8/31/2009

中国のオカリナ屋


中国珠海市 圓明新園の中にオカリナを売っていたので紹介する
この店は1年ほど前に来たときも購入したので、私の顔を覚えていてくれたようだ。
一年近く連続で開いているのはそれなりに需要があるのだろう。

通常のオカリナと形が異なるが、このタイプのオカリナは北米や南米にもある

店員の近くにある卵型の黒い楽器は埙xunと呼ばれる中国の古代楽器である
下記のURLでその他の写真を見ることが出来る

http://picasaweb.google.com/gotrec/llkPh#

8/29/2009

最初のリコーダー

当時の私は小学生で新潟に住んでいた。
学校ではまだリコーダーなど教えておらず、ハーモニカだった。
バイオリンを習っていたが、好きでなかったので、全くの劣等生だった。
合宿に参加したとき笛のような音でバッハのメヌエットが聞こえたのでその部屋まで行ってみた。
聞き飽きたバイオリンの音に比べ新鮮な音だと思った。

若い男性が30cmほどの緑色の縦笛を吹いており、その楽器の名前を教えてくれた。
「リコーダー」ではなく「ブロックフレーテ」だったと記憶している

合宿が終わり早速街の楽器屋まで出かけて聞いたところ、数種類の楽器が在庫しており
色もクリーム色や濃い緑色の樹脂製で、指孔は7孔と8孔の楽器があった。
私は何もわからないまま適当な値段の(200円程度と記憶している)楽器を購入した。

トヤマ楽器製アウロス、濃い緑色樹脂製だった、数種類のデザインがあり値段で差をつけてあった
私が購入したのは頭部管も一体になって分解できないタイプで、頭部が太く先端に行くにしたがって細くなる形状
右手薬指と小指の孔はシングルホール、当然ドイツ式運指。この楽器で曲集などで知っている曲を見つけては吹いていた。

すこし遅れてニッカン(日本管楽器)からもスペリオパイプの名称で黒とクリーム色のリコーダーが発売された。(まだヤマハではなかったはず)
以上の二つはソプラノリコーダーであるが、
多分少し遅れて両社からアルトリコーダーが発売された。
どちらもドイツ運指、面白いことに右手小指の為のキーが付いていた。ニッカンはシングルキー、トヤマはダブルキーでF/Fis に対応していた。
私は両方所有していたがニッカンの方の楽器が好きであった、音が少し薄っぺらだが妙に明るい音がした。
ただ当時アルトの教則本を所有していなかった為かアルトは移調楽器と思い、ソプラノと同じ運指で吹いていた。

スペリオパイプの名称はSuperior(優れた) Pipe(笛)を合わせた造語との説明をパンフレットで読んだ記憶がある
・・続く・・・

8/27/2009

3本目のケーナ



「9月にケーナでデビューする」と周囲に宣言してしまったので練習するよう心がけているのだが、
ここのところ足踏み状態で、演奏を聴いてもらうレベルに到達できない。
演奏技術の不足を棚に上げて、新しいケーナを入手すべく吉祥寺のアンデスの家「ボリビア」へ行った

家主の福岡さんからもいろいろアドバイスをいただいた

この店ではルーチョ・ガブール、アハユ、マルセロ・ペーニャ、アドリアンの4人の製作者からまとめて購入しているそうで
作者は4人に限定されるが、在庫数は多い。
私はアハユの木製ケーナに興味を持っていたのだが、最初は竹製のほうが良いのではないかとのこと

「私は奥の部屋に引っ込みますので自由に選んでください」とのことで
持ち込んだチューナーを参考にしながら、
一人で1時間近くあれこれ試してみることが出来た。同じ作者でも管の太さ、長さ、指孔の大きさなど
いろいろあるが、特に吹き口の内側の削り方に作者の個性が出ているようである。
マルセロ・ペーニャ作の楽器が比較的サイズが揃っていると思われたので集中的に選んだが
最後は頭の中が混乱してしまい、結局最初に取り上げた一本(マルセロ・ペーニャ作)に決定した。
福岡さんも「そんなもんですよ」と笑っておられた。

