7/08/2015

第34回昼下がりのコンサート


 6月28日、ポーポーの木
ちょっと時間が経ってしまったが、写真も届いたことだし、記録しておいたほうが良いだろう。

今回の特徴はお客さんが多かったこと。たぶん今まででいちばん多かったのではないか。椅子を多く配置したのに、それでも立見があったようだ。
Tさん編曲の童謡のメドレー、歌謡曲のメドレーはそこそこに仕上げることはできた。
クラリネットやリュートの演奏もあった。楽器の多彩さについてはどこにも引けを取らない。
しかしバッハのプレリュードとシャイトのベルガマスカは練習に時間をかけた割には良くなかった。プレリュードは後半各パートがバラバラになり、収拾がつかなくなったのでストップをかけるしかなかった。
これがお客さんにけっこう受けたようで、楽しそうな歓声が上がっていた。それはそれで良いのだが、時間を割いて練習したのにかなり残念。HRCにとって難しすぎたようだ。リベンジだなどと声が上がっていたが、次回やるにしてもこのままだと同じことになってしまう。
演奏レベルに余裕が持てる曲ならば、何回か合奏をくりかえせば、仕上げることは出来る。
しかし自分達の技術レベルギリギリのような曲は漫然と合奏を繰り返しても効果は望めない。

最初に全体の見通しを持つため、ざっと合奏してみる。
これで自分にとって難しい場所、出来ない場所が明らかになる。
ここでもう一度個人練習に 戻り、むづかしい場所を納得できるまで練習する。
場所が特定されているから、回数を重ねるのは容易なはず。そのフレーズだけでも暗譜できるぐらいまでやる。
このようにして各パートが細部まで見ておけば、全体の合奏に戻ったとき他のパートを聴く余裕も生まれるのだ。
今回の反省すべき点はまさにこの点では無いだろうか。

シャイトのベルガマスカも難しそうな曲が無事演奏できたというだけで,曲の魅力を引き出すことが出来なかった。やはりどのレベルまでの演奏をするのかしっかり自分たちで見極められなければならない。

曲の解説。
童謡や歌謡曲は演奏すればお客さんはわかってくれる。
しかしバッハのプレリュードです。と言って演奏しても目の覚めるような素晴らしい演奏や感動的な音色でない限り、お客さんの心をこじ開ける事はできない。適切な説明がそのきっかけを作る事ができると思うが、長すぎてはいけない。何を話し何を省くか。
 以前聴いた積志リコーダーカルテットは実に上手かった。選曲、アレンジ、演奏、そして解説が連係していて絶妙。真似したいけれど道は遠すぎる。

EWIは簡単な曲でお披露目するはずだったが、ちょっと音を出してみる程度。やはり簡単ではない。
演奏中 棚の上にリュート

7/01/2015

EWIがやってきた

AKAI EWI4000s と MACKIE SRM150 ソプラノとアルトリコーダー


EWI (electric wind instrument)  
リコーダーのソナタなどを演奏するとき、通奏低音としてチェンバロとかビオラ・ダ・ガンバなど演奏者をお願いしなければならない。またバッハのカンタータなどをリコーダー合奏にアレンジする場合も、リコーダーだけだと同じ音色になってしまうので、オーボエやトランペットなど異なる音色が欲しくなる。その都度奏者をお願いできれば良いのだがそんなことは出来るわけもない。
じつは、ヴィオラ・ダ・ガンバならなんとか演奏出来るのではないかと思っていた。

ヴィオラ・ダ・ガンバはチェロをひと回り小さくしたぐらいの大きさでコントラバスのような”なで肩”だ。それにチェロと比べると外観がちょっと貧相のような気がする。
平尾雅子門下生ヴィオラ・ダ・ガンバ発表会 2015年6月7日 近江楽堂

Facebookで知り合った若いガンバ製作者の"I"さんの情報だ。

弦は7本で指板の途中までフィレットがある。
そんな形態から想像して、フィレットに頼りローポジションで開放弦も多用するおっとりした演奏ではないかなどと考えていた。


しかしそれはプログラムの最初の数曲だけで、あとは楽器がガンガン鳴り出す。フィレットの無いハイポジションにもどんどん指は移動する。それと弓を持つ右手の動きが華麗。"I"さんも若い達者な奏者と組んで見事な演奏を披露してくれた。通常 製作者はおとなしい演奏をするような思い込みがあったがそんなの全く関係ない。実に頼もしい演奏者でもあった。
演奏は素晴らしかったが、私にはいまさら無理な世界とあきらめるしかなかった。

