9/21/2015

ケナーチョ入手

ケナーチョとケーナ リコーダーと比較している

月一回 堀之内のワープに集まってフォルクローレの練習だ。
ケーナで参加しているが、リコーダーとはまた異なる世界で楽しんでいる。

I さんが練習の合間にケーナ?をとりだして吹き始めた。ちょっと大きめ、ケナーチョだ!
ケナーチョは一時挑戦しようと思ったことがある。南米製の楽器を何本か手にとってみたが、ケーナと比べて大きく扱いにくく、音も出しにくく断念したことがあるのだ。
ケーナでもアハユとかマルセロペーニャ製はかなり強い息とそれを支える強力な腹筋で低めな音程をピューと吹き上げると正しい音程と美しい音色が得られるのだが、貧弱な肉体で練習時間も少なければ吹きこなすのは難しい。ましてケナーチョはそれ以上のパワーと安定性が必要なのだ。

I さんは楽器を2本並べて「大福から送ってきた」「10年物の竹を使っている」などと言いながらニコニコしている。悪魔のささやきだ。
手にとって音を出してみた。とりあえずスカスカだけれど音は出た。何とかなるかもしれない。値段も破格と言っていいほどだ。
思わず「一本下さい」と言ってしまった。ケナーチョを入れる袋も付属して丁寧にミシン掛けしてあり、紐の両端には飾りが付いている。この楽器への製作者としての思いが込められているような気がする。

<ケナーチョの説明>
ケーナよりも大型で低音を出すことができる。
ケーナは通常G管で全部の孔をふさぐと(右手の薬指まで)Gの音が出る
ケナーチョは通常D管で全部の孔をふさぐと(右手の 薬指まで)Dの音が出る。
リコーダーを基準に考えればそれぞれ足部管のないアルトリコーダー、テナーリコーダーと長さ、運指とも近いと言える。
ケーナは高音で技巧的なフレーズがかっこいいが、ケナーチョは中低音でじっくり聴かせる例えばダニーボーイのような曲が向いているような気がする。

写真はリコーダーと比較している。小型のケーナはアルトリコーダーと、ケナーチョはテナーリコーダーと並べてある。

大福印のケーナ入手については過去のブログでどうぞ。製作者竹田さんの演奏「コンドルは飛んでゆく」も紹介してある。

9/12/2015

リコーダーでドッペルコンチェルト

J.S.Bach

最近練習にお邪魔させてもらっているウインド・ベルのTさんから連絡があり、バッハの二つのヴァイオリンの為のコンチェルトをやりませんか? アーッ あの曲だ!

今から半世紀ほど昔、私が小学生だった頃、ヴァイオリン教室に通っていたことがある。
熱心に練習と言いたいところだが、劣等生に近い存在だったようだ。発表会などでは上級の人達がバッハのこの曲を弾いていた。
確か鈴木メソッドに取り入れられていたはずだ。当時は届くはずのない曲であったが、半世紀を経て挑戦の機会が回ってきたのだ。

参考の為YouTubeで検索してみると有名な曲だけに多数のヒットがある、いかにも練習曲といった演奏もあるが、プロ達によってキッチリ演奏された素晴らしい動画が幾つかある。私のお気に入りはこれ Concerto for Tow Violins
ヴァイオリンならではの小気味よさで、これをリコーダーでそのまま再現は無理、少しテンポを落としてリコーダーらしい味のある演奏に仕上げたい。
リコーダーでは積志リコーダーカルテットの編曲がある。原曲のニ短調はそのままだが、リコーダーの音域の関係でオクターブ高く演奏する箇所が多いので第一ヴァイオリンのパートはソプラノリコーダーを使用している。第二ヴァイオリンのパートだってアルトリコーダーだがやはり高音が多いので場合によっては足まで動員しなければならない。ヴァイオリンの華やかな音に肉薄するには納得できる編曲だと思うが、、演奏はかなり困難だろう。 YouTubeで 積志リコーダーカルテット は見事に演奏している さすが! 

もう一つ別な編曲で”らぶしゅーべると”さんの編曲がある。二つのヴァイオリンは二本のアルトリコーダーに置き換えられ、オクターブの移動もあまり無理な移動は避けているらしい。アルトリコーダーのパートはこの編曲を使うとのこと。

早速プリントして見る。
やっぱり!思った通り16分音符の連続そして五線譜だけでは足りないので加線を何本か追加しての高音がずらり。無理な移動は避けているとは言え これだって大変だ。

少し時間を捻出し練習した。また通勤時にiPodでプロのヴァイオリン演奏を聴くように心がけた。しばらく練習しているうち、全体の流れがどうも日本のリズムで構成されているような気がしてきた。太鼓が ダッ ダッ  ダダーン  ダッ ダッ  ダダーン 続いて鉦がチャンカ チャンカ チャンカ チャンカ そしてワッショイ ワッショイのかけ声も聞こえてくる。バッハ正統派が聞けば一蹴されそうだが、とりあえずこの感じで行くことにする。

原曲のヴァイオリンパートもダウンロードできたので比較してみてかなりびっくりした。音域が低いのだ。五線を越える音はほとんどない。
テナーリコーダーの楽譜のようだ。そして五線の下側の音がかなりある。D線、G線の存在が物を言っているのだ。それでいて華やかな音が響くのは、倍音を圧倒的に多く含み、さらに見事な演奏テクニックがそれを倍増してるのだろう。

リコーダーで協奏曲の華やかさを少しでも出したいとなれば、アルトリコーダーで加線の多い高音を必死で演奏するしかないのだ。

それともう一つ協奏曲なので後方に弦楽合奏がある。トゥッティの時はソロ奏者は少しリラックスできるがリコーダー4人で演奏するとそうは出来ない。全体がソロと同じになってしまうので緊張の連続となる。

曲の仕上げはもう少し先のことと考えていたが、急遽”昼下がりのコンサート”で演奏することになった。先日練習時の録音が送られてきた。各パートともかなり演奏出来ている、ただ楽譜を追うのが精いっぱいな感じもするので、もう少し習熟すると共に、全体のバランスを考慮しながら演奏できるとかなり面白くなりそう。各パート間の絡みの部分、単独での演奏だがトゥッティ とソロ の部分を意識する等。

さすがバッハ。曲がしっかりしているから煮ても焼いても大丈夫、時に下手に料理してもそれなりに食える。


この曲を公民館で練習していた時 隣の部屋に稲城フィルの弦楽器パートが集まって練習を開始したようだった。彼ら弦楽器奏者たちにとっておなじみの曲だろう。我々の練習は聞こえましたか?今度一緒に演奏しませんか?(実は我々の楽譜はニ短調でヴァイオリンの楽譜と全く同じなのだ)。でもそこまで実行するだけの勇気はありませんけれど。