ゲストの芸大生による演奏 |
細岡ゆき門下生発表会 2012年8月11日 近江楽堂
前回の開催が2010だったから2年ぶり、
プロのチェンバロとガンバを後ろに従えて一人でソナタを演奏会する機会などほとんどないのだから、このような機会はのがしてはならないと思う。
プログラムを見るとソロで挑戦する人がもう少しいても良かったと思う、時期が夏休み最盛期と重なっていたため、参加をあきらめた人もいたのではないかと想像する。参加者はそれぞれレベルや課題が異なるにしても、努力して乗り越えた達成感は他では得られないほど大きいのだから。
プロ奏者との共演など尻込みしてしまう方もいると思うが、たとえ下手な演奏でもしっかり寄り添って盛りたててくれる、決して突き放したりはしない。
私はバルサンティのソナタ1番を選んだ。楽譜はペトルッチ楽譜ライブラリーからダウンロードした。また参考のためリコーダーJPの伴奏CDブックも駅前の楽器店経由で取り寄せた。6月ぐらいから練習を始めたが、途中ケーナの演奏などがあったため中断したりして、最終のチェンバロ、ガンバとの音合わせは本番4日前だけとなってしまった。本当は2回音合わせの日があったのだが、時間の都合がつかなかったのだ。この辺は日中勤めを持っている人間にはつらいところである。
そこそこ仕上げたつもりで「音合わせ」に臨んだのだが、チェンバロやガンバの音が鳴り響くと緊張してしまう。とりあえず何とか演奏をしてみる。
「一音一音を出すことに集中しすぎて、全体の流れが解っていない。少し大きなフレーズの中で自由に流れをとらえるべき。」なるほど! ここは泣きの部分だからスラーでしっかり。ここの上昇部分は巻き上げる。ここはチェンバロが休みなのだから自分でテンポを決めて変化を楽しむ。など 、、、これだけ指摘されると「こんな感じの曲かな」などと思っていたイメージが大きく変わり、何とチャーミングな曲なんだと思ってしまう。でもそれを表現できることは別次元、 いろいろな指摘されたけれども、本番まではあと4日。
帰る途中で、武蔵小杉のスタジオアイシャに寄った。ここは小さな防音室がいくつかか設置されていて、楽器の個人練習に便利なのだ。1時間ほど「おさらい」をした。あと一回は地元の文化センターで夜HRCの練習に確保してあった部屋を一人で使用させてもらった。
後はバタバタと当日になってしまい、自分の演奏になった、多少は緊張しつつも以前のようにメチャメチャに上がることなく演奏を終える事が出来た。演奏中は目の前の楽譜に集中しているだけでなく、練習中の事や観客のことをフッと考えたりする、その時指や体は自動演奏していることになる。
私にとってもう一つの事件、それは息子夫婦が孫を二人連れて来てくれたこと、息子が演奏時間を確認してきたので、適当に答えておいたのだが、途中演奏の切れ間に孫を連れてドドと入って来た時は我が目を疑ってしまった。もちろんその分演奏に気合いが入ったことは言うまでもない。
最後に「おじいちゃんへ」とカードが添えられた小さな花束をもらった。花束などもらう機会など今まで全くなかったから感激してしまった。
後で孫に演奏の感想を聞いたところ「大体良かったけれども一か所おかしいところがあった」とのこと。確かにその通り、恐るべし。
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