A4の楽譜と9.7インチiPadの画面 |
平尾リコーダークラブも発足して10年以上になるが、演奏技術は別として、楽譜がたまってくるのだ。大部分は演奏のためコピーした楽譜なのだが、きちんと整理してあるわけではなく、再度演奏してみたくなって、楽譜を探しても、簡単には見つからない。結局コピーする羽目になる。そして益々楽譜の束が厚くなるのだ。スキャンしてPDFに変換HDDに整理——など構想は何回も立てるのだが結局実行されないのだ。
最近はiPadなども性能が向上し、紙にプリントしなくとも画面から読み取ることが可能になり、スキャナーも内蔵カメラとアプリで十分実用になるらしい。
検索してみるとこの分野でも先行している方々が多くいるらしい。特に下記は参考にさせてもらいました。
ひろせめぐみさんは
歌声喫茶のピアニストで、お客の要求に対応するため、常に数百枚の楽譜を持ち歩かなければならず、電子化してiPadに入れておき、必要な時は即座に検索できて非常に便利なのだそうだ。また紙の楽譜からデータを読み取るのに、内蔵カメラを使用してアプリで処理、楽譜を見るのも専用のアプリがある。実際に活用した上での意見なので非常に参考になる。
彼女の推薦は
iPad Pro 12.9インチ Scannable(スキャナーアプリ) piaScore(楽譜閲覧)
Scannableを使用しての楽譜の取り込みなども具体的で丁寧に説明している。
リコーダー演奏にiPadの楽譜が必要だろうか?
歌声喫茶のピアノと違って、常に数百曲持ち歩く必要は多分ない。紙の楽譜の方が見やすい。
しかし「昼下がりのコンサート」のような演奏を続けていると、繰り返し演奏する曲や季節の曲などiPadに収まっていれば便利ではないだろうか。また楽譜の束も解決出来るかもしれない。通勤の途中でも簡単に楽譜を見ることができる。問題は12.9インチのiPad pro、現在発売されているiPadで最大の画面で価格もかなりする。iPadの画面の大きさは対角線の長さをインチで示してある。これで見るとiPad Pro 12.9インチはほぼA4と同サイズであることがわかる。
試しに手持ちのiPad miniで試してみると初期型のためScannabl や piaScore のアプリがうまく動作しない。しかしEvernoteを使ってPDFの楽譜を表示してみると、画面は小さいが楽譜として使うことが出来そうだ。
よしそれなら
とりあえず標準サイズの9.7インチで我慢しよう。
iPadの各モデルと画面のサイズ
iPad Pro 12.9インチ(32.8cm)
iPad Pro 10.5インチ (26.7cm)
iPad 9.7インチ (24.6cm)
iPad mini 7.9インチ (20.0cm)
A4. (参考) (36.5cm)
とりあえず中古のiPad air2 Wi-Fi(9.7)を入手。楽譜を入れてみる。J.S.Bach “CONTRAPUNCTUS Ⅰ ” 4パートの総譜だと2ページとなる。ちょっと小さいかな、とも思うが、充分実用になるはずだ。譜めくりは、パートがソプラノで左側の譜面の最期の小節が(Cis D E)なのでCisとDは左手だけで演奏出来るからその瞬間に右手で画面をスワイプすれば一瞬で次ページへ切り替わる。紙の楽譜のように引っかかったりしないから慣れれば問題はないが、E音の出だしがちょっと不安定になるかもしれない。譜めくり専用のペダルもある。“Air Turn PED pro ”あるいは”IK Multimedia iRig Blue Turn”足で操作しBluetoothでワイヤレス接続する。必要なら購入するしかないが、今回はスワイプとタップだけで対応し様子を見ることにする。
「セットリスト」という便利な機能もある、その日のプログラムに合わせて必要な曲のリストを作っておくとスワイプしていくだけで、必要な楽譜が順番に出てくる。
紙の楽譜からPDF に変換するのにScannableは簡単で便利ではあるが、ページ数の多い楽譜などはスキャナーでパソコンに取り込みDropbox経由でiPadに取り込むのも手間は少しかかるが、品質の良い楽譜が得られる。
私の場合はWindows XのPCにUSB接続でCanonのプリンター(MG6930)があり、これをスキャナーとして使う。保存場所としてDropboxの中に「楽譜」のホルダを作っておく。Wi-FiでつながっているiPadのDropboxの「楽譜」を開くと目的の楽譜のPDFがあるから選択し
(エクスポート) 、 (別のアプリで開く)をタップ、(piaScore にコピー)をタップ 、完了
反射防止シート
iPadを譜面台においてみる場合、天井の照明が反射して見ずらい場合がある。画面保護シートで反射防止(アンチグレア)タイプがあるので有効かもしれない。私はまだ使ってないですけれど。
老眼鏡
この年齢になればiPad使用の有無に関わらず、使用は必須だが出来合いのメガネはレンズがデザイン重視の横長だったりして楽譜全体が見えずらい、また遠近両用の様な小細工がしてあると楽譜の端が歪んで見えたりする。本を読む時より楽譜を見るときはもっと離れているはずだ。この際、楽譜用のメガネを作れないかとメガネ屋さんに相談すると、可能です「近々仕様ですね」とのこと。サンプルとしてA4にプリントされた楽譜を出してきたのにはちょっと感激。測定してもらうと+2.25、通常は+2.5なので納得、上下の視野も確保するためほぼ円形に近いレンズのデザインを選んだ。私のオヤジの風貌に似てきたかな?
譜面までの距離も適正に確保でき上下の視野も広がった。なかなか具合が良いですよ。