10/30/2012

PAアンプ購入

アンプ、スピーカーミキサーをセットした状態


A ステレオミニプラグ-RCA、B TRS-XLR、C 両端スピコン端子

 リコーダーの練習をする時小型のアンプとスピーカーがあると便利だ。演奏会の録音をみんなで聴いたり、バスリコーダーの音を拡声したり、いろいろと便利なことがあるのだ。小型のステレオアンプを多少改造したりして使用して来た。最近はiPod /iPhoneのアプリで、打楽器とか、トランペットとかいろいろな楽器として使用できる。  
例えば 
バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」をリコーダーで演奏し、上声部をiPodのトランペットの音でかぶせたら面白いと思う、リコーダーだけの合奏では、このような音は、目立たず埋れてしまいがちだが、トランペットのような違った音を使うことにより双方の音を分離して聞き取ることが可能となる。近いうちに実験して見たい。   

ただ家庭用の小型ステレオアンプは、電源トランスや放熱器などの部品の為重量が有り、その割にはパワーが不足する。また室内に設置して固定して使う事を前提としている為、ツマミやパネルの角が鋭かったり 接続ケーブルが抜けやすかったりする。だったらPA用のアンプを導入すれば、問題は解決する。    

最近のPA用アンプはパワー部分もデジタル化され、電源部もそれに見合ったスイッチング電源だからかなり軽量になる。 
一番低価格のデジタルアンプは多分これ・・・・サウンドハウス CLASSIC PRO DCP400

カタログによると、100W 2チャンネル出力で2万円を切る値段だ。幸い部費も貯まっているので、購入することにした。この際問題になるのは接続ケーブルだろう。スピーカーとアンプの接続は両端スピコン付ケーブル、ミキサーアウトからアンプはTRSフオーンプラグとXLRメスコネクタ が必要になると。
スピコン付のケーブルは極性を間違うことなくしっかり取り付けられる。TRS---XLRケーブルは、バランス伝送なので、外部のノイズの影響を受けることがない。   
このようなケーブルは、家庭用アンプのRCAピンケーブルなどに比べてちょっと大げさな感じだが、安定感が違う、ピンケーブルはバランス伝送でないので、線長が長くなるとノイズを拾いやすく差し込む時アース側より先にホット側が接触するので、ちょっとヤバイ。またロック機構がない為抜けてしまう事がある。スピーカーケーブルにしてもスピコン付ケーブルだと極性を間違えて接続する事はあり得ない。
最後にもう一本大切なケーブルがある。iPodなど とミキサーをつなぐケーブルだ。 iPodやデジタル録音機R-05などの出力はイヤホンジャック  から取る事になるからステレオのミニプラグ、もう一方の側は、RCAピンプラグもしくはTRフォンプラグ 2個。既製品も市販されているが、品質とか長さとか不満が残るので、納得できる部品で自作すると良いと思う。ただバランス伝送では無いからあまり長くは出来ない。  

写真はいつもの練習場(文化センター)にセットした状態。
練習の合間に過去演奏した曲を聴いて見る。 
iPod---ミキサー------アンプ----スピーカー。パワーに余裕がある為か思ったよりいい音に聞こえる。過去演奏した曲が何曲もリクエストされた。音源がiPod なのでCDに比べればかなり容量を落としているわけだし、アンプにしても高域や低域をカットしているのだから総合的な音質はかなり悪いわけだが、不安定要素の部分は潔くすっぱり切り捨て、必要な音だけを十分なパワーで鳴らし切る  、これが好結果をもたらしているのだろう。

PAの世界ではデジタルアンプは当然の流れだが、ピュアオーディオの世界でも数年まえからB & O社デジタルパワーアンプのモジュールが供給され、ハイエンドメーカーでも採用された話を聞いていたので、デジタル化はさらに進んでいると思いS.S.誌を覗いてみたらA級、巨大トランス、巨大電解、・・・と相変わらずの大艦巨砲主義でさらに超高級なピンケーブルとかスピーカーケーブル、  ACコード、など目白押し、まあ趣味の世界だから、なにをやろうと自由だが、音楽を聞くだけでは無く自ら演奏する人間にとっては無縁の世界に思われる。

10/26/2012

コーヒーカンタータその2

カフェ バウムの外観、左下は明かり取りの天窓
中央にコーヒーカンタータの楽譜



コーヒーカンタータはコーヒーハウスで初演されたと言われている。このブログの読者であるDonneidecker氏からライプツィヒのコーヒーミュージアム  「カフェ  バウム」のパンフレットが送られて来た 。このコーヒー店はドイツで最も古い店舗と言う事だ。建物は保存され今でも営業しているらしい、また上の階ではコーヒー博物館になっていて、コーヒーの歴史が展示されている。     

パンフレットにはバッハのコーヒーカンタータの出だし部分の楽譜や建物の間取り図なども添えられている。コーヒーカンタータが初演されたのは残念ながらこの店ではないのだが、間取り図が気になった。 日本の喫茶店のような広いフロアでは無く、いくつかの部屋に区分けされている。わたしは一瞬日本のカラオケボックスを思い出してしまったのだが、グループで貸し切ってコーヒーを飲みながら談笑出来るようになっていると思われる。従って単にコーヒーを飲むだけでは無く、貸し出しサロンのような役割もあり、それが時代の要求に合っていたのだろう。 シューマン、リスト、ワーグナー、シラーなども常連客だったと記録されているから、当時文字どおり市民権を得た市民達がコーヒーを飲みながら、芸術や政治の議論を交わしていたのだろう。  
   

