本体は竹山アルト、頭部管はブレッサンG-1A |
平尾リコーダークラブを立ち上げて間もなくのことだが、もう15年以上昔のことになる。新品のリコーダーを割ってしまった。
リコーダーの「慣らし」が終わるまでは長時間吹いてはいけないといわれていたが、練習に持ち込んだらそんなことは言っていられない。
ローズウッドのアルトだったがその日割り当てられたパートがたまたまアルトパートだったので懸命に吹いた。よく鳴る楽器だった。心の中では吹きすぎではないかと心配だったが、やめるわけにもいかない、練習が終わり仔細に観察すると吹き口の少し下、ブロックを囲ってある部分の裏側に縦に黒い線が認められた。木目のようでもあり、そのように思いたかった。
しかしその夜心配になりそっとケースを開けてみた。なんと割れていたのだ。黒い線があった位置に割れ目が走り、奥にはブロックが見えた。ガーン!! 修理してもらうしかない、可能だろうか? ガックリして楽器店に持ち込むと・・なんと新品と交換してくれたのだ! 天にも昇る心地とはまさにこの事。以来その楽器は私の最も愛用する楽器として現在に至っている。
練習所として地元の公民館の視聴覚室を借りているが、先日は一人で使うことになった。4時間以上ある。コレッリのソナタを練習することにしたが、そうなるとアルトだけをを酷使することになってしまう。危険を分散するため415Hzの楽器や全音ブレッサンG-1Aも持ち込んだ。
取っ替え引っ替え吹くつもりだったが、右手の押さえ具合がそれぞれ少し異なる。ふと思いついて、竹山のアルトモダンピッチの本体部分に全音ブレッサンの頭部管をはめ込んでみた。驚いたことにほぼピタリと合う。わずかにガタがあったが、小さな紙片を挟むことで問題なし。
逆も試してみた、全音ブレッサンの本体に竹山の頭部管は僅かな差ではめ込めなかった。
しかし両者はほぼ同寸法で設計されて結果の違いは誤差範囲ではないかと思った。
両社の嵌合部の写真を示す。ほぼ同じ設計であることが見て取れる。
全音ABS製の頭部管と竹山ローズウッドの本体の組み合わせは、チューナーでチェックしてみたが問題なし。木製頭部管の長時間使用はビビる部分があるのだが、ABS製では心配することなしにいくらでも使える。 ありがたい。これは大発見だ!