スザートの曲ではクルムホルン
中国の「ジャスミンの花」を吹けばひょうたんの民族楽器フルース
オスマントルコの行進曲を演奏すれば荒々しいショーム
アイルランド民謡ではバッグパイプ
白鳥の湖を切々と演奏すればオーボエ?
その実体は ・・・リコーダー改造「クルムホルンもどき」
私自身が本物の楽器の音色を知らない為こんな無責任な表現をしてしまうが、
比較的音色の変化の少ないリコーダー合奏の中で特異な音色であることだけは確かだ。
今回のFSCでもGegege no Kitaroh で使用したが、印象深かったのか、何人かの方から質問があった。
ほとんどの方はリード楽器と思ったらしいが、実際はリコーダーの管の一部に穴をあけ、そこに薄い膜を張ることにより通常のリコーダーの音にビビり音が加わり「リード楽器」のような音に変身する仕掛けになっている。
運指や吹き込み等もリコーダーと全く一緒なのでリコーダー奏者にとって持ち替えの苦労が全くない。
FSCの打ち上げ会でこの楽器を持参したところ多くの方が興味を示してくださり、中には「特許を取ったらどうだ」などの声もあった。
リコーダーの改造については「リコーダー改造クルムホルンもどき」で概略を書いたので”笛膜”について説明する。
中国で横笛を購入したのだが歌口と指孔の中間付近に孔が一個あった。教則本を調べたら「膜孔」とありここに膜を貼り音色に変化をつけるのだという。楽器屋で笛膜は購入できた。価格は3元(45円)接着はどうするのかと店員に聞いたが知らないとのこと。
調べてみると阿膠(アージャオ)と呼ばれる膠(にかわ)の一種で漢方薬らしい。路地の奥にある薬屋で聞いてみたら白衣を着た主人が対応してくれて、阿膠はあるが笛に使用することは知らないとのこと値段は少し高かったと思うが、封を切った使用済みの阿膠を安く購入できた。
笛膜は芦の繊維で作られ筒状の薄膜になっている。これを必要な長さに切り、さらに筒をハサミで切り開いて平面状にする。
笛の貼りつけ部分に水を一滴垂らし阿膠を数回こすりつけると少し水に溶けるので笛膜を乗せて貼りつける。
写真では紙で包装されている2種類の笛膜、中央の長い2本は取り出した状態、右側は切り取った残りと開いて平面状にした状態、右下の褐色の塊はアージャオ
今後の予定としては、あと何本か揃えてオスマントルコの行進曲をユニゾンで演奏すれば迫力ある音になりそう。アルトリコーダーを改造するのも面白いかもしれない。
笛膜と阿膠(アージャオ)ではなくもっと一般的な材料(ポリエチレンフイルムと接着剤)も検討してみる必要がある。