1/21/2013

「羊は安らかに草を食む」の録音


録音をSoundEngine Freeで編集

録音のCDRが届いた。
先日の演奏会「羊は安らかに・・・」の録音だ、今回は自分たちの録音ではなく、会場のスタッフが、吊りマイクを使用した録音だ。
2つのトラックに分かれていて、前半は多分ピアノ演奏がすべて収められているのだろう。後半のトラックは「羊はは・・・」の部分だけ切り離した録音だった。後半部分を早速聴いてみた。録音の音量レベルがかなり低いのでVRを最大にしなければ適音が得られない。しかし聴いてみると音質はかなり良く、やせた音ではないので、少し嬉しくなってしまう。

音合わせの時の録音や当日動画撮影と同時に録音された音はずいぶん貧相な音だったので、心配していたのだが、かなり安心した。音が良いと演奏そのものが少しまずくても何回も聴いてしまうし、演奏のまずさも「次はもっと良くなるさ」 と寛大な気持ちで許せてしまう。

高価なマイクロホンと吊りマイク方式による最適な録音位置、良質な録音機材、そしてそれらを使いこなす技術力、やはりさすがと言うべきだ。

録音レベルが低いのは、リハなしの一発勝負録音のため安全を見て低めの音量レベル設定にしたこと、そして編集なしの状態で渡された為と思う。
録音データは波形編集ソフトで音量を上げ不要部分をカットした。(注1)

録音を聴いてみると、ヴォーカルのソプラノは歌詞のフレーズに合わせて細部まで丁寧に歌っているのがわかるが、リコーダーはちょっと身勝手、高音で出しにくい音や指のまわりきれないとこは、自分の都合を優先している。もっと流れるように演奏しなくては、特に最高音に駆け上がる部分は 、ぶつけるように演奏している、もっと落ち着いて演奏すべきだ。その他2ndアルトリコーダーとの連携やバスリコーダーの音量等、まだ修正すべき点は多いが、演奏技術の問題もあり、ある程度は妥協しなければならない。
あと最大の問題は今回モダンピッチで演奏したこと、そのため全体が甲高く響いてしまった。バロックピッチで演奏したら、もう少し落ち着いた雰囲気になったのではないだろうか 。楽器を揃える問題もあるが、機会があったらぜひ挑戦してみたい。 

(注1)
後半の「羊・・・」のトラックをPCに取り込み、波形編集ソフトで加工する。
今回はMac.を使用せず、Windows のフリーソフト"SoundEngine Free"を使用した。あまり細かくは設定できないが、その分煩雑さが無くなり、簡単に使うには便利だと思う。

紹介のアナウンスと演奏前後の拍手はそのまま削除せずにのこした。音質には手をつけず、音量のみCDRで表現できる幅いっぱいまで持ち上げることにした。

このような場合「ノーマライズ処理」が便利で、演奏時の最大値を自動で見つけ出し、そのポイントが限界を越えないよう演奏全体に下駄を履かせて音量をアップする。その際注意することは、拍手の部分で、演奏の音量より拍手の音量の方が大きいのが通常であるから、最大音量のポイントが、拍手によって決められてしまう。
通常は拍手の部分を取り除いてからノーマライズ処理を行うのだが、今回の場合拍手もCDに残す編集なのであらかじめ拍手の部分だけ10dBほど下げておいてから、全体のノーマライズ処理を行った。

写真は、編集が終わった状態を示す。
ステレオなのでL/R 2っの信号、時間軸は左から右へ、波形がアナウンス、拍手、演奏、拍手の順番に並んでいるのが解ると思う 
(アナウンス、拍手、演奏などの文字は説明のため追加)

1/12/2013

クリスマス会終わった

いなぎ二胡サークルの演奏

休憩にはケーキと紅茶

年を越してしまったが、クリスマス会のことを書いておきます。
12月23日 平尾賃貸自治会室
今回の演奏は3グループ
・いなぎ二胡サークル
・ひらおオカリナサークル
・平尾リコーダークラブ

今回で14回目となるそうで、平尾リコーダークラブ創立以来毎年行っているので、よく続いたと思う。この地区の定着した行事の一つとして認知されてきたのかも しれない。
今回は 、いなぎ二胡サークルの方にも加わってもらい、リコーダーやオカリナとはまた別な音色が楽しめた。

お客さんも予想を超えて50名参加とのことで、途中でテーブルを移動し椅子を追加した。ケーキ代の収支が29円の黒字だったそうで、いつも持ち出しだったのに、これはすごい。

