前日の練習風景 |
学生時代マンドリンクラブに所属していた。9月にクラブのOBOG会があり、そこでの演奏を依頼されたので同期の有志で演奏することになった。40ウン年前の卒業だからもう半世紀に近いが、卒業後も演奏活動を続けている仲間が多いのだ。しかし練習するにも、それぞれの演奏活動でいそがしく、遠方に住んでいる仲間もいるので、練習のために集まれるのは本番前日の一回ぐらいしか出来ない。選曲は私に任されたので、 Vivaldi L'estro Armonico (調和の霊感)No.6 第一楽章
有名なヴァイオリン協奏曲だが、ヴァイオリンのパートをリコーダー2本で分担して演奏するアレンジがあったので使用させてもらった( 積志リコーダークラブ編曲)リコーダー1本だとソロ ヴァイオリンと第一ヴァイオリンを兼ねることになり、とんでもなく忙しいが、2本で分担するとかなり楽になる。ただそれだと solo と tuttiの区別がつきにくく、ヴィヴァルディの協奏曲らしくないので、マンドリンに加わってもらいtutti を形成する。チェロはチェロの楽譜そのままだが、本来はコントラバスもあるので、奏者の判断で部分的に1オクターブ下げた演奏もアリ。
練習の足しになるかと、私のリコーダー演奏にメトロノームを加えた音源を作り、MP3でみんなに送付したけれど再生できたのは1人のみ、(全員工学系なので問題なしと考えた私が甘かった。年齢を考えるべきだった。)
しかし心配した前日練習も特に問題なく仕上がり、響の良い部屋のせいか、かなりうまい演奏に聞こえる。多分皆さん練習したのだろう。
ヴィヴァルディの指揮する「ピエタの娘たち」は、かなりの速さで見事に演奏したと思われるが、我々はちょっとゆっくり、でも名曲だから十分に楽しめる。
本番前のリハーサルでは私が珍しく「あがって」しまい、早いパッセージで指がもつれたり、息が苦しくなったりして心配したが、本番では少し落ち着きを取り戻し、なんとか演奏できた。お世辞が混じるにしても「演奏良かったよ」と声をかけて下さる方が何人かいたし、演奏者達も「楽しく演奏できた」と言ってくれたのでとりあえず成功かな。
あとで録音も聴けたけれどちょっと貧相な音でがっかり、でも録音方法を工夫すればもう少しマシな演奏になるはず。
今回は選曲が良かったと思われる「ヴィヴァルディ様様」だ。
Vivaldi L'estro Armonico ル エストロ・アルモニコ(調和の霊感)
ピエタ慈善院の合奏団を指導しながら試行錯誤を重ねたヴィヴァルディがその結果をヨーロッパ全体に問うた最初のコンチェルト集で、大きな反響を呼び、バッハも編曲して研究している
<ピエタ慈善院の合奏団とヴィヴァルディの関係を引用しておきます>
「多少とも新鮮な感覚が鈍り、すぐにあら探しをする職業音楽家ではなく、熱心さと好奇心に富んだ若い生徒たちが主体となっているこの音楽家の集団が、ヴィヴァルディの指導に対して、いかに敏感な反応を示したかは想像に難くないが、この若い敏感な感受性を持つ音楽家たちに、ヴィヴァルディの人間性は完全な影響力を持っていたのである。この点においては、ケーテンにおける大バッハや、エステルハーツィーにおけるハイドンよりも彼はずっと恵まれていた。彼は時間の制限や、頑固な演奏家や、”演奏家労働組合”の厳格な規則にふりまわされずに、オーケストラの扱い方や、合奏上の問題などについて経験を積み、ゆっくり研究を進めることができたのである。」
【マルク・パンシェルル著 ヴィヴァルディ 生涯と作品 早川正昭/桂誠 音楽の友社】
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