュートのKさんの感想は木製の楽器に比べて音に透明感があるそうで、これは演奏している私もわかるような気がする。ただこの曲の場合、音にキシミやニゴリ成分が少し含まれているほうがより適しているのではないかと私は思う。

練習会場は残響もありよく響く、リュートとリコーダーの練習はたっぷり3時間ほど出来た。これはかなり恵まれている環境かもしれない。不満を言ったら罰が当たる。

YouTube の演奏を紹介しておきます。 Julian Bream Consort
The Earl of Essex his Galliard

11/19/2017

新ブレッサン本番で使ってみた

上 新ブレッサン  下 旧ブレッサン

左 新ブレッサン  右 旧ブレッサン

先週後半に待ちに待った全音新ブレッサンが送られてきた。8月末の新作発表会でアンケート用紙に「提出された方には楽器を進呈」とあったので10月末の発売日にもガマンしてひたすら待ち続けていたのだ。
自宅では音をほとんど出すことはできなかったが、表面の梨子地仕上げもしっくり手になじみ、アンダーカット(内エグリ)を施した指孔も押さえやすい配置で、単独パーツで形成されたウインドウエイもしっかり収まっているように見える。・・・・ひょっとしてこれは行けるのではないだろうか。
最終練習で使ってみて問題なければ翌日の本番で使用してみることにした。
曲はパッヘルベルのカノン
演奏者が3人しか確保できないので、通奏低音のパートはiPadのGarageBandでチェロとコントラバスで自動演奏、PA用のアンプとスピーカーで拡大。
上声部の3本のアルトのうち第一アルトをこの新ブレッサンで演奏することにした。
ほぼ同じ楽譜を2小節ズレて演奏するのだが、やはり第一アルトが一番目立つ。
とりあえず演奏してみると音のレスポンスが早く指孔が押さえやすく取り回しが楽な感じ。これは指孔に内エグリを施したことにより音の鳴り始め、鳴り終わりの反応が早くなった。またこの内エグリが副次的に指孔間隔の縮小をもたらしたらしく指の押さえがより楽になった。この結果の為だろう32分音符の連続する場所でいつも少しもたつき気味になるのだが、この楽器だと余裕でクリアできてしまう。ちょっぴり上手くなった様な気持ちになれる。

あまり調子に乗って口先だけでパラパラ吹き飛ばすと、音が軽くなってしまうが、しっかり息を入れるとちゃんと鳴ってくれる。
低音部もよく鳴り全体に揃っている。音色も隣り合った音の差は少ない様だ。ただこの件に関してはまだ2会場でしか演奏していないので、残響の異なる会場でも演奏した上で答えを出したいと思う。


10/14/2017

ウインドウエイ無しのリコーダー


例えばテレマンのリコーダーソナタを演奏する場合、当然の事だがブレッサンのコピーのような楽器が適しているのは言うまでもないだろう。
テレマン自身もリコーダーを演奏し、また良い楽器も所持していたらしく、彼の曲は限界ギリギリの音を要求してくる。それを次々とクリアしていく演奏は爽快だろうと思う。もちろん私の演奏がその境地に達しているわけではないけれど。確かにリコーダーの運動性能は同じエッジトーンの楽器の中では一番だろう。フルート、尺八、ケーナなど運指上特に差異はないとすれば、ウインドウエイの有無が決定的な差を生み出している。
エッジに吹き付ける空気の流れを唇や口蓋で形成しなければならないフルート等と異なり、リコーダーの場合はこの部分がすでにウインドウエイとして形成されている為、発音が素早く簡単にできるのだ。
しかし良い事だけではない、ウインドウエイが固定化されていることは、変化させる事が難しい、
リコーダーの最低音と最高音ではエッジに当たる空気の流れの角度、太さ、速さ等の最適値が異なるだろう、これを固定化するのだから両者の平均値的な設計とするしかなく、さらに言えば最低音最高音を含む全ての音に対しても最適値ではなく近似値でしかないわけだ。
さらに細かく・・吹き出し口とエッジとの距離も変化が必要
音の 鳴り始め、途中、鳴り終わりにも変化が必要・・キリが無い!・・
そして実際の演奏は表現として最適値以外の音もバンバン使う。
リコーダー奏者には息の強弱コントロールのみ残されている。これでかなりの部分が解決可能性かもしれないが、当然不満は残る。

テレマンではなくダニーボーイをソロかギター伴奏で演奏すると考えてみる。
低音部の充実、中音部の歌うような柔軟性とメリハリ、最高音は感情の詰まったピアニシモ
これをアルトリコーダーで表現するとなると困難が見えてくる。

