9/13/2009

コルトマン博士の「フルートの材質と音色の関係」

「リコーダーは材質で音色が変わる?」のテーマで平尾リコーダークラブ掲示板に書き始めたのですが
こちらのBlog に書くべき内容と思いますので、テーマを引き継ぎたいと思います。

掲示板にも少し書きましたが、フルートの材質と音色の関係を実験したJ.W.コルトマン博士の論文を紹介します。
"Effect of Material on Flute Tone Quality" J.W.Coltman(1971)
「フルートの音質への材質の影響」

****以下要約です*******

メカニズムなどの要素が実験結果に影響しないよう、銀、銅、木(グラナデラ)で3種類のキーの無いフルートを作った。
何れも内径は19mm 全長は32.7cm
銀の管の厚さは0.36mm プロ用フルート製作用のストックを使用。
銅の管の厚さは1.53mm 銀の管の4倍の厚さ
木の管の厚さは4.1mm 標準的な木管フルートの厚さ。重さは銀管の1.7倍の重量である。

それぞれの管は同寸法のデルリン樹脂製の頭部管を取り付ける、歌口の直径は1.75cm 中心までの長さは5.1cm である。
このキー無しフルートの基本周波数は398Hz となり、ほぼ G の音である。

27名のリスナー(フルートのスキル有、スキル無しを含む)に音を判定させた

2種類の材質を使い、3回音を出す(例 1銀-2銀-3木)リスナーは違う音質を答える、(この場合は3が正解)
材質を答えるのではなく、一つだけ異なっている音質を答えることになる。
実験の最初の6セットは銀の管と木の管のみが使用され、基本波のロングトーンが吹奏された
そのうち3セットは2回の銀に1回の木、残りの3セットは1回の銀に2回の木

同様に次の6セットは銀と銅を使用した

さらに第二モード(およそ800Hz) でも同様のテストを行った。

またG 音のオクターブ上、あるいは戻るテスト 等

これらの方法で得られた結果を統計学的に分析しても、音色の差は認識しているという有意な値は出ていない。

結論として
音質あるいはレスポンスの容易さはそれらの材料の違いには関係ない。
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ちょっとがっかりする結論ですが他の文献も調べて見ましょう。KENJI

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