4/10/2011

マイクミキサーUB802 を分解する



べリンガー社 マイクミキサーUB802のパーツを調べる。
フレンドシップコンサートは6月4日に延期となり、仕切り直しとなったが、私は録音を担当することになっている。

機材は以前使用していたHDD録音機ではなくRoland R-05 を使用する予定だが、内臓マイクは使用せず外付けのマイクを使用する。
内臓マイクを使用するのが一番簡単でバランスも良いのだが、録音ポジションを少しでも良くする為には、やはり外付けマイク使用が必要だろう。
コンデンサーマイクのを使用することになるので、フアンタム電源が必要になりマイクプリアンプを使用するのが順当なのだが、とりあえず小型のマイクミキサーを使用することにする。現在手元にBEHRINGER社 UB802があるのでそれを使用するつもりだ。BEHRINGER社製品は低価格な為か、なんとなく評判が悪い、「安かろう悪かろう」といった具合なのだ。この際分解して自分の目で確かめてみることにした。お断りしておくがこの機種は最近モデルチェンジして"XENYX802"となった。外観などはほぼ同じなので内部構成もほとんど変更無いと考えるが、新規購入する訳にもいかず、御理解頂きたい。

分解は比較的簡単にできる。ツマミの数が多いが引き抜けば外すことができる、あとフォンジャックの管用ナットが14個、ネジ類が21本

写真は分解した基板の上側と下側。
基板は一枚で両面スルーホール、下側は表面実装タイプのIC,抵抗、コンデンサ、ダイオードなど
上側はXLRコネクタ、ジャック類、スイッチ類、VR、その他トランジスタ、3端子レギュレーター、LED、抵抗、コンデンサー類、などが整然とマウントされている。
加工品質はかなり良い。

全体の回路構成はオペアンプNJM4580(JRC) の表面実装タイプを16個、ヘッドホン出力部分にはSIPタイプを1個使用、
少しびっくりしたことはマイクプリアンプ部分がディスクリート部品で構成されていたこと、TR は東芝のローノイズトランジスタ 2SA1316 を4本使用し、抵抗は金属皮膜抵抗と思われる3桁表示の抵抗が使用されている。この部分は少し贅沢をしているようだ。
音量調節、トーンコントロールなどに使用されるVR類は全部アルプス電気製、マイク入力のXLRコネクターやフォンジャック、4Pピンジャックなどはそれなりにガッチリした造り。

電解コンデンサは"TEC"" Wincap" の2種類のロゴがある。どちらも日本製ではなく、
"Wincap" は同社のホームページによれば中国あるいはマレーシア製、品質はISO9001:2000を取得している工場とのことなのでそれなりの品質と思われる。
"TEC" ロゴの電解も使用しているが、メーカーは確認できなかった。Wincapと同等のレベルと考えられる。
トーンコントロール部分に使用されているマイラーコンデンサはメーカーは確認できなかった。許容差10%

表面実装タイプの抵抗、コンデンサーについては小型で無表示な為メーカーは確認できない。

評価
オペアンプは出来ればNE5532やOPA2604を使いたいし、電解コンデンサーもグレードの高い部品を使用したいが、価格を考えると難しいかもしれない。
低価格で必要にして十分なレベルで揃えた部品と見た、それを中国工場(確か広東省中山)で組み立てることにより実現できた価格だろう。
裸になったマウント済み基板を見ていると、この価格を実現出来たことが驚異的に思われる。
部品の内容や、作り込みは国産メーカーのミニコンポ等とほぼ同じ水準に達しているのではないだろうか。

PA装置の一部として音響拡声に使用するならコストパフォーマンスに優れた機材と言えるが、録音に使用するとなると少し心細い気がしないわけではない。
もっとも聞き分けるだけの自信は無く、気分の問題なのかもしれない。

同様な小型ミキサーで"MACKIE 402VLZ3"がある。価格はUB802の2倍以上するが、機会があったら部品を調べて見たい気がする。

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