録音は今回も私が担当した。
演奏、録音、編集、マスタリングを兼ねることは時間も神経も使うが得ることも多い
録音機材は
マイク RODE NT5 2本
録音機 FOSTEX デジタルマルチトラッカー VF80
昨年と同じだが前回は遠慮してマイクスタンドを2階にセットして結果が良くなかったので今回は2列目中央の座席の位置にマイクスタンドを立てORTF方式のマイクセッテイングとした。
確かに中央で目障りではあるのだが最初からビシリと立てておけば演奏者や観客にも納得してもらえるようだ。
リハーサルでのレベル合わせなどあるので朝一の9時には会場に入り、真っ先にマイクをセッテイングしたまでは良かったが録音機VF80 の表示が少しおかしい「ハードディスクが見つかりません」 なにい! 慌ててスイッチのON/OFF を繰り返したりACコードを抜いたり
ゆすったりしたけれど事態は好転せず。15分ほどジタバタした後 、責任者のKさんに録音はダメかも知れないことを報告した。(脂汗)
自分達のリハーサルが迫っているので一旦復旧作業を中止し、リハーサル終了後VF80を裏返してHDDが取り付けてあると思われる辺りの底板をバシバシ叩き,両手を合わせて神にお願いしてからスイッチをONしたら 立ち上がった! 以後怖くてOFFできないので夕方まで連続運転となった。
演奏は休息をはさんで3部に分かれているので、各部ごとにプログラムを作り、休息時にプログラムを切り替えることにより3分割したデータが得られる。
あまり巨大な連続データーを作ると扱いも大変だしトラブルの原因になってしまう。
録音レベルは高めにビシリと取れれば良いのだが、付きっ切りで録音出来ないしリハーサルでもレベルのチェックはほとんど出来なかった。
リコーダーの場合ダイナミックレンジはそれほど広くないしグループの違いによる差も比較的小さいのでちょっと抑え目程度で何とかなるのだが、
打楽器やピアノなどの異種楽器、手拍子などは注意しなければならない。今回はレベルメーターの目視とヘッドホンで決定し最後まで変更しなかった。
翌日 VF80は全く問題なく動作し1部2部3部とも各2枚ずつ計6枚のCDRでデーターを取り出すことが出来た。これを編集ソフトPEAKが入れてあるMac,で読み込み
編集作業を行う。編集作業の内容については別項で書くつもりだが昨夜4枚のマスターCDRに仕上げることが出来た。
今回の録音は編集中の音を部員に聴いてもらったがかなり好評で、各楽器の音がリアルでかつ場内の雰囲気も捉えているとのこと
やはりワンポイント録音の場合マイクスタンドを立てる位置が決定的に大切となる。
マイクに入ってくる音を演奏者から直接マイクに入る音を「直接音」、場内に反射しながら空間に満たされている音を「間接音」とすれば
直接音はリアルではあるが、マイク位置が離れると急速に音量が低下していく、一方 間接音は場内の残響分でマイク位置が変わってもそれほど音量は影響を受けない
従って適切な位置にマイクを設定すると「直接音」と「間接音」がちょうど良くブレンドされるわけだ。
今回の録音では太田さんの演奏中の息遣いも聞こえるが、楽器の音色も潤いがあると思う。
今週末には頒布用CD も完成するはずなので、ぜひ感想など聞かせてもらえるとありがたい。
VF80 が立ち上がらなかった件だが、記憶をたどると過去にも一回HDDを認識しなかったことがあったのを思い出した。
それはちょうど1年前、この同じ会場で起こったのだ。そのときは比較的短時間で復旧したし、その後は何の問題もなく動作していたのでそのことは忘れてしまっていた。
HDD自体が老朽化し動作が鈍くなってきていると考えるのが常識だが、同じ会場で2度も連続して問題が起きたことを考えるとあるいは会場のAC電源に問題がある可能性も浮上する。電圧が低いとかフイルターのようなものが挿入されているとか・・・ まだ結論は出ていない。
写真はマイクセッテイングの様子とマイクスタンド直下に置いたVF80