演奏グループが 三つもあるとそれぞれの特徴の違いがわかる。 
二胡サークルはクリスマスツリーや電球を持ってきて飾り付け、CDの音楽を鳴らし、ノリが違う。
演奏は中国の曲を中心にクリスマスソングなど数曲を加えた演奏、独特の音色や節回しがなぜか日本人の心にも響く
珍しい楽器を身近に見る事が出来て面白かったとの声もあった。

オカリナの方達は、自分たちで作った飾りを使い、会場の配置などにもこだわりを持ち、多くの人たちに演奏会を宣伝し、そのつながりを大切にしている。人数も少し増えて演奏の内容もさらにアップしたように思われる。「一緒に歌いましょう」と観客の歌に合わせても、負けないだけの音量がある。定番のクリスマスソングに加えて宗次郎の曲なども演奏した。

それに比べてHRCは演奏中心でお客さんは二の次とは言わないが、それに近い状態であることが、何と無く浮き彫りになり、今後の活動への参考にしなければならないと少し反省させられた。

私たちは最後のグループとして演奏に臨み、かなり良いレベルで演奏にできたと思うし、お客さんの反応にも手応えを感じた。曲目はクリスマスの定番がほとんどだったのだが、変化をつけて演奏したのが良かったと思う。
暗譜で自由に演奏したり、、ジングルベルなどは後半猛烈に追い上げ、聖夜はストリートオルガン風に演奏し、今こそ別れはソロと合奏を交互に演奏、そんな中に「羊は安らかに・・・」とかクラリネット演奏が混じり、お客さんの反応も軽いどよめきが上がったり、大きな拍手だったり、曲によって異なっていたように感じた。
これはお客さんの心を自分たちの土俵に引きつけて、勝負出来たと言えるのではないだろうか。一方的な演奏と形式的な拍手ではなく、わずかかも知れないが演奏を通じてお客さんと心を通わせることが実現したと思いたい。

最後は毎回演奏しているクリスマスメドレーで多いに盛り上がって終了。最後の拍手も結構大きかったようだ。
クリスマスの曲は年一回しか演奏しないけれども、14回目ともなれば、慣れて来たということもあるでしょう。
それと恒例のケーキと紅茶も美味しく頂きました。

1/03/2013

「羊は安らかに草を食む」の演奏終了


主催者提供写真

「羊は安らかに草を食む」の演奏終わりました 。

プロのソプラノ歌手といっしょに演奏できるなんて実に得難い経験だった。歌手は宮下咲恵さん。  会場はパルテノン多摩の小ホール、ピアノ教室の発表会に賛助出演という形でした。ピアノを演奏する方達にとってリコーダーの演奏は珍しかったと思う。

編成は、ヴォーカルのソプラノ、アルトリコーダー2本と通奏低音としてバスリコーダー2本そして電子ピアノでチェンバロの音を加えた。 

 会場入りしたらすぐに音のバランスチェック
それぞれ のパートの配置を確認し、電子チェンバロの音量を調整する。いつも演奏している視聴覚室の様な狭い部屋だと自分の音も周りの音も混ざり合って聞えるのだけれども、小ホールとはいえこのぐらいの広さになると、残響は十分に感じられるけれども、周りの音と混濁することはなく、かつ自分の音が一番大きく聞こえることになる。
会場の都合により中央にピアノが置いてあるため、観客に対して横一列に近い形に並ぶしかなく、右端のチェンバロから 左端のリコーダーの音が聴きづらいとのこと、 演奏位置は変えられないので、ソプラノに合わせてもらうことにする。

 宮下さんが本番開始の少し前、ドレスに着替えて現れた、黒を基調とした裾の長いドレスだ、これは着替えることはわかっていても軽い衝撃を受ける。ご本人にとっては日常の生活から、舞台での演奏という異次元の世界へ 飛び込む切り替えの意味があるだろうし、周りのスタッフたちもその気にさせてしまう 。我々リコーダーもそれに合わせるべく、男性陣は白のワイシャツに蝶ネクタイ、(但し100均店で入手)

本番では私の演奏位置は一番左側だったので演奏者が全員見渡せる。一寸左側に目を移せば、観客の反応もわかる。少し前方の頭上には録音用の吊りマイクがある。そんな状態で演奏している自分が信じられない、夢を見ているような感じであった。途中2か所ほどハイトーンの箇所で音をミスしたが、比較的冷静に演奏出来たと思うし、観客の反応も好意的だったように思われた。
演奏は途中ダ・カーポしてソプラノが前半部分を繰り返し、リコーダーがさらに数小節のフレーズを演奏して終了。
曲全体でも7分弱の演奏は終わってみれば短かったけれども多くの思いも込められていたはず。

