3/10/2017

電子打楽器を演奏会で使用してみた

iPADmini  plugKEY  青いマイクケーブル

3月5日 個人のお宅での演奏会に出演させてもらった。二部屋つなげて演奏会場としたが、20名以上お客さんが入っていたから、ギッシリという感じ、音の響きは少なく、手前の部屋はともかく、奥の部屋までしっかり音が届いたかは少し心配。
次回はフルートの演奏とか紹介していたから、定期的に演奏会を開催しているらしい。
羊は安らかに・・とか日本民謡メドレーのような少し難しい曲もあったが、最近、他でも演奏したので、まとめる事が出来た。
私にとって今回の課題は電子打楽器を成功させる事。
EWIやEL(エレクトリックリコーダー)電子打楽器など機材を揃え、練習でちょっと使い、blogに書いても、それだけではあまり意味がない。実際の演奏で使用し、他の演奏者や観客にその価値を認めてもらう事が大切。

プログラム
愛の挨拶・・・エルガー作曲 積志リコーダークラブ編
羊は安らかに草を食む・・・J.S.バッハ
アニーローリー・・・スコットランド民謡 C.Yazawa 編
ロンドンデリーエアー…アイルランド民謡 C.Yazawa 編
りんご追分 米山正夫 作曲  高梨編 (クラリネット、ギター)
鈴懸けの径・・・灰田有紀彦 作曲 (クラリネット、ギター)
ナツメロメドレー  高梨編
青い山脈  服部良一 作曲
知床旅情 森繁久弥 作曲 菊池雅春編
浜辺の歌・・成田為三作曲 菊池雅春編
一匁の一助さん・・広島地方民謡 北爪やよひ編
日本民謡メドレー  金子健治編

機材
iPad mini  そして新兵器 plugKEY
アプリは
GarageBand (Chinese Kit) (Classic Drum Machine)
を使用した。
アンプ、スピーカーはMACKIE SRM150 アクティブPAシステム

plugKEYの導入でiPadの出力を標準6.3mmプラグとマイクケーブルでPAシステムにつなげるのが心強い。
現場での機材の配置の自由度が増すし、動作も安定する。
そしてiPadのバッテリー残量を気にしなくてもよい。

「1匁の一助さん」
アプリはGarageBandの(Chinese Kit)中央に「木魚」が5個もならんでいるので使ってみた。他に中国の太鼓やシンバル、そして大きなドラも、しかしこの曲は一番目立つのが打楽器パート、そして全体の骨格も打楽器が決定する。だからかなりの打楽器スキルが要求され、私にはまだ荷が重いのは当然かもしれない。最後に「グァーン!」とドラを鳴らして笑いを取ったが、まだ修行不足でした。

「りんご追分」「鈴懸の径」
アプリは(Chinese Kit) (Classic Drum Machine)を使用
クラリネットソロにギター伴奏だから必要だと思える場所に「木魚」「シンバル」「拍手」などを小さめの音で加えてみた。本物の打楽器のように目立ったり音が大きかったりはしないが、曲にしっかりメリハリはつけることが出来たと思う。
plugKEY自体に出力可変のVRがあるので曲がフェードアウトで終わる場合もしっかり対応できた。
演奏者からは「演奏しやすかった」との言葉ももらえたし、観客から打楽器への質問も出たので、効果は十分あったと思う。


実際の打楽器・・マラカス、シンバル、拍子木などの代用品ではない、比較的音の小さいリコーダー合奏に微小な電子音のリズムを加える効果について新しい世界が開けているように感じた。もう少し実験を続けてみましょう。

2/03/2017

iPadを楽器に


打楽器用機材の結線

北爪やよひさん編曲の民謡に「一匁の一助さん」がある。S,A,Tと打楽器の組み合わせで軽快な曲だが、11月地域の文化センター演奏会で演奏した。打楽器パートが私に割り当てられていた。
私としては電子打楽器を利用するとの目論みはあったのだが、演奏日までの時間的余裕が少なくアプリや機材などに不足もあったので、wood blockなどを借りて演奏した、複雑なリズムを要求される編曲で、焦って演奏していると膝の上に置いた楽器が滑って移動してしまう。焦りまくってモタつく様子が受けたらしく、拍手をもらったが、名誉なことでは無い。
今回リベンジの機会が訪れた。 
1月末の「昼下がりのコンサート」でもこの曲を演奏する事になったのだ。パートは同じ打楽器。今度は電子打楽器でやった。
機材
iPad mini  、KORG nanoPAD2、
USB HUB(電源供給タイプ) Lightning-USBカメラアダプタ、USBケーブル
アプリは
KORG Gadget-London (PCM Drum Module)
を使用した。

アンプ、スピーカーはMACKIE SRM150 アクティブPAシステム

iPadの液晶を叩いてもアプリは動作するが、小さく叩きずらいし、場所が狂うと画面が変わってしまったり、muteがかかってしまったりするので、nanoPAD2を導入した。
結果は とりあえず条件付きでなんとか打楽器デビューできたかな?
しかしこれだけ打楽器が活躍する曲では便利な電子打楽器を導入すればそれでOKというわけではなく当然打楽器のスキルが要求されるのは言うまでもなく、楽器としてのアピールは出来たものの演奏はかなりガタガタだったと思う。
KORG Gadget-London の画面

また
クラリネットの「りんご追分」にシンバルをワイヤーで叩く「シャ・シャ・シャ」のような音をのせてみたがタイミングもそれほど難しくなく悪くはないと思った。
自在にテンポが変化するこの演奏においてマラカスの上下運動で追従しようとすると結構難しそう。とりあえず指先だけの動きの方が簡単だ。しかしリズムの安定性という観点から見ると、マラカスやスティックを振ったりする事は、一種の振り子運動とも考えることが出来、安定感にかなり寄与しているとも思われる。いずれにせよもう少し習熟した後でなければ、結論は出せないだろう。

打楽器としての性能はnanoPAD2のパッドