3/09/2016

リコーダーのブロック抜きーその2



最初にアルトリコーダーのブロックを抜いたのだが、結果がよかったため他のリコーダーにも次々と手を下してしまった。

オーボエ奏者はいつもリードの話ばかりしているなどと聞いたことがある。ひとくくりには出来ないが、常に音色のことを考えているのだろう。オーケストラが始まる直前にオーボエがA音をだすが、音程よりもコンサートマスターを納得させる音色が大切と言った奏者がいた。それ程音色には神経を尖らせ常に最良のリードを用意しているのだ。クラリネットやサキソホーンなどのリードを使用する楽器も同様だろう。それに比べてリコーダー奏者達の無頓着ぶり、確かにリードは使わなくても音は出るが、その分 より精密な内部構造なのだ。
構造が複雑微妙なので定期的にブロックを抜いて清掃するのはおすすめできないが、常に構造の複雑さを認識し問題があったらウインドウエイをクリーニングし場合によってはメーカーに修理依頼することは大切なことだ。

<写真説明>
ブロックを抜いた状態の頭部管(アルト) 「左」
抜いたブロック 

ブロック抜きのあて木 2種
      あて木小(10φ 130mm  )  ソプラノ用   「上」
      あて木大  (15φ 260mm   )アルト、テナー共用  「中」
ブロック打ち込み用のあて木  「右上」
        (30φ 50mm    ) 共用
小型の木槌、         「下」
金槌は避けたい、木槌も小型のもの、あて木はブロックにダメージを与えないため、柏材のような硬い木材は避ける。

ブロックが水分を含んでいると膨張して事故の可能性があるので丸一日は乾燥させた方が良いだろう。頭部管の下側から丸棒を差し込み、ブロックに触れた状態で木槌で丸棒を軽く叩く。
少しづつブロックがせり出して来るのでそのまま続けてブロックを取り出す。

ブロックはシーダーと呼ばれる針葉樹の材料で。木工と言うより金属加工のような精度で削り出されている。これが管材(ローズウッドなどの広葉樹)などにぴったりはまり込み、一部はウインドウエイを形成する。
ウインドウエイの部分を素早くぬるま湯あるいは水で洗って清掃する。タオルなどで拭き取り自然乾燥する。

ブロックの位置を合わせて慎重に手で押し込む。これで定位置まで収まった楽器もあったが、通常は1/3ぐらいで止まるので再度位置を確認して問題なければブロックに30φほどの「あて木」を当てて木槌でコンコンコンと軽く叩くとピタリ定位置に収まるはずだ。ブロックとあて木の間に布切れ一枚挟んでも良いかもしれない。   ・・皆様の幸運を祈ります・・

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