いっそリコーダーからウインドウエイを取り去ってみたら。との思いで組んでみたのが写真の楽器  アルトリコーダーの頭部管を取り去り、代わりにケーナの発音部分を取り付けた。

ケーナはG管と呼ばれ、音域も足部管のないアルトリコーダーと考える事ができるので、そのまま利用した。
リコーダーは全音のブレッサン(旧)、ケーナはマルセロ・ペーニャ(ボリビアタイプ)を使用

接合部では両者の内径の差が1.5mmほどあるが今回は無視する。(ケーナの方が太い)
接合方法も真鍮パイプなどで抜き差し調整可能な方法が必要だが、とりあえずガムテープで固定した。

試奏
音程 エッジの位置をリコーダーとほぼ同じ位置としたが、大きく外れることは無く、リコーダーと同じ運指で演奏できる。
音色 ボリビアタイプケーナ特有の大口径指孔の明るい大音量ではないが、ちょっとくすんだ音でリコーダーとは明らかに違う。音の変化はつけやすい。

評価するにはもう少し習熟する時間が必要、再度報告するつもりです。

8/31/2017

ブレッサン415Hz予想は大外れ


新ブレッサン発表演奏会にバロックピッチ(415Hz)に違いないと
期待を持って出かけたのだが、残念ながらモダンピッチであった。トーンホールのアンダーカットやウィンドウェイの一体成型、複雑な内径の再現、外観もオリジナルに似せて曲面を使用、ツヤ消し仕上げ。G-1AのGはGiglio (百合)の略で発音は「ジリオ」で良いのかな。新しいシリーズになるらしく、担当者に確認したところ A はアルトの意味らしい、するとSとかTの文字が付くことになるわけだ。
ヴォイシングが間に合わなかったとの事でずらりと飾られていた新ブレッサンは全てモックアップで試奏できなかったのは残念。

バロックピッチだ!などと軽薄に騒ぎ立てていたのは私だけだったようで、ちょっと恥ずかしい、しかし商品コンセプトの説明の中で「バロックピッチの替管も考慮している」との発言には思わず拍手してしまった。

平尾重治氏、竹山宏之氏など出席した開発秘話では、トーンホールの内管側をえぐるアンダーカットの有効性。複雑に変化する内径の再現の難しさ、木管の内径修正は削って太くなる方向での修正となるが、プラスチックは金型を削るので、逆に細くなる方向での修正となる。など現場に直接かかわっている方達の話は興味深かった。

後半の演奏はこれだけの豪華奏者を揃えて楽しくないわけがない、タップリ楽しませてもらいました。前面に並んだプロの奏者達、皆微妙に演奏スタイルが異なるのでこれも実に興味深かったデス。

最後にアンケートを書いていたら「提出された方には楽器を進呈」とある。 これはすごい!期待します。

8/25/2017

新ブレッサンG-1A

発端は樹脂製モダンピッチのアルトリコーダーにバロックピッチの替管を3Dプリンターで作ることを検討していた。そのためベースとする楽器に全音ブレッサン1500BNを選び、モダンピッチの楽器としての性能を確認してみた。
前回のブログでも書いたが、ブレッサン1500BNの性能は十分に高いと考えられる。高音域の音も苦労することなく出せるし音程も正確。プラスチック製であることによって音質が少し異なる(聞き分けるのが簡単ではない)
手触り感が木製より劣る、などの点はプラスチック製の楽器であることから仕方のないことだ。そんなところへ新ブレッサン発表のニュースが飛び込んできた。

8月29日に発表される新ブレッサン1600Bはどこが違うのだろう?私は非常に興味があったので、「お披露目演奏会」を聴きたいと思った。「季刊リコーダー」で席を確保できるということで早速申し込みOKとなった。

何が変わるのかいろいろ想像してみる。
1、楽器の色やデザインが変わる
2、形状を再設計して音がさらに出しやすくなる
3、プラスチックの材質を変えてより高級感を持たせるとともに音質も改善する
4、音域をさらに広げたスーパーリコーダー
5、モダンピッチではなくバロックピッチ( 415Hz)の楽器

