12/30/2009

「花祭り」の歌詞


一人でピアノの前で歌わされた小学校での歌のテスト以来、人前では決して歌うまいと心に誓ったのだった。
そのため付き合いでやむなく「カラオケ」などに行くことがあっても、決して歌ったことは無かった。

「花祭り」を演奏するにあたり途中で変化をつける為、歌を入れることにしたのだ
歌詞がわからない為 ラ ララッ ラ ラー とチャランゴ、ギター、ボンボ、ケーナの男4人がだみ声揃えて歌う段取りだ。
ところが肝心の場所にいったら誰も声を出さないのでケーナ担当の私だけが必死に声を振り絞る羽目になってしまった。
演奏が終わって私の「カラオケ」嫌いを知っている方が笑いながら「KENJIさんの歌う声を始めて聞きましたよ」だって・・・

今回は2回目なので急遽3日前にカタカナ歌詞を用意したのだが、スペイン語歌詞は早口言葉のようにまくし立てないと追いつかない、結局間に合わないのでラ ララッ ラ ラー でいくことに決め、女性部員が声を出してくれて、お客さんも手拍子をしてくれた。
ケーナの音も前回より安定していたからまずまずだった。
せっかく用意したカタカナ歌詞はいつか使いたいと思うが、とりあえず書きとめておく。歌手によって歌詞の細部が違う場合もあるようだ
一つのメロディーに歌詞は一つで後は繰り返しなどの組み合わせが違うようだが、単純な構造なのですぐにわかると思う
写真は今回使用したボンボ、ヤギの毛皮? が張ってあるので鈍くドスドスと響く

「花祭り」 エル ウマウアケーニョ

ジェガンド エスタエル カルナバール
ケブラ デーニョ ミーチョリーター

ジェガンド エスタエル カルナバール
ケブラ デーニョ ミーチョリーター

フィエスタデ ラーケ ブラダ ウマウア/ケーニョ
パーラ カンター
エルケ チャランゴイ ボンボ カルナバー/リート 
パーラ ゴンサー

ケブラデニョー ウマウアケーニートー
ケブラデニョー ウマウアケーニートー

フィエスタ デ ラーケ ブラダ ウマウア/ケーニョ
パーラ カンター
エルケ チャランゴイ ボンボ カルナーバ/リート 
パーラ ゴンサー

ジェガンド エスタエル カルナバール
ケブラ デーニョ ミーチョリーター

ジェガンド エスタエル カルナバール
ケブラ デーニョ ミーチョリーター

フィエスタデ ラーケ ブラダ ウマウア/ケーニョ
パーラ カンター
エルケ チャランゴイ ボンボ カルナバー/リート 
パーラ ゴンサー

<日本語訳>
El Humahuaqueno
Llegando esta el carnaval quebradeno, ni cholita.
谷間にカーニバルが来たよ 娘さん
Fiesta de la quebrada humahuaqueno para cantar.
ウマウァケ谷の人達が歌う お祭りだ
Erke, charango y bombo carnavalito para gonzar.
カルナバリートを楽しむ、エルケ(楽器の名称)チャランゴとボンボ
Quebradeno Humahuaquenito
ウマウァケ谷(愛しの)

花祭り その2

12/27/2009

新装「アンデスの家」ボリビア





新装開店した「アンデスの家」ボリビアに行ってみた。吉祥寺にあった店を小平駅前に移転したとのこと。駅からすぐ近くで迷わず見つけることが出来た。
店内は以前より広くチャランゴやケーナが展示されているため選びやすくなった。
ケーナを幾つか試奏させてもらったが、
以前あまり感じなかった楽器の個性の違い(アハユの木管など)も感じることが出来た。
楽器が見やすくなったのと、私自身の演奏能力が前回より僅かに向上したためかも知れない。
魅力的に思われる楽器もあったが、今でも2本のケーナで迷っているし(マルセロ・ペーニャとアハユ木管)
さらに1本増えたら迷いは更に増すに違いない。
福岡さんも「テクニックが未熟なのに楽器のせいにしてあれこれ楽器を取り替えるのは良くない」とのアドバイスもあり
結局新規購入は見送ることにした。

60年代後半からプロ奏者達によって従来の伝統的な音楽からネオフォルクローレとして洗練されていく中でケーナも材質が葦から竹、更に硬木へ、構造もより太く、指孔は大きく変化していき、太管ボリビア運指となるわけだが、

福岡さんはこの間の改良はアハユなどが中心となり試行錯誤の結果として生まれたのではないかと言っておられたが
私はドイツ運指のリコーダーの影響があると思う。

アルトリコーダーはF管(指孔を全部塞ぐとFの音)と呼ばれているが、右手小指まで使用するのでこれを上げたまま使用しないと考えれば最低音がGとなり標準的なG管ケーナとほぼ同じ運指となるのだ。

