ムーンライト セレナーデの演奏 照明を落とし楽譜にはLEDライト、背景には、月のイラスト。
第8回 演奏会
2012.1.28(土)フィリアホール
このホールは天井が高く残響もありリコーダー向きの良いホールと思う。ただ座席数が500なので我がHRCには大きすぎるが、座席はほぼ満席状態だった、緻密で楽しめる演奏会を積み上げて来た結果だろう。
プログラムや曲目の説明も手を抜くことなくしっかり作り込んであるし、会場の運営スタッフだってビシリと決まっているのだ。
最初に演奏された「5声のブラウニング”木々の葉は青く”」はこの団体のテーマ曲として毎回演奏しているのだが、今回は我がHRCでも取り組んで四苦八苦している曲なので、細部まで良く聞きとることができた。曲も名曲だが演奏も素晴らしい。特にバスの動きがはっきり伝わって来たのは新しい発見だった。
今回はリコーダーの現代曲を意識的に取り上げている。その分親しみやすさに欠ける部分があるかもしれないが、それを十分に楽しめるレベルに仕上げている。
プログラム最後のムーンライト セレナーデは舞台の照明を落とし、背後の壁に月のイラストを投射させる演出は良いアイデアだし演奏もこの曲の雰囲気を良く出していたと思う。
アンコールで演奏された「ふるさと」後藤丹編曲は一昨年のリザーブコンサートで私達HRCが演奏した曲だ、演奏後、渡辺清美さんが私達の席まで来られて、編曲と演奏を褒めて下さり「いつか演奏してみたい」とのことだったので楽譜を送ってさしあげた事があった。それがこのような形で見事に結実したのは嬉しい事だったし、演奏を録音して編曲者に送ったところ、さらに低音部を補強したリコーダーオーケストラ向けのヴァージョンも作ってみたいなどと連絡してきたので、編曲者も感激したに違いない。
全ての曲が上質な仕上がり、演奏時の服装も 統一され良く考えられているのだが、ちょっと行儀が良すぎる気もする。少し破調な部分があるとさらに全体の仕上がりが際立つこともあると思うがいかがだろうか。 たとえば打楽器が おとなしすぎたのではないか。もちろんリコーダーとのバランス上それは十分に理解できるのだが、一部でも良いから暴れさせた方が楽しいのではないだろうか。
{追加}
打楽器の音量バランスの件に関して書き足したい。
打楽器が少し暴れた方が良いなどと書いたが、全体を通してみて打楽器は抑え気味でリコーダーとのバランスは常に良好であった。
これは指揮者が常にバランスをチェック出来る為だと思う、個々の奏者からでは全体のバランスは判りずらいはずだ。
私の経験によると普通のグループが打楽器を入れるとリコーダーの音量をはるかに超える レベルになることが多い、録音して波形編集ソフトで見ると、メロディラインの波形より2倍ぐらい突き出ていることがある。
リコーダー合奏における指揮者の役割
私達HRCもそうだが、通常の規模のグループでは指揮者は置かず、演奏者だけで曲を作り上げる。その場合、曲を最後まで破綻無く通すレベルまでは到達出来るが、それ以上の表現はなかなか難しい。各奏者から意見を上げてもらったとしても結局多数決の集合のような無難だけれどつまらない表現になってしまう。
また演奏している各パートからでは全体のバランスを聞き取る事は出来ない。
また演奏している各パートからでは全体のバランスを聞き取る事は出来ない。
特に今回演奏された「5声のブラウニング」の様な各パートが動き回る曲では指揮者の存在が重要であると思った。各パートに任せておくと全体がメリハリのないまま流れてしまう。どの部分でどのパートを前面に押し出すか、明確な意思を持った指揮によって立体感のある演奏が可能となるのだ。
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