2/27/2011

バスリコーダーのPA(音響拡声)


PA (Public Address)とは電気的な音響拡声の総称です。
以前コントラバスリコーダーをマイクとスピーカーで補強したことがあった。クラリネットとの演奏で弦バスのような演奏が要求されたのだ。
演奏者の前のスタンドに取り付けたダイナミックマイクで音を拾いアンプでブーストして後方のスピーカーを駆動する。しかしこれが意外と難しかった。

リコーダーの音はリコーダーの下端から発せられると考えてしまうが、それは指孔を全部塞いでいる場合に限られるのであって、指孔を空ければその位置から音が放射される。したがって音の放射位置は常に上下に移動していることになり、各音をなるべく均一にピックアップしようとすればマイク位置を楽器から離さなければならず--その為相対的に楽器本来の音とスピーカーから出る音の音量差が減少し、スピーカーの音をマイクが拾ってしまいキーンと発振してしまう。いわゆる「ハウリング」である。
このようにハウリングに対する余裕が低い場合ちょっとしたきっかけでハウリングを起こしてしまう。

ハウリングに対する余裕を増す方法(ハウリングマージンを稼ぐ)はいくつか方法があるが、音の発生ポイントに出来るだけマイクを近接させることが有効と思われる。
音の発生ポイントに近ければマイク感度を比較的低く設定できるので、少し離れたスピーカーの音を拾いにくくなる。
リコーダーの音の放射ポイントは指孔のほかにもう一箇所ある。ウインドウエイ先の窓とエッジ付近(ラビューム)だ。この部分は指孔と違って位置がいつも同じであるが、吹き込む息や鼻息が当たって、「吹かれ」があったりして雑音を拾いやすいような気もするが試してみる価値は十分にありそうだ。
ラベリアマイクと呼ばれる超小型マイクが目的に合致するが、このタイプはほとんどコンデンサーマイクでファンタム電源が必要となる。価格もサウンドハウスで3万~1.5万円程度だが、かなり安い機種を見つけた。
SAMSON  QL5 単一指向性 5480円  早速手配する。
ミキサーはBEHRINGER社 UB802 マイクはバスリコーダーのラビュームの上側付近にマジックテープを使用して取り付けた。

結果はかなり良好、心配した雑音も拾わず、ハウリングに対する余裕も十分ある。スピーカーの近くで演奏してもハウリングは起きない。
低音でも音が細くならず力強く鳴ってくれるのが頼もしい。

バスリコーダーはソプラノリコーダーより表情が付けやすいが、残念ながら音量が少ない。しかしこの装置を使用すると音量が確保できるのでバスのソロ演奏など用途が広がりそうな気がする。Tさんにクラリネットで「二人でお茶を」など演奏してもらい私がバスパートで合わせたが、十分に対抗できる音量で楽しめた。

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