当時多くのケーナ奏者がヨーロッパへ渡り、また南米音楽に興味を持った多くのヨーロッパ人が南米へ行き、両者の交流の中でケーナが改良されていったことを思えばリコーダーの影響も十分可能性があるのではないか。福岡さんは当時ペルーやボリビアで活動していたケーナ奏者レイモン・テブノーとヒルベルト・ファブレを教えてくれたがこの2人のスイス人が大きな役割を演じた可能性は十分ありうる。今後もう少し調べてみよう。
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12/26/2009

クリスマスコンサート終了



今年最後の演奏会「クリスマスコンサート」が終了した。
平尾リコーダークラブの発足から毎年開いてきた演奏会だが今回で11回目とのこと、
今回はリコーダーアンサンブル「Gクレフ」やオカリナグループも出演し それぞれ特徴のある演奏を披露してくれた。
HRCの演奏もリコーダー合奏だけではなく ギター二重奏やクラリネットで「鈴懸の径」、ケーナ、チャランゴ、ギター、ボンボによる「花祭り」など
お客さんにも楽しんでもらえたと思う

三重のオカリナ(オカリナが三個合体している)による独奏もあった。音域も広がるし二つの音(重音)も出せる。
しかし「オカリナは単純で素朴な方が良い」と思うのは私の勝手な感想だろうか

クラリネット「鈴懸の径」はリコーダーとリズムマシン付き・・さすが元プロ
「花祭り」は原語の歌詞(スペイン語)で歌ってもらおうと3日前にカタカナ歌詞と日本語訳を作ったが難しくて間に合わなかった。
ラララーと歌ってもらったがそれなりに盛り上がったようだ。雰囲気は出たと思う。

ケーキは協力者がいて、毎回作ってもらっている。手抜きなどしていないのでプロ以上の価値がある。

駅前などで屋外演奏をやりたかったのだが、なかなか実現しないかった、しかし今回は「呼び込み」と言う大義名分があったので「ジングルベル」一曲だけだったが男性陣による屋外演奏が実現した。

写真は
開演前に「呼び込み」で屋外演奏する男性陣 (GクレフMさん提供)
休憩時間に提供されたケーキ類

12/19/2009

BINGOさんの箱バス


リザーブコンサートや多摩の音楽家第2回コンサートでお目にかかった「箱バス」を話題にしたい。

「箱バス」とは、リコーダーは通常円筒形をしているが、これを板を張り合わせて断面を4角形で作成したバスリコーダーのことを言う。
旋盤等で大型のリコーダーを作成するのは材料も加工する機械も大型となり大変なことなのだが、板を張り合わせて組み立てる構造はそれらの問題を軽減できる。
有名なのはペッツォルト氏設計の「箱バス」だろう、これは時々見かける
http://www.lazarsearlymusic.com/Paetzold-Recorders/paetzold_recorders.htm

ドルメッチ社でもミレニアムシリーズとして「箱バス」を作っている
http://www.dolmetsch.com/millennium.htm

今回話題にするのはBINGOさん作成の「箱バス」である。上記2回の演奏会でも十分に役割を果たしていたように思える。
BINGOさんの製作サイト
http://blog.zaq.ne.jp/bw3476/category/11/
この楽器のすごいところは指孔の位置にある。
ペッツォルトもドルメッチも指孔は小型のリコーダーと同じ比率で管上に分布しているため、直接塞ぐ指孔は1個しかなく他の指孔はキーメカニズムを利用している。
ところがBINGOさんの楽器は右手も左手も3本の指で直接指孔を塞ぐことが出来ることなのだ。
音響学的に考えてもその様なことは不可能に思えるが、ルネサンスの古楽器にそれを実現している不思議な楽器が現存し、それを「箱バス」として再現したのがこの楽器なのだ。再現と言っても単なるコピーではなく、内部断面積の管理や構造を緻密に設計し、その実現のため各種の独創的なアイデアを盛り込んでいる。演奏会のとき身近に拝見させてもらったが、木工加工や金属加工の精度は高く、また楽器以外にも楽器ケースや運搬キャリアに固定するロープに至るまで慎重な配慮が行き届いているのを見て、舌を巻いてしまった。

「手づくり楽器アイデアコンテスト」に出場され残念ながら上位3位以内には選ばれなかったようだが
これはコンテストの趣旨とは必ずしも一致していなかった為で、楽器の内容、工作精度から見ればピカイチであったことは言うまでもない。
審査員達に十分楽器の内容が理解されなかったのではないだろうか。リコーダーにバスやコントラバスリコーダーが存在しそれが合奏でどれだけ威力を発揮するか、理解できる審査員は多分存在しなかったろうと思われる。ただ楽器は十分に迫力があったようで読売地方版に写真が掲載された。

