2/08/2015

昼下がりコンサート(32回)

当日のプログラム

今回は準備期間が短かったので、あまり新曲は入っていない。
それでもお客さんはそこそこ来ていただいたし、充実した演奏ができたのではないか。もっともTさんのクラリネットに負う部分も多かったかもしれない。
モーツァルトの曲は最後の部分の音の跳躍が難しかった。エセックス卿のガリアルドは練習量がまだ不足だが、ソプラノリコーダーとリュートの二重奏、ソプラノリコーダーで演奏すると地声っぽくコントロールがきかないので当日になって急遽アルトに変更。それ程高音域にならず具合が良い。この曲はリコーダー合奏とリュートに編曲してフレンドシップコンサートに使用するつもり。

今回より新規の試みとして、話の時間を組み入れてみた。曲目の解説ではなく、リコーダーに関する面白いと思われる話題を話してみる。長くなったり理屈っぽくなってはいけない。今回は 「リコーダーの名前の由来」

本日はリコーダーの名前の由来について話してみます。・・・・
昔のことなので、いろいろな説があると思いますが、これが最有力な説と思われます。
「フルート」と言えば日本ではオーケストラで使用されている銀色の横笛です。これはベーム式フルートと呼ばれ、近代的な改良が加えられた楽器です。ところがヨーロッパで「フルート」と呼ぶともちろんベーム式の楽器も含みますが、笛類全体を指す名称のようで、日本語に正しく翻訳するときは「笛類」とするのが正しいように思います。もちろん国によって発音は少し異なりますから、フルート、フレーテ、フラウト etc   ですから竹製の尺八やケーナはバンブーフルートと呼ばれるはずです。

リコーダーの先祖たちもケーナと同じような発音機構でフルートと呼ばれ、ちょっと音の出しづらい楽器として存在していたのではないでしょうか。ところが気の利いた人はいつの時代にもいるようで、簡単に音が出せるよう改造した人がいたのです。上端を木のブロックで塞ぎ、息の通路を彫り込み、鳥のくちばしのような吹き口を付けたのです。誰でも簡単に音が出せるようになりました。ドイツではこの楽器をブロックフレーテと呼びました。フランスではフルート・ア・ベック(くちばしのフルート)と呼びました。

話はガラリと変わりますが、イギリスの話です。
昔 貴族の館などでは、小鳥を飼うのが流行っており、良い声で囀る小鳥は高価で取引されたと言われています。しかし良い声で囀らせるにはそのままではダメで、良い声で囀る小鳥の横に鳥かごを置いて、囀りの学習をさせる必要があるのだそうです。
でもこれは手間がかかり効率が悪い。現代ならテープレコーダーやICレコーダーで「録音」して音を聞かせれば良いと思うのですが、当時はそんなものはありません。ためしに小型の笛で囀りを真似てみたところこれが案外成功し、以後小型の笛が使用されるようになったとか。この笛をリコーダーと呼ぶようになりました。・・・・

すでにお気づきと思いますが、
 レコーダー(録音機)、リコーダー(笛)両者は日本語では一応区別されていますが英語ではどちらも"Recorder" で同じ言葉なのです。
つまりリコーダーは録音機として命名されたわけなのです。

・・・・話はここまで・・・・・

この件に関して思い出したことがある。
はるか昔(私が中学か高校時代)「ハムレット」を読んだとき「笛を吹くのは嘘をつくより簡単だ、息を吹き込みさえすれば音が出る」とあったのを思い出した。今回の話題と大いに関係ありそうなのでちょっと調べて見たら、シェイクスピアの原文でも"Recorders"となっているのを発見した。
これはかなり重大な発見だと思うので、もう少し調べて結果が出たら再度報告したいと思っている。

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