写真は
棚に作者別に分けて並んでいるケーナ(中段) 上段と下段はサンポーニャ
入手したケーナ(マルセロ・ペーニャ作)

8/25/2009

中国の縦笛「洞箫」

 
 


中国の「洞箫」Dongxiao と呼ばれている縦笛
発音機構はエッジに息を吹きつけるタイプで、尺八やケーナと似ている。
ただエッジの作り方が尺八では竹の外側から削り、ケーナは外側内側両方から削るが
洞箫は外皮を残して内側だけ削る。

指孔を全部押さえて出る音(筒音)は"D"あるいは"C" であり「G調箫」「F調箫」と呼ばれるようだ
ほぼフルートの音域に近いので並べて比較してある。ただ右手小指孔より先の部分も管が延長されているので
フルートよりも長いが、この部分は「飾り」の部分で音の高さにはあまり影響しない構造になっている。

音色はフルートに近い感じで味のある音、
音色に変化がつけ辛く欲求不満になっているリコーダー奏者にとっては魅力があるが、安定して音を出すにはそれなりの鍛錬が必要、
中国では笛子(横笛)は動きの早い曲に適するが、箫はゆったりと心情を奏でる楽器と言われている。
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8/24/2009

ボリビアに残るリコーダーの末裔

 

先日南米にキリスト教と一緒に伝えられたルネッサンスリコーダーの末裔のことに触れたが、
タルカ、ピンキージョ、モセーニョなどリコーダーと同じ発音機構を持つ楽器がボリビアに存在している。

ボリビアの楽器を扱っている「アンデスの家(ボリビア)」へ行き、その現物を見ることが出来た。
家主の福岡さんもリコーダーにヒントを得て作られた楽器ではないかと言っておられた。

タルカは木製でリコーダーと同じ発音機構を持つ、指孔は等間隔で小(32cm),大(49cm) の二種類があり(ソプラノリコーダーとアルトリコーダーのような関係)
演奏は大小二本で同じ指使いで演奏するとか、不気味な雰囲気になるそうだ。写真(中央の2本)

ピンキージョは葦で出来ているリコーダーと同じ発音機構を持つ、指孔は等間隔

モセーニョ 80cmの楽器はピンキージヨと構造的には同じで縦に吹くが、 長い方(123cm) はバスリコーダーの吹き込み管のように細い竹筒が付いていて
横に構えて吹く。 リコーダーの末裔であることの動かぬ証拠を示しているようだ。

アンデスの家「ボリビア」
http://www5.ocn.ne.jp/~boande/index.html
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中国の楽器 編鐘



中国珠海市に圓明新園 と呼ばれる観光スポットがある

北京にあった圓明園 がアヘン戦争で焼き討ちされて破壊されてしまったのをここ珠海市に再建したのだ
広い敷地でいろいろ楽しめるのだが入場料が破格に高い、大人一人100元(約1500円)
城の奥まった建物の中に珍しい楽器を見つけたので紹介する。

多分「編鐘」と呼ぶと思われるが、銅鑼のような鐘がいくつも吊るしてあり、横幅は5mを超えるようだ
右側に見える楽器は石でできた「木琴」である。どちらも巨大で珍しく、音を聞いてみたいと思った。
立て札を見ると一時間半ほど後に演奏があるらしい、
音もさることながら、巨大な楽器をどのようにして演奏するのだろう、一人では無理ではないだろうか、
ものすごいパフォーーマンスを期待して、暑さでバテ気味だったが時間をつぶして待つことにした。

時間に合わせてワクワクして会場へ行ってみると、演奏者が出てきたが、たったの4人・・
琵琶と古箏は良いとして、エレキギターの音だけがガンガン響く、時々琵琶と古箏の音が聞こえる
肝心の編鐘は左側の小さな4~5個だけを木琴のマレットのようなバチでこちょこちょ叩いているだけで期待はずれでした。