このような機会を作ってくださり、未熟な演奏に付きあって頂いた宮下さん、ありがとうございます。

全体の音のバランスなどは観客席でないとわからないが、そこそこ上手くいったいたのではないかと思う。
録音CDを受け取った感想は別項で書くつもり、録音を聴けばまた違った面も見えてくるかもしれない。

12/16/2012

たまの音楽家演奏会


かなり遅くなってしまったが、たま音演奏会 のことを書いてみたい。

古楽器アンサンブル たまの音楽家10周年 
The 3rd Regular Concert 2012.11.18  SDA立川キリスト教会

 
今年で10周年ということだが、大変なことだ、結成の時から、特別なグループとして、異彩を放ち続けていると思う。
もともと音楽好きという点では人後に落ちない人達だと思うし、チェンバロやリコーダーを自作したりする人達など滅多に居るものではない。
今回だって 、ショームバンドの演奏や、バグパイプ、バロックギター、ヴィオラ・ダ・ガンバ、サズ、コルネット、バロックオーボエ、チェンバロ、パイプオルガンの演奏まで、こんな団体はどこにもないだろう。

プロも顔負けというよりアマチュアであることを逆手にとって、大胆に音楽を楽しんでいるように思われる。
今回のプログラムではヨーロッパ中世と中東の怪しい関係が浮かび上がってきたように感じた。ベートーヴェンやモーツァルト時代トルコの音楽が大きな刺激をもたらしたことは「トルコ行進曲」などでわかるのだが、それ以前の中世でも 、いろいろの交流があったのだろう。

バロックアンサンブルやリコーダーの現代曲では本来の実力で充実した演奏が聴けたし、日本の曲はちょっと洒落たアレンジだった。
ただ珍しい楽器の印象が強烈な為、演奏会全体のイメージが散漫に感じられたのは私だけでは無いだろう。「演奏会全体のまとまり」という面では、前回の方が勝っていたように思う。
しかし彼らはそんなことには、あまりこだわっていないと思われる。プログラムの挨拶の中に「次の機会には、今日と違う姿が見られるかもしれません」と宣言してあった。

11/23/2012

大騒音の中でのリコーダー演奏

騒音にめげず演奏するHRC 主催者提供写真



 児童館の子供祭りで演奏してくれないかとの依頼があった。
子供祭りでの は初めてだったが、HRCの演奏を聴いたことのある指導員の方が、 推薦してくれたとのことだった。

その日はスケジュールが混んでいて 、午後はリコオケの練習、翌日は昼下がりコンサートなのだ。しかしせっかくの依頼だから受ける事にした。曲も子供向けを選びディズニーの「小さな世界」、スタジオジブリの3曲、ラッパ吹の休日」等を揃えた。

会場はプレイルームとのことで、体育館を一回り小さくしたような場所である。会場に着くとすでに子供たちがいっぱいで大騒音、演奏舞台が設えてあるわけではなく、ここで演奏してくださいとのこと、 入口近くの場所に、子供たちを押しのけて、椅子と譜面台をなんとか並べた。 場内放送でリコーダーの演奏を始めますとか言っているが、静かにしてくれ等は言わないし 、大体放送自体も良くききとれないのだ 。フロアのあちこちでやっているゲームは止める様子もない。

「これで演奏しろって?」  お互いに顔を見合わせたが、今更引き上げるわけにもいかない、もうやるしかない、腹を決めて演奏に突入、「小さな世界」の出だしのファンファーレから開始、楽器紹介や曲の解説等省略してどんどん順番に演奏を続けた。途中拍手が切れ切れに聞こえたりしたから聞いている子供もいるのだ、しかし演奏中の我々の椅子と壁の間を強引に通り抜けるヤツもいる。これだけの騒音の中で、平然と演奏を続ける我々もすごいと思った。多分人前で演奏することに慣れて度胸が付き、多少のことでアタフタしないという天晴れなプロ根性(演奏技術は別だが)なのだ。全部演奏し終わると 、さっきよりちょっとだけ大きな拍手があり、女の子たちが、袋に入ったポップコーンをお土産に持たせてくれた。主催者側の指導員の方も来て、恐縮しながら「うるさくて申し訳ありません、でも 端の方でも音は聞こえましたよ」だって。   

これだけの騒音の中でも演奏できたのだから、駅頭での演奏だって問題ないはず。妙な自信がついてしまった。(=^・^=)

子供達にリコーダーの音楽を聴いてもらうという当初の目論みは崩れてしまったけれども、興味を示してくれた子供はいたようで、いつかは子供達の前で演奏して見たいと思う 。


