8/24/2014

鳥の鳴声の模倣によるソナタ

狭い室内での演奏 音響は悪くない

「鳥の鳴声の模倣によるソナタ」 Sonata in imitation of Birds William Williams


学生時代はマンドリンクラブに所属して学業もおろそかになるほど熱心に練習した。しかし卒業すれば 、みんな家族を持ち仕事に追われ、必死だったと思う 。
60歳を超えて仕事も生活も一段落付いたのだろう。お互いに連絡を取り始めた。特に私の場合、行方不明扱いだったらしい。それがリコーダーの季刊誌に私たち平尾リコーダークラブが紹介された。その写真の中の顔に見覚えがあるということで連絡をくれたのが、富山でリコーダーを始めていたG君だったのだ。  その結果多くの友人と再会を果たすことが出来た。みんな苦労して来たらしく、年はとっていたが、何らかの形で音楽と関わり続けているのが大部分と知って嬉しかった 。

G君がリコーダーを始めたのは、当時の私がリコーダーやっていたこともきっかけの一つなのだそうだ。うれしいね。
そのG君と「一緒に演奏してみましょう」と言う話が発展して当時指揮者だったO君のチェロも巻き込んでトリオソナタでもやってみようということになった。しかし3人ともそれぞれ別なグループに属し、集まるのは大変なのだ。そんなことでもたついているうちに、なんと演奏の依頼が来たのだ。

OB会での演奏の依頼だった 。まだ練習もしていないが、技術的には多分大丈夫だろう。発表できるチャンスなどめったにあるものではない。曲は「鳥の鳴声の模倣によるソナタ」 ウィリアム・ウイリアムス 
急遽練習日を2日程決めて練習場も確保した。またG君がバロックピッチの楽器も所有していることがわかったので、この際バロックピッチで挑戦とO君に半音低い調弦をお願いしたところ、やって見ましょうとの連絡をもらった。・・・・・

今日がその最初の練習日、武蔵小杉にあるstudio Aisya(スタジオアイシャ)楽器の個人練習などに特化したスタジオ、小さな防音室が並んでいる。
私が時々借りるのは一番狭い0.8畳 15分で150円、かなり狭いが一人でリコーダーの練習をするには問題ない。
今回の部屋は2.5畳 電子ピアノが備え付けてあって4人まで使用可能 30分500円
大きなチェロを入れるとぎゅう詰め状態だったが、演奏には特に支障はなかったとのこと。
音響は悪くないし、エアコンは快適、3人の演奏技術もほぼ同レベル、曲も難しくない。 練習は快適に進んだ。
当初の予定は1-2楽章だけの演奏を考えていたが、1-4楽章に拡張も可能だろう。学生時代にタイムスリップしたような気分だ。

気心の知れたチェロに乗っかって演奏するリコーダーは実に快適だった。次回の練習も楽しみだし、多分本番も上手く行くだろう。

8/10/2014

細岡ゆき門下生発表会


細岡ゆき門下生発表会 2014年7月27日 近江楽堂
ヴィオラ・ダ・ガンバ なかやまはるみ  チェンバロ 矢野薫

やっと近江楽堂での発表会が完了した。ここ2ヶ月はそのことが頭から離れず、30回目の昼下がりコンサートやケーナの発表会も何と無く力が入らないまま過ぎてしまった。関係者の方々申し訳ない。私自身の演奏も何とか終了し、ホッとしている内にもう8月になってしまったが、遅ればせながら記録しておきます。
F.バルサンティ  ソナタハ長調 作品1ー2  Adagio Allegro

演奏の方は、当初それ程難しくないとの思ったのだが、実際に演奏して見るとそんなに簡単ではなく、全曲の演奏はあきらめて1楽章、2楽章だけ集中して練習した。しかしそれにしても私のレベルを上回る曲だったようで、特に第2楽章のAllegroは16分音符の連続する部分では機関銃のようにダダダダとピストン運動する場所が4小節も続き、息、舌、指、楽器の保持、気力などが、安定して持続出来ないと途中で破綻してしまう。しかも同様のパターンが4回もあるのだ。短ければごまかし様もあるが、これだけの長さがあると ちょっとしたことで崩れてしまうのだ。

第1楽章 Adagio  作曲者自身が書いたらしい装飾音がこの楽章全体にちりばめられているが、特に64分音符を含む急上昇急下降が3ヶ所ある。(始まってすぐに1ヶ所、終わり頃連続で2ヶ所)これが華麗に決められるかがポイントだろう。最初の1ヶ所は気負いこみ過ぎかコケてしまった。後半は何とかつなげることが出来た。

第2楽章 Allegro  出だしのメロディが愛嬌たっぷり、お下げ髪の女の子が、えくぼで話しかけてくるようだ。間も無く例の16分音符によるピストン運動が始まる。
ピストン運動が難しいのでそこにだけ目が行ってしまうが、本来この部分は「つなぎ」なのだから機械的にさっさとこなしてそれ以外のメロディを工夫すべきなのだが、それが出来ないのが悔しい。後半近くお下げ髪のメロディが再び顔を出す。印象的に目立たせたいと思ってもテンポが早いためあっという間に通り過ぎてしまう。最後は低域でのピストン運動この部分は低音部でかつ右手左手にまたがる為思ったよりも難しい。そこを通過するとすぐに曲は終了する。少し短すぎたかな。もう少し演奏したかった。


演奏の形態はいろいろでリコーダーと通奏低音、 リコーダー2本と通奏低音、リコーダーアンサンブルと奏低音、通奏低音なしのリコーダーアンサンブルもあった。
せっかくの機会なのだから、1人または2人で通奏低音付きで演奏するのが最も収穫が多いのではないだろうか。
その点今回その形態で演奏したのが5組だけというのはちょっと少なかったような気がする。

参加者はそれぞれ苦労して自身の課題を乗り越えたと思うが、
そんな中でもNさんの演奏を取り上げて見る。
曲はヘンデルのソナタ イ短調。
「この曲はヘンデルがアン王女の通奏低音の練習のため作ったと言われているのでリコーダーはそれほど難しくはないはずだ」など知ったかぶりで斜に構えていたら、ガンバとチェンバロの音がグワーと立ち上がってきた。Nさんのリコーダーがプロ奏者達のやる気に火をつけたらしい。結局最後まで崩れることなく堂々と鳴らしきり、大拍手。演奏を終えたNさん正面をグッと見つめる。頭にはルビーのような飾りが付いたたターバン状の飾り。これだって演奏の一部なのだ。 やはりヘンデルはすごい

演奏後の打ち上げでは若い方達も多く話がはずんだ。私も演奏がとりあえず終わりホッとしてビールで乾杯して話に加わった。
実はこの2ヶ月間アルコール類は絶っていたのだ。酒も飲まず必死で練習したわけではない、気持ち上の問題だけだったのだけれど、わずかでもプラスになったかもしれない。
伴奏者の方から、前回に比べてかなり良くなったと言われたり、リコーダーの音色が綺麗だったと言ってくださる男性がいたりした。学生時代の友人も二人駆けつけてくれて、良い演奏だったとのこと。お世辞半分でも褒められれば嬉しい。
当日の録音を聞くとちょっとがっかりしてしまうのは仕方ないでしょう。