久しぶりに
アンデスの館ボリビアへ行ってみた、西部新宿線小平駅前にありちょっと遠いが行く価値は十分ある
目的は現用のアハユ(リグナムバイタ/ワヤカン)より少し細いケーナがほしい。
このアハユは音程や音色は気に入っているが、歌口の切り込みがブロードで管も太めな為現在の私にとって音の立ち上がりや取り回しに少し難がある。
ケーナの練習仲間が所有しているルーチョ・カブール作の木管の楽器は歌口の切り込みも薄く仕上げられ、管の内径外形とも僅かに私のアハユより細く扱いやすいように思われた。
「気に入ったルーチョ・ガブールが見つかったら購入しよう」そんなつもりでボリビア館へ向かったのだった。
ズラリと並べられたケーナ、壁には珍しいチャランゴやモセーニョ、ピンキージョ等の笛類が展示されている
家主の福岡さんはチャランゴの修理をしておられた。ここはチャランゴやサンポーニャそしてケーナ等の在庫がたっぷりあるので自由に選べるのだ。
ルーチョ・カブールの木製を中心に持参のチューナーで選別してみた。木製ケーナはバンブー製に比べるとバラつきが少なく品質が一定であると言われているが、
在庫のルーチョ・ガブールはA=440Hz の音階は比較的簡単に出すことができる、場合によっては442Hzも可能なぐらい高めの設計と見た。
ただ管の太さが思ったより太く感じて(木質の違い?)で躊躇していると端の方に奇妙な雰囲気のケーナが目に付いた。手に取ってみると吹き口の下の部分が太く加工されて、コブラの様なイメージ。
マルセロ・ペーニャの新作だとのこと、下側の内管の絞り具合もちょっと工夫がしてあるようで、バンブー製の構造をそっくり木管に置き換えただけのケーナとはかなり異なっている。
指で押さえる部分は現有のアハユより管が細めで指孔も少しだけ小さめ、高音も良く鳴ったのでこれを購入することにした。材質は黒に近いこげ茶色と茶色の二種類があったが、こげ茶色の中から一本を選んだ。重量はズシリと重くモモキ材と呼ばれるらしい、もう一方の茶色はクチ材だろう。あるいは逆かもしれない。
リコーダーの材質はメック社のカタログを見ると楓、柘植、パリサンダー、グラナディリ、黒檀、オリーブ、ローズウッド等と木材として一定量が流通している材料が使用されているが、ケーナはもっとローカルな材料が使用されている。しかしワヤカン材やモモキ材などは固すぎてリコーダーへの加工は困難だと思われれ、ケーナの様な単純な構造だからこそこれらの材料が使用できるのだろう。
福岡さんから聞いた話だが、かなり以前ルーチョ・ガブールから電話で「固い木が切り倒されているのを見つけた、もし日本で木製ケーナが売れるならこの木を購入してケーナを作るがどうだろう」と連絡があったそうだ。こんな感じで珍しい材料のケーナが作られているのだろうか。
購入したコブラ型ケーナは重量を測ったら192g あった、竹製のケーナが85g程度でアハユのワヤカン材が170g だからそれよりさらに重い、恐れ入りました。
高音部はよく鳴るが低音部は少し気難しい(最良スポットが狭い感じ)慣れるまでは少し時間が必要と思う。
写真は上から今回購入のコブラ型、アハユ(ワヤカン)、I さんから借りた竹製ケーナ歌口の切り込みが角ばっていてアンデスらしい音だが私には難しい