9/30/2012

第22回昼下がりコンサート終了

センチメンタルジャーニー演奏中


第22回昼下がりコンサートが終わりました。
台風17号が関東に向かっているため心配しましたが、到達前に終了することが出来ました。
観客の方も思ったより多く来て下さり、演奏自体も私達としては充実した演奏が出来たと思います。

プログラム
甘き喜び J.S.バッハ  リコーダー合奏
今こそ別れ ジョンダウランド  リコーダー合奏+ギター
羊は安らかに草を食み J.S.バッハ
  Alto Recorder(2)  Vocal(Sop.)の代わりに Tenor Recorder
    通奏低音 Bass Recorder(2)
唱歌メドレー   牧場の朝、富士山、我は海の子      Tさん編曲
懐メロメドレー 桜貝の唄、あざみの歌、水色のワルツ Tさん編曲
センチメンタルジャーニー  クラリネット ギター パーカッション
アマポーラ            クラリネット ギター パーカッション
山小屋の灯火           リコーダー合奏
一杯のコーヒーから        リコーダー合奏

アンコールに「里の秋」を初見演奏


9/23/2012

羊は安らかに草を食み



カンタータ「楽しき狩りこそ我が悦び」BWV 208 からパレスのアリア
「羊は安らかに草を食み」

 バッハはリコーダーソナタを作っていないらしい。

これはバッハの周りの環境がそうさせたので、リコーダー奏者にとって残念と言うしかないが、ブランデンブルグ協奏曲やカンタータなどでは、有効にリコーダーの特性を生かして使っている。特にこの「羊は安らかに・・・」バッハからリコーダー奏者への最高の贈り物とも言えるのでは無いだろうか。バッハ27歳の作品。

通奏低音に乗ったアルトリコーダー2本で始まるとパステルカラーで描かれた絵の世界。
ソプラノ歌手が歌い始めるとリコーダーは少し後ろに下がり、細かく揺れながらか音を紡いでゆく、そして  時には前面に出たりしながら、至福の時は流れる。 

数年前この曲を演奏した事がある。偶然のチャンスで音大の声楽科を卒業されたばかりの方に歌ってもらった、地元のクリスマス会で演奏したはずだ。当時の録音を聴いて見ると、リコーダーは余裕がなく、音を出すのが精一杯と言う感じだ。でも当時を思い出すと練習も本番も楽しかった。こんな機会はおそらく2度は無いだろうと考えていた。  

ところが歌手の方が当時のことを覚えておられて、もう一度歌いたいと声をかけて下さったのだ。発表の場は、ピアノ発表会での賛助出演という形だ。またあの曲が演奏出来る。早速2ndアルトや通奏低音のバスリコーダーなどお願いして練習を開始した。以前よりは余裕で演奏できるから、楽しい演奏が出来ると期待が膨らむ。


YouTube を検索するとすると、幾つかヒットするのだが、リコーダ2本と歌手の組み合わせが見つからない、オーケストラで演奏するのは大げさ過ぎるし、フルート2本でも味が出ない、この組み合わせを実現するのはアマチュアにとって難しいことなのだろう。

リコーダーの世界からみればアルトリコーダー2本の奏者を揃えるのは簡単だが、 ソプラノ歌手を探すのは難しい、その上この一曲の為に演奏会に足を運んでもらうとなると、躊躇してしまう。
また歌うグループから見ればソプラノ歌手は居るが古楽器のリコーダー2本を揃えるのは簡単ではない。

こんなことを考えて見た
もし声楽をやっておられる方が自分たちにの演奏会に「パレスのアリア」を歌うなら、声をかけてもらえば、リコーダー2本奏者付きで出かけていく。
ギャラの代わりにリコーダーの演奏会たとえば「リザーブコンサート」とか「フレンドシップコンサート」等 都合の付く演奏会に一回出演していただく。
こんな交換条件はいかがでしょうか。


9/22/2012

バルサンティ ソナタ二短調 作品1-1


 今回の発表会で私の演奏したのがこの曲


ソナタ二短調 作品1-1 「リコーダーと通奏低音のための6つのソナタ」 1724年London

作曲者のバルサンティはイタリア人でイギリスに渡りロンドンで活動した。
作曲だけではなくフルート、オーボエ奏者あるいは弦楽器奏者としても活躍したらしい
当時のロンドンはヨーロッパ最大の商業都市でドイツやイタリアのミュージシャンたちはロンドンでの成功を目指して集まったのです。その中で最高の地位を得たのがヘンデルでしょう。