リコーダースタンド製造工程






リコーダースタンド製造工程の写真も載せてせておきます。

リコーダースタンド


演奏中などに持ち替えが必要になることがあるので、何本かは常にスタンバイさせておく必要がある
小型で持ち運びが容易なことと、ガタ無くしっかり立てられる、かつある程度高級感が必要である

本体は、ケヤキ、サクラなど硬くて重量のある材料を T 字方に組み立て
ポールは楽器へのダメージを避けるため、少し柔らかいヒノキを使用し、径と長さは楽器の大きさに合わせ
数種類用意し、テーパーをつけて本体の穴に差し込む。 全体をオイルフィニシュとした。

演奏中のすばやい持ち替えも可能で、便利に使用している。

8/23/2009

中南米におけるルネッサンスリコーダーの痕跡



ケーナなどの南米の楽器を調べるつもりで下記の本を読んでいたところ
リコーダーに関すると思われる著述があったので紹介する

「ラテンアメリカ楽器紀行」 山本紀夫

ラテンアメリカ音楽の多様性について従来からあった高度な文明の音楽に、15世紀後半から持ち込まれたイエズス会によるヨーロッパの宗教音楽、
またその後アフリカから持ち込まれた黒人奴隷による音楽、さらにアジア各地から入植した開拓者たちの音楽、
このような多様な源流がありその結果として現在の中南米音楽があると説く。 写真も美しく、楽しめる本である。

特にイエズス会によるヨーロッパ音楽の持ち込みは、日本でもイエズス会のフランシスコ・ザビエルなどによるキリスト教の
持ち込みと同時進行だったらしく。日本側がその後途絶えてしまったのは残念な気がする。楽器などいろいろ日本にも持ち込まれていたのではないか。

本書を読んでいるうちに、気になる部分を発見したので引用する。 以下引用 38Pより

・・・キリスト教の宣教師達は先住民を改宗させるためにヨーロッパ音楽を熱心に教えた。この点について、たとえばメキシコでキリスト教の
布教をしていたフランシスコ会のスペイン神父モトリーニヤは16世紀半ばごろ次のように書き記している。
「私たち修道士は原住民に歌を歌うことを教えた。(中略)今日では少年の中には聖歌隊の指揮が出来る者がいくらでもいる。(中略)
原住民はオルガン(パイプオルガン)の変わりに沢山のフルートを使って音楽を奏でる。彼らのフルートの協奏はハーモニーが見事なうえに
フルートの数が多いので、本当のオルガン演奏かと思えるほどである。こうしたオルガン曲を教えたのはスペインから来た幾人かの音楽士であった。・・・引用終わり

この部分を読んでいて、リコーダーのことだとではないかと疑いを持った。著者の山本氏は文化人類学方面ではトップクラスと聞いているが
氏もあとがきで「私は音楽の専門化ではない・・」と述べておられるように幅広い見識で楽しませてくれるが、音楽には今一歩踏み込みが不足しているように思われる。
引用部分を読めばリコーダー演奏家ならすぐにピンと感じるのではないだろうか。
フルートとはリコーダーのこと意味し、横笛をフルートトラベルソなどと別に呼んだ時代があったなどと思いながら、
添えられていた絵図を再度眺めてみると オヨヨ 全員リコーダーらしい楽器を構えているではないの。

絵図の説明は「キリストの教会音楽サルヴェ・レジナを歌うアンデスの先住民たち。図はGuaman Poma:1980(1613)となっているが
中央の人物が持っているのはルネッサンスタイプのアルトリコーダーのようだ、右側の二人もそれぞれテナーとバスのリコーダーに見える
ラビユームの部分もしっかり描かれていてリコーダーであることをしっかり主張しているようだ。奥の人物二人もリコーダーを演奏しているように見える。

中南米におけるルネサンスリコーダーの痕跡2
中南米におけるルネサンスリコーダーの痕跡3
中南米におけるルネサンスリコーダーの痕跡4