以前小学生の前で演奏したいと考えて、地元の小学校の音楽の先生に 連絡をとったことがある。その先生は「いいですね」とは言ってくれたのだが 、話は進展しないまま 、立ち消えになってしまった。先生は正規の担任ではなく、何校かの音楽をかけ持ちで持っている先生だったのだ。多分校内での発言力はほとんどなかったのではないだろうか。

その後校長先生と連絡が取れたので、今度は期待したのだが、教育委員会の許可がいるとか、他の教師への気兼ねとかで、結局ウヤムヤになってしまった。 現場の先生たちに全く裁量権がなく、教育委員会にお伺いばかりで、事なかれ主義、が横行しているようだ。昔は個性的な先生が沢山いたが、今はそんなことを期待すること自体が無理なんだろうなぁ。

さらに昨日テレビでは「派遣教師」の問題を取り上げていた。身分は派遣会社の社員だそうだ。
派遣教師に教えてもらう生徒も可哀想だが、教師になることを目指して学んできた若者をそんな不安定な身分に処遇する今の日本も情けない。 

11/03/2012

第26回リザーブコンサートの出演団体と演奏順番


第26回リザーブコンサートの出演団体と演奏順番です
今回の幹事団体「アンサンブルO」さん宜しくお願いします。
       
      日   時 : 2012年11月11日(日)  12時00分開演(11時30分開場)
      会   場 : SDA立川キリスト教会
      出演団体 : 18団体

      開始予定時刻
      12:00 アンサンブルO
      12:12 リコーダーアンサンブル☆Gクレフ
      12:24 ハミングバーズ・リコーダーコンソート
      12:36 武蔵野リコーダーコンソート
      12:48 すずしろリコーダークラブ
      13:00 La-R
       ----休憩10分----
      13:22 イル・ヴェント・カルド スペチアーレ
      13:34 Harmonious Aqua
      13:46 パフ
      13:58 ねころびと
      14:10 舞ーザ里座
      14:22 Spica
       ----休憩10分----
      14:44 たまの音楽家
      14:56 リコーダーコンソート カノン
      15:08 パランポラン
      15:20 Ricco Suono
      15:32 リコーダーコンソート青葉
      15:44 スプリング・ウインド

 なおこの予定は現在の情報にもとずいているため、変更される可能性もあります。

10/30/2012

PAアンプ購入

アンプ、スピーカーミキサーをセットした状態


A ステレオミニプラグ-RCA、B TRS-XLR、C 両端スピコン端子

 リコーダーの練習をする時小型のアンプとスピーカーがあると便利だ。演奏会の録音をみんなで聴いたり、バスリコーダーの音を拡声したり、いろいろと便利なことがあるのだ。小型のステレオアンプを多少改造したりして使用して来た。最近はiPod /iPhoneのアプリで、打楽器とか、トランペットとかいろいろな楽器として使用できる。  
例えば 
バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」をリコーダーで演奏し、上声部をiPodのトランペットの音でかぶせたら面白いと思う、リコーダーだけの合奏では、このような音は、目立たず埋れてしまいがちだが、トランペットのような違った音を使うことにより双方の音を分離して聞き取ることが可能となる。近いうちに実験して見たい。   

ただ家庭用の小型ステレオアンプは、電源トランスや放熱器などの部品の為重量が有り、その割にはパワーが不足する。また室内に設置して固定して使う事を前提としている為、ツマミやパネルの角が鋭かったり 接続ケーブルが抜けやすかったりする。だったらPA用のアンプを導入すれば、問題は解決する。    

最近のPA用アンプはパワー部分もデジタル化され、電源部もそれに見合ったスイッチング電源だからかなり軽量になる。 
一番低価格のデジタルアンプは多分これ・・・・サウンドハウス CLASSIC PRO DCP400

カタログによると、100W 2チャンネル出力で2万円を切る値段だ。幸い部費も貯まっているので、購入することにした。この際問題になるのは接続ケーブルだろう。スピーカーとアンプの接続は両端スピコン付ケーブル、ミキサーアウトからアンプはTRSフオーンプラグとXLRメスコネクタ が必要になると。
スピコン付のケーブルは極性を間違うことなくしっかり取り付けられる。TRS---XLRケーブルは、バランス伝送なので、外部のノイズの影響を受けることがない。   
このようなケーブルは、家庭用アンプのRCAピンケーブルなどに比べてちょっと大げさな感じだが、安定感が違う、ピンケーブルはバランス伝送でないので、線長が長くなるとノイズを拾いやすく差し込む時アース側より先にホット側が接触するので、ちょっとヤバイ。またロック機構がない為抜けてしまう事がある。スピーカーケーブルにしてもスピコン付ケーブルだと極性を間違えて接続する事はあり得ない。
最後にもう一本大切なケーブルがある。iPodなど とミキサーをつなぐケーブルだ。 iPodやデジタル録音機R-05などの出力はイヤホンジャック  から取る事になるからステレオのミニプラグ、もう一方の側は、RCAピンプラグもしくはTRフォンプラグ 2個。既製品も市販されているが、品質とか長さとか不満が残るので、納得できる部品で自作すると良いと思う。ただバランス伝送では無いからあまり長くは出来ない。  