1〜3は現行のブレッサン1500BNの性能がそれなりに充実していると思うのであまり意味がない。
4のスーパーリコーダーは面白いが「ブレッサン」の名前を引き継いでいるし、演奏プログラムを見ても、それらしい曲が見当たらない。
結局 5 のバロックピッチではないだろうか。そう考えてみると、プログラムではチェンバロやヴィオラ・ダ・ガンバ    を揃えているし、リコーダー奏者のそうそうたる顔ぶれも納得できる。曲もW.Williams J.Ch.Shickhardt などいかにもそれらしい曲が並んでいる。ただW.A.Mozart の「私は鳥刺し」・・・など5曲はソロではなく多分四重奏で演奏されるだろう。アルトパートは当然新ブレッサン(415Hz)他のパート ソプラノ、テナー、バスはバロックピッチの既存の楽器、しかしこれではパンチが足りない。
想像をさらに一歩進めてみる

ソプラノ、テナー、バスは全音が開発中の(415Hz)シリーズ試作品ではないだろうか。新ブレッサンG-1A   「G-1A」の部分が新たなシリーズを思わせる。

Facebook でHK氏が全音に問い合わせたところ10月25日発売で ¥3200 とのこと。この価格だとモダンピッチかもウーン!


期待が大きいだけに想像もどんどん膨らむが、あとは当日のお楽しみ。

8/05/2017

全音ブレッサンの評価


全音ブレッサン(1500BN)を入手した。415Hzの替管を3Dプリンターで作るつもりなのだが、そのベースとなる楽器として選んだ。
替管を付けての評価は、元の楽器自体の評価がちゃんと確認されていなくては意味がない。

樹脂製アルトリコーダーも色々な種類があるが、これはバロック時代の製作家ブレッサンの楽器を採寸して設計に反映させているそうだ。

音程をチューナーで確認してみるとほぼA=442Hzでほとんどの音がセンターを示す。オクターブ高くしても高い方にズレたりせずほぼセンターを示すのは優秀と言える。
高音域の音も比較的安定して出しやすいようだ。(個々の音の最適な息の量や速さは現行の楽器とは微妙に異なる)
指穴もそれほど不自然なところがなく、現行の楽器から大きな違和感なく持ち替えて可能。
楽器本体がプラスチックなため、手で持って構えると少し滑りやすい
唇にも違和感。
音の鳴るポイントが少し遠いような気がする(右手の薬指付近)
音によっては楽器自体がブルリと振動するように感じることがある。
高音域の音が比較的バラつきなく出るせいだろうか、それに安易に頼って発音するせいか、高音の連続するフレーズの音の輪郭が竹山ほどハッキリしない。言い換えれば「ソフトに聞こえる」これは材質の違い(竹山はローズウッド)が原因かもしれない。以上演奏してみて感じた点をまとめてみた。

早速HRCの練習に持ち込んで試してみた。

コレッリのソナタ (アルト2本とバスリコーダーの編曲) の第一アルト
スタートからブレッサンで演奏してみる。楽器が滑りやすく、音の立ち上がりが少し異なり、あせりながら演奏した。ところが他の2人の奏者はいつもの楽器と異なっていることに気付かない様子。第一楽章が終わってからそのことを告げると「楽譜に気を取られて気付かなかった」と言い訳めいた発言だったが、今までの演奏とほとんど同じに聞こえたと言うことだろう。演奏している方からすれば、苦労して演奏しているわけだし、発音ポイントも異なるし音色も違っているはずなのに納得出来ない。

簡単なブラインドテストをやってみた。
目をつぶってもらい、適当な曲を演奏し、楽器を交換して同じ曲をもう一度演奏し、楽器を当ててもらう。意外にと当たらない。
演奏する方からするとこんなに違うのにとの思いがあるが、聞く方からすればそれほど差は無かったことになる。  

楽器に習熟すれば克服できる部分
指や唇の違和感、個々の音の最適な息の量や速さ、サミングのやり方、などは楽器に慣れればほとんど解決できる。
しかし材質が木であることによる安定した触感、「音の輪郭、音の粒立ち。音の芯」など表現感じ方の違いはあるが「音色」に関する部分は違いとして残ると思われる。
発音ポイントが(右手の薬指付近)などと書いたが、竹山はもう少し近く左手の中指付近)と感ずる。双方の楽器の音響的構造はほとんど同じはず、つまり発音される場所は、ラビユーム付近、各指孔、先端の穴であり、音量や音色の差がそのような遠近を感じさせていると考えられる。