鍵盤のキーボードが操作できれば、簡単なシンセサイザーでとりあえずの目的は果たせると思うが、ピアノの心得が無いので一本指操作から抜け出せない。
そんな折EWI(イーウイ)を見つけた。木管楽器タイプのシンセサイザーで運指もリコーダー風に出来るとのこと。

リコーダーの演奏を改めて振り返ってみると結構大変なのだ。音域は通常2オクターブと2音と言われているが、高音部は複雑な運指の上発音自体もかなりバランスを必要とする。低音部だって深い安定した息でしっかりささえないと、満足な音が出ない、では
中音部は野放図に吹けるかと言えば、そうではない。上下の音とバランスをとるため中音部もしっかりコントロールする必要がある。ところがEWI(イーウイ)はドイツ運指の1オクターブ目とよく似た運指を繰り返すことで8オクターブもカバーしてしまうのだ。便利を通り越して堕落かも。開けてはいけない玉手箱を開けるような気がする。

機種はAKAI  EWI4000s  YAHOO オークションで入手した。
ソプラノサックスとサイズは似ているらしいが、リコーダーと並べてみた。
実際にリコーダー合奏の中で使用した感想は今後レポートするつもりだが、とりあえずの演奏出来る体制にするために必要なな機材。
1、本体  EWI4000s
2、アンプとスピーカー   MACKIE SRM150 アクティブスピーカーシステム
3、電池  単三4本  ニッケル水素電池 (エボルタ)
4、1/4 フォン ケーブル 
他に音色をedit するためにはmidiに対応したオーディオインターフェースやmidiのケーブルが必要になるが、こちらは別途考えることにする。
フォンケーブル、エレキギターでも使用しているので、いろいろ品数は豊富だが1000円以下の格安品はヘナヘナ部品で心もとないし、3000円程度の(一見高級品)にしてもケーブルに無酸素銅 (OFC)にピカピカメッキのプラグも値段は高いが、構造は格安品とあまり変わらない。半田付けができるなら自作をお勧めする。

このような場合、通常は一芯シールドを使用するが、信号は芯線を通って送り出される。帰りは?、シールドに使っている編線を通るしかない。なんたる不公平、シールドに使っている編線が入口から出口まで一本でつながっている保証は無いから接触抵抗だらけ、芯線だけ無酸素銅(OFC)だの純度99.999・・・%などと吹聴し、金メッキで飾り立てても、効果ありとはとても思えない。
使用により音が良くなるような記述まであるが、
一種のサギのようなものだと思える。原音より音が良くなるはずはない

私は・・・・・・1500円程度で自作した。
プラグは Neutrik社 NP2X  NP2RX 一方はストレート、楽器側はL型、ケーブルは一芯シールドではなく、バランス伝送に使用する2芯シールド、カナレのマイクケーブル L-2T2S、

プラグの図面はN社のサイトからダウンロードできるし、線材の加工寸法なども記載されている。
二本の芯線の片方(青)をプラグのチップに、半透明をリングに接続した。シールドの編線は信号送り出し側でもあるEWI側つまりL型プラグのみリングに半透明の芯線と一緒に半田付け、逆サイドはオープンのまま。

実は各機器のアースを接続することはちょっと怖いこともある。各機器のアースの電位が同じではないためループ電流が発生したり、極端な場合は金属部分を触るとビリビリ感電することもある。 これは電源の設計の違いや、各国のAC電源のアースのとりかたの違いによる訳だけれども、使用する我々にはブラックボックスなのだからどうしようもない。私のようにケーブルに小細工しても必ず効果があるとは限らない。 実際に使用してみればまた別の問題も出ると思うけれども、このブログで取り上げて行きたい。

バロックピッチへの対応
冒頭でも通奏低音に使用したいなどと書いた、まだ実際に使用した訳ではないが、スペックシート上で調べると、
A音=440Hzを416Hzまで変更可能、415Hzにはちょっと届かないが、これでもなんとかなる、またトランスポーズの機能を使えば半音低い調に移動することもできるので、これでも対応可能と思う。平均律に固定されている問題点は実際に使用してみなければわからない。