写真はいつもの練習場(文化センター)にセットした状態。
練習の合間に過去演奏した曲を聴いて見る。 
iPod---ミキサー------アンプ----スピーカー。パワーに余裕がある為か思ったよりいい音に聞こえる。過去演奏した曲が何曲もリクエストされた。音源がiPod なのでCDに比べればかなり容量を落としているわけだし、アンプにしても高域や低域をカットしているのだから総合的な音質はかなり悪いわけだが、不安定要素の部分は潔くすっぱり切り捨て、必要な音だけを十分なパワーで鳴らし切る  、これが好結果をもたらしているのだろう。

PAの世界ではデジタルアンプは当然の流れだが、ピュアオーディオの世界でも数年まえからB & O社デジタルパワーアンプのモジュールが供給され、ハイエンドメーカーでも採用された話を聞いていたので、デジタル化はさらに進んでいると思いS.S.誌を覗いてみたらA級、巨大トランス、巨大電解、・・・と相変わらずの大艦巨砲主義でさらに超高級なピンケーブルとかスピーカーケーブル、  ACコード、など目白押し、まあ趣味の世界だから、なにをやろうと自由だが、音楽を聞くだけでは無く自ら演奏する人間にとっては無縁の世界に思われる。

10/26/2012

コーヒーカンタータその2

カフェ バウムの外観、左下は明かり取りの天窓
中央にコーヒーカンタータの楽譜



コーヒーカンタータはコーヒーハウスで初演されたと言われている。このブログの読者であるDonneidecker氏からライプツィヒのコーヒーミュージアム  「カフェ  バウム」のパンフレットが送られて来た 。このコーヒー店はドイツで最も古い店舗と言う事だ。建物は保存され今でも営業しているらしい、また上の階ではコーヒー博物館になっていて、コーヒーの歴史が展示されている。     

パンフレットにはバッハのコーヒーカンタータの出だし部分の楽譜や建物の間取り図なども添えられている。コーヒーカンタータが初演されたのは残念ながらこの店ではないのだが、間取り図が気になった。 日本の喫茶店のような広いフロアでは無く、いくつかの部屋に区分けされている。わたしは一瞬日本のカラオケボックスを思い出してしまったのだが、グループで貸し切ってコーヒーを飲みながら談笑出来るようになっていると思われる。従って単にコーヒーを飲むだけでは無く、貸し出しサロンのような役割もあり、それが時代の要求に合っていたのだろう。 シューマン、リスト、ワーグナー、シラーなども常連客だったと記録されているから、当時文字どおり市民権を得た市民達がコーヒーを飲みながら、芸術や政治の議論を交わしていたのだろう。  
   

バッハのコーヒーカンタータに話を戻すが、父親が、娘にコーヒーを飲む事をやめさせようと説教し、娘はコーヒーを飲むのはやめられないと主張する。  
 父親はあの手この手でコーヒーをやめさせようとするが、やめなければならない理由は一切言っていない。また娘の方もコーヒーがやめられない理由はコーヒーが美味しいからやめたくないの一点張り、

 表向きはコーヒーを飲む事の是非だが、実はサロンに出入りする事を心配する父親とそれに反発する娘と考えると、納得出来るのでは無いだろうか。

 当時ロンドンのコーヒーハウスは女人禁制だったそうだ。コーヒーハウスに女性が出入りすることは、頑固で保守的な男たちからみると眉をひそめることだったのだろう。だからここライプツィヒでもコーヒーハウスに出入りするのは先駆的な少数の女性だけだったらしい。しかし作詞者のピカンダーもバッハも明らかに女性の肩を持っている。頑固親父はコケにされ、 娘は高らかにコーヒーを賛美し、結局は娘の作戦勝ち、最後は娘、父親、解説者全員揃ってコーヒー讃歌、  

 「ネコがネズミを見逃さないのと同様女性はコーヒーを離さないでしょう」  
手放しのコーヒー讃歌だが、スポンサーがコーヒーハウスであることも考慮しなければならないだろう。