リコーダーオーケストラ
リコーダー演奏において音色などの音の個性、は非常に重要な要素だと思える。しかしリコーダーオーケストラなどの集団ではそれぞれの楽器の個性はなるべく抑え込んで集団としてのハーモニーが優先される。だとすれば個々の楽器の個性を抑え込む努力をするくらいならいっそアルトパートは全員「ブレッサン」を使用する。ついでにソプラノやテナーパートも性能の良いABS樹脂の楽器選んでを選んで統一を図れば美しいハーモニーへの近道かもしれない。

・・・・この文章をまとめている時びっくりするニュースが飛び込んできた。全音が新ブレッサン(1600B)を出すとのこと。山岡重治氏と竹山木管楽器製作所との共同設計だそうだ。8月29日には近江楽堂で新製品発表会がある。聴いてみたいですね。今のままでもかなりいい線なのに音色や音の粒立ちまで踏み込んでの改良なのだろう。 大いに期待しましょう。

追加
今日もブレッサン1500BN と竹山(ローズウッド)を比較してみた。かなり高性能、付属の運指表には載っていないが先端の穴を塞ぐ いくつかの高音も出すことができる。これ以上何を変える? 樹脂の材質を変える?・・考えにくい
ひょっとしてブレッサン1600Bはバロックピッチ(415Hz) の楽器ではないだろうか。
新製品発表会は近江楽堂、ガンバ、チェンバロ、錚々たる演奏家たち・・これだけそろえばやはりバロックピッチしかないだろう。



7/30/2017

3D プリンターとリコーダー


リコーダーを愛好し、工作が好きとなれば、リコーダーを自分で作ってみたいと思うのは当然の流れかもしれないが、旋盤などで木を削って作るのは極めて敷居が高い。しかし最近は3Dプリンター が使えるので色々な造形が可能となる。これを利用してリコーダー関連のgoodsを楽しむことも出来そうだ。プリンターは自身で購入しなくても。3Dプリンターやレーザーカッターなどを備えた工房で請け負ってくれるようだ。
シェードのような三次元の図面を作れば発注できるらしい。
細目は工房との打ち合わせが必要になるが、とりあえずやってみたいことを列挙してみる。
1.バロックピッチ用替え管 
バッロック期のソナタなどの演奏はバロックピッチと称するA=415Hzで演奏するのが一般的になっている。これは当時バロックピッチの標準が決められていたわけではなく色々なピッチが存在していたらしい。モダンピッチをA=440Hzと決めた時にそれに対応するかたちでバロックピッチをA=415Hzとした。これだとチェンバロなどバロックピッチからモダンピッチに変更する時、弦と鍵盤の関係を半音分ずらすだけで良い(実際はそんなに簡単ではないが)
 リコーダーでもモダンピッチの楽器からバロックピッチへ持ち替えてみるとガラリと雰囲気が変わる。もちろんバロックピッチの楽器を購入すれば良いのだが、使用頻度と費用を考慮すると尻込みしてしまう場合も多いと思われる。ヤマハ、アウロス。ゼンオンなどがバロックピッチのプラ管を出してくれれば良いのだが数量が望めないので、腰が重いようだ
 そこでバロックピッチ用替管が浮上する
リコーダーは通常3分割できる。頭部管、中部管、足部管である。 このうち中部管だけでサイズを変更して長めに作り、頭部管、足部管はそのまま流用する。これを組み立てれば全長がバロックピッチの楽器と同じになる。本当は頭部管も足部管も少し大きく作り変えるべきなのだが、構造が複雑だったりして困難なのでそのまま流用し、大きさの不足分は中部管で補うわけだ。
ヤマハのバスリコーダーではバロックピッチの替管が存在しているし、アルトリコーダーでも中部管が長短2種類付属していて、モダン/バロック両対応の楽器も見た事がある。

2.アルトリコーダー頭部管を利用したルネッサンスタイプのG管  円筒状の中部管を作れば良い。
3.バスリコーダー直吹き用キャップ。 ・・・・その他

想像だけなら色々アイデアはあるが、実際に体験してみなくてはわからない。まず三次元の図面を作れなければ(道は遠いネ!) さらに3Dプリンターに過大な期待はもってはいけない。市販のABS樹脂の射出成型品と3Dプリンターで固めた樹脂品では、強度、仕上がりとも後者が劣るのは必然だろう。

とりあえずABS樹脂製のリコーダーを購入した。全音のブレッサン、この楽器に合わせてバロックピッチ替管を作る予定。この楽器の性質を知るためしばらく現行の竹山(ローズウッド)と並行して使ってみるつもり。

写真は私の現役楽器 竹山(415Hz),竹山(442Hz),新規ゼンオン ブレッサン
バロックピッチは少しサイズが長いのがわかる。