バッハのコーヒーカンタータに話を戻すが、父親が、娘にコーヒーを飲む事をやめさせようと説教し、娘はコーヒーを飲むのはやめられないと主張する。  
 父親はあの手この手でコーヒーをやめさせようとするが、やめなければならない理由は一切言っていない。また娘の方もコーヒーがやめられない理由はコーヒーが美味しいからやめたくないの一点張り、

 表向きはコーヒーを飲む事の是非だが、実はサロンに出入りする事を心配する父親とそれに反発する娘と考えると、納得出来るのでは無いだろうか。

 当時ロンドンのコーヒーハウスは女人禁制だったそうだ。コーヒーハウスに女性が出入りすることは、頑固で保守的な男たちからみると眉をひそめることだったのだろう。だからここライプツィヒでもコーヒーハウスに出入りするのは先駆的な少数の女性だけだったらしい。しかし作詞者のピカンダーもバッハも明らかに女性の肩を持っている。頑固親父はコケにされ、 娘は高らかにコーヒーを賛美し、結局は娘の作戦勝ち、最後は娘、父親、解説者全員揃ってコーヒー讃歌、  

 「ネコがネズミを見逃さないのと同様女性はコーヒーを離さないでしょう」  
手放しのコーヒー讃歌だが、スポンサーがコーヒーハウスであることも考慮しなければならないだろう。 

10/25/2012

第26回リザーブコンサート




Präludium & Fuge C-dur BWV 547  J.S.Bach

 開催日が11月11日だから残り2.5週間を切った。  
今年の幹事団体はアンサンブルO   ご苦労様です。  
7月ごろ今回の申し込みmailが送られて来たが、今回HRCは参加を見送る事になった。16回以来連続で参加して来たので、ちょっと寂しい気持ちもあるが、  今回は人員と練習時間の確保に問題があり断念する事になった。常連の団体は幾つか参加すると聞いているが、詳しくは幹事団体より参加団体名、演奏順序など連絡してくると思う。  
ただ私はリコーダーオーケストラRicco Suono で参加するので、縁が切れるわけではない。   

Ricco Suono ではJ.S.バッハの「プレリュードとフーガ」ハ長調BWV547 ( Präludium & Fuge C-dur BWV 547  J.S.Bach) を演奏する。オルガンの曲だが、  リコーダーに置き換えて演奏する事になる。    
リコーダーであれば音程など個々に調節が出来るから、オルガンのような濁った和声でなく純粋な和声が得られるはずだし、音も一本調子でなく 、微妙な 表情をつけることも可能になる。ただそれは一定以上の技量と練習量があって始めて可能になるのだが、今の私たちにとって簡単なことではない、下手をすれば烏合の衆になって手が付けられない

残された時間なんとか頑張ってみるしかしないでしょう。
写真はプレリュードの出だしの部分、Petrucci Music Libraryよりダウンロード出来る。バッハ自身の手稿かどうかは確認していない。 

10/13/2012

コーヒー・カンタータ


BACH Be silent,not a Word  No.4.Arie

バッハの曲で「羊は安らかに草を食み」とよく似た組み合わせの曲がある。コーヒー・カンタータBWV 211「アリア:ああ、なんてコーヒーはおいしいんでしょう」これはヴォーカルのソプラノとフラウト トラベルソの組み合わせだが、お転婆娘と父親のコーヒーをめぐる論争だけに「羊は・・」のような  のどかな感じでは無く、かなり鋭いやり取りが感じられる。  

この曲を始めて聴いたのは「林りり子門下生」の演奏会だった。

この「林りり子門下生」には当時  N響とか日フィルとか名だたる交響楽団のフルート奏者が名を連ねていて、この奏者達が、フルート以外のプロ奏者を伴って意欲的な曲を次々と披露してくれたのだ。しかも無料。そんな中でこの曲を聴いたのだ。トラベルソではなくベームフルートで演奏したわけで、ソプラノとフルートの(鋭いやり取り)が印象に残っている。  

この門下生演奏会にはもう一つ思いでがある。
「コーヒー・・」と同じ演奏会だったかどうかはっきり覚えていないのだが、その時は後ろの方の席で聴いていたのだ。周りにはかなり空席があった。
演奏会の中頃、私の隣の席にあまり背が高く無くがっちりした感じの外人が来て座った、グレーのセーターのようなラフなスタイルだったか。顔を見たら、何とニコレその人、  こりゃ大変!何か挨拶しなければ、と焦ったけれども頭の中は真っ白、(ドイツ語の単位はかろうじて取ったはずだが)アワワワとわけのわからない言葉を発しつつ、当日のプログラムとボールペンを差し出した。彼は気軽に余白にサインしてくれた。周りの観客も気がついたらしく何人かがサインをもらったようだ。間も無く楽屋にでも挨拶に行ったのだろう、ニコレはいなくなってしまった。

保存してあるはずのサイン入りプログラムは探したけれど見つからない、歳月に押し流されてしまったのだろう。そしてニコレさん今どうしておられるだろか、当時の私にとっては、神様のような存在だったのだ。