「第5回全国手づくり楽器アイデアコンテスト」読売
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20091213-OYT8T00066.htm

ただ記事でも「コントラバス」となっており「リコーダー」の文字が無い、書いた記者もリコーダーであることを理解していなかったように思える。

製作者のBINGOさんは「画期的?なアイデアを思いついたので、2号機を作り、大賞目指してリベンジしたいと考えています」とのことなので大いに楽しみである。

12/13/2009

リコーダーオーケストラ Ricco Suono 演奏会終了


リコーダーオーケストラに所属していることは触れたことがあるが(10月31日)
昨日演奏会が終わった。

普段HRC での演奏は自由気ままに演奏させてもらっているが
同じパートを複数で演奏するオーケストラではそうは行かない。

倍音成分をあまり含まないリコーダーの音は、正確な音程で重ね合わされたときは純正律のオルガンのような響きが得られるが、少しでも音程を外すと著しく干渉し合ってとんでもない不協和音を発生してしまう。

私の場合、ソプラノリコーダーを担当する曲が多かったので最後まで音程には悩まされた。
J.ラブルダの曲では3本のソプラノが同一パートを演奏したがこれが大変だった。
5本以上だと少しの音程はずれは吸収されてしまうらしいのだが、3本は最悪らしい
音程を修正しようと思っても2つの音が鳴っていてどちらに合わせればよいか判断が出来ないのだ。
長い音符なら修正も可能だが、早いフレーズなどでは出たとこ勝負で場合によっては悲惨なことになる。
さらに今回は楽器のメーカーもM社T社Y社とそれぞれ異なり特性も微妙に違うのだ。
私も音程に悩み、チューナーを手放せなかったが、さらに練習の終盤で楽器をT社からY社へと変更した。結果が改善されたかは録音を確認するまではわからない。聴きに来てくれたHRCの部員から「いつものKENJIさんらしくない萎縮した演奏だった」と言われたが、それだけ神経を使っていたのだ。

いつもの自由な演奏とは異なる制約の多い世界に触れたわけだが、これもリコーダーの世界の一つでもあるわけだし、得たものも少なくなかった。最後まで諦めずにキビシク指導してくださった細岡師匠はご苦労様でした。

Ricco Suono 演奏会 
2009年12月12日 成城ホール 

演奏曲目は
第7旋法による8声のカンツォン G.ガブリエリ
8声のカンッオン”ラ・フォッカーラ C.ブラミエリ
第1旋法による10声のカンツォン G.ガブリエリ
合奏協奏曲 op6-8”クリスマス協奏曲” A.コレルリ
クリスマス組曲   J.ラブルダ
田舎の休暇     J.ラブルダ

ゲスト リコーダーアンサンブル ”パレック”の演奏
パレック(Palrec) はリコーダーのプロの卵達の集団でテクニックは抜群、見事な演奏は好評だった
5声の舞曲とエア より   A.ホルボーン
バレー組曲「くるみ割り人形」 より P.チャイコフスキー

写真はRicco Suono 練習風景

12/01/2009

ベーム式クラリネット



昼下がりコンサートで演奏されたTさんのクラリネットはビユッフェ・クランポン社のベーム式クラリネットだ。私も中学生のころクラリネットに関わったことがあり当時はキーの少ない「アルバート式」クラリネットも存在していた。
最近、クラリネットはベーム式と呼ばれているが、ベーム式フルートの機構と全く異なることに気がついた。
「ベーム式とは違うのではないか」

私のベーム式フルートの認識は
(従来のフルートは先細りの円錐管に、伝統的な配置の小さな指孔を有していた)のを音響学的に再設計し直し、円筒管の内径に匹敵するほどの大きさの指孔を12個開けて、それを10本の指でコントロールできるようなメカニズムを取り付けた楽器。

この認識でベーム式クラリネットを眺めると、フルートのような大きな指孔は持たず、むしろ伝統的な指孔を有し、旧タイプのアルバート式などとそれほど差異は無いように思われる。
では何で「ベーム式」と呼ぶのだろう?
この疑問には下記の本が答えてくれた。

「木管楽器とその歴史」(アンソニー・ベインズ著、奥田恵二訳)
以下引用 P140 クラリネットの機構
ベーム式クラリネット・・・この型を生み出す契機となったのは1832年のリング機構をもったベームの円錐フルートで、1843年当時パリのコンセルヴァトワールの教授であったクローゼがビユッフェという製造家と共同で作り上げた。この型は現在・・・標準型になっている。・・・引用終わり

なるほど了解
最終的なベーム式フルートではなく、それに至る途中の「ベーム式」フルートを参考にしているわけだ。

(写真はTさん所有のクラリネット)