  
当時のイギリスは産業革命前夜というかワットの蒸気機関はまだ発明されていなかったが、ニュートンも活躍していたし、ニューコメンの大気圧機関などがあり、植民地政策を背景にした貿易や紡績などは莫大な利益をもたらし、多くの富裕層を生み出していたのだ、オペラの上演や演奏会なども数多く催されていたのだろう。また聴くだけでは無く自ら演奏してみたいと考える人たちも現れ、そのような人たちにとってリコーダーは手頃な楽器であり、ブレッサンやステンズビー父子のようなリコーダー製作家が現れ、リコーダーの為の楽譜も盛んに出版されたのだろう。

このバルサンティのソナタ集もそのような要求に応える形で出版され、数年後再版されているから、人気があったに違いない。プロフェッショナルの為の曲では無く明らかにアマチュアでも演奏できるレベルで作ってあるし、聴くと難しそうなフレーズも実際に演奏して見ると、比較的簡単に出来る指使いで演奏にできる仕掛けになっていたりする。     

その点バッハなどは必要な音を手加減無く要求してくるので、演奏が難しいのだが、バルサンティはアマチユア演奏家には人気があったのだろう。
などと言っても私のレベルでは決して簡単では無かったけれども。

ソナタ1以後も面白そうな曲が並んでいるのでぜひ取り組んでみたいと思っている。

9/09/2012

発表会終わりました

ゲストの芸大生による演奏



細岡ゆき門下生発表会 2012年8月11日 近江楽堂

 前回の開催が2010だったから2年ぶり、

プロのチェンバロとガンバを後ろに従えて一人でソナタを演奏会する機会などほとんどないのだから、このような機会はのがしてはならないと思う。

プログラムを見るとソロで挑戦する人がもう少しいても良かったと思う、時期が夏休み最盛期と重なっていたため、参加をあきらめた人もいたのではないかと想像する。参加者はそれぞれレベルや課題が異なるにしても、努力して乗り越えた達成感は他では得られないほど大きいのだから。

プロ奏者との共演など尻込みしてしまう方もいると思うが、たとえ下手な演奏でもしっかり寄り添って盛りたててくれる、決して突き放したりはしない。

私はバルサンティのソナタ1番を選んだ。楽譜はペトルッチ楽譜ライブラリーからダウンロードした。また参考のためリコーダーJPの伴奏CDブックも駅前の楽器店経由で取り寄せた。6月ぐらいから練習を始めたが、途中ケーナの演奏などがあったため中断したりして、最終のチェンバロ、ガンバとの音合わせは本番4日前だけとなってしまった。本当は2回音合わせの日があったのだが、時間の都合がつかなかったのだ。この辺は日中勤めを持っている人間にはつらいところである。
そこそこ仕上げたつもりで「音合わせ」に臨んだのだが、チェンバロやガンバの音が鳴り響くと緊張してしまう。とりあえず何とか演奏をしてみる。

「一音一音を出すことに集中しすぎて、全体の流れが解っていない。少し大きなフレーズの中で自由に流れをとらえるべき。」なるほど!   ここは泣きの部分だからスラーでしっかり。ここの上昇部分は巻き上げる。ここはチェンバロが休みなのだから自分でテンポを決めて変化を楽しむ。など 、、、これだけ指摘されると「こんな感じの曲かな」などと思っていたイメージが大きく変わり、何とチャーミングな曲なんだと思ってしまう。でもそれを表現できることは別次元、 いろいろな指摘されたけれども、本番まではあと4日。
帰る途中で、武蔵小杉のスタジオアイシャに寄った。ここは小さな防音室がいくつかか設置されていて、楽器の個人練習に便利なのだ。1時間ほど「おさらい」をした。あと一回は地元の文化センターで夜HRCの練習に確保してあった部屋を一人で使用させてもらった。

後はバタバタと当日になってしまい、自分の演奏になった、多少は緊張しつつも以前のようにメチャメチャに上がることなく演奏を終える事が出来た。演奏中は目の前の楽譜に集中しているだけでなく、練習中の事や観客のことをフッと考えたりする、その時指や体は自動演奏していることになる。

私にとってもう一つの事件、それは息子夫婦が孫を二人連れて来てくれたこと、息子が演奏時間を確認してきたので、適当に答えておいたのだが、途中演奏の切れ間に孫を連れてドドと入って来た時は我が目を疑ってしまった。もちろんその分演奏に気合いが入ったことは言うまでもない。
最後に「おじいちゃんへ」とカードが添えられた小さな花束をもらった。花束などもらう機会など今まで全くなかったから感激してしまった。

後で孫に演奏の感想を聞いたところ「大体良かったけれども一か所おかしいところがあった」とのこと。確かにその通り、恐るべし。