2/03/2017

iPadを楽器に


打楽器用機材の結線

北爪やよひさん編曲の民謡に「一匁の一助さん」がある。S,A,Tと打楽器の組み合わせで軽快な曲だが、11月地域の文化センター演奏会で演奏した。打楽器パートが私に割り当てられていた。
私としては電子打楽器を利用するとの目論みはあったのだが、演奏日までの時間的余裕が少なくアプリや機材などに不足もあったので、wood blockなどを借りて演奏した、複雑なリズムを要求される編曲で、焦って演奏していると膝の上に置いた楽器が滑って移動してしまう。焦りまくってモタつく様子が受けたらしく、拍手をもらったが、名誉なことでは無い。
今回リベンジの機会が訪れた。 
1月末の「昼下がりのコンサート」でもこの曲を演奏する事になったのだ。パートは同じ打楽器。今度は電子打楽器でやった。
機材
iPad mini  、KORG nanoPAD2、
USB HUB(電源供給タイプ) Lightning-USBカメラアダプタ、USBケーブル
アプリは
KORG Gadget-London (PCM Drum Module)
を使用した。

アンプ、スピーカーはMACKIE SRM150 アクティブPAシステム

iPadの液晶を叩いてもアプリは動作するが、小さく叩きずらいし、場所が狂うと画面が変わってしまったり、muteがかかってしまったりするので、nanoPAD2を導入した。
結果は とりあえず条件付きでなんとか打楽器デビューできたかな?
しかしこれだけ打楽器が活躍する曲では便利な電子打楽器を導入すればそれでOKというわけではなく当然打楽器のスキルが要求されるのは言うまでもなく、楽器としてのアピールは出来たものの演奏はかなりガタガタだったと思う。
KORG Gadget-London の画面

また
クラリネットの「りんご追分」にシンバルをワイヤーで叩く「シャ・シャ・シャ」のような音をのせてみたがタイミングもそれほど難しくなく悪くはないと思った。
自在にテンポが変化するこの演奏においてマラカスの上下運動で追従しようとすると結構難しそう。とりあえず指先だけの動きの方が簡単だ。しかしリズムの安定性という観点から見ると、マラカスやスティックを振ったりする事は、一種の振り子運動とも考えることが出来、安定感にかなり寄与しているとも思われる。いずれにせよもう少し習熟した後でなければ、結論は出せないだろう。

打楽器としての性能はnanoPAD2のパッドが硬いスポンジのようでわずかなディレイ感を伴うが、慣れてしまえば何とか克服出来そうな気がする。それに音色の種類は無限に近いし、音の強弱も自由なので、これまでの打楽器の代用に止まらず、さらに広いリズムの世界を切り開く可能性を秘めているような気がする。(例えばバッハの曲に使ってみるとか)

同じアプリKORG GadgetでTokyoという打楽器のシンセサイザーもあるし、他のシンセサイザー 例えばMarseilleでは"PIPE ORGAN" や"GLOCKNSPIEL" があるからnanoPAD2を鍵盤式キーボードに交換すればパイプオルガンや鉄琴の演奏が出来るわけで、リコーダー合奏に気軽に色々な音色を持ち込むことが可能となる。他のアプリ例えばGarageBand でも同様に使用でき、弦楽器なども鍵盤キーボードで操作出来る。

・・バッハのコラールの演奏にパイプオルガンの音を加えることが出来たら楽しいと思いませんか・・・

iPad が簡単に楽器に変身してしまうところが魅力だ。キーボードやパッドとiPadをつないでいる要が「Lightning-USBカメラアダプタ」で、これは本来カメラとiPadをつなぐためのパーツなのだが、裏技としてキーボードなどをつないで使用することが出来た訳で、Appleが動作保証しているわけではない。その後「LightningーUSB3 カメラアダプタ」が発売され Appleの保証もあり、使用しながらの電源供給も可能らしい。KORGでもより高機能のplugKEYを発売予定(訂正、すでに発売済み)としているので、かなり期待をしている。

例えば出力もiPadのヘッドホーンジャックから3.5mmステレオプラグでひきださなければならないが、これはかなりの制約だ。plugKEYでは2個の標準 6.3 mmのプラグが使われている。これがあれば特別扱いされなくともPAの世界に入れるパスポートだ。
Erody、電気ギター、コンデンサーマイク、などと対等に勝負できるのだ。

plugKEYを入手しテストして実際の演奏に使用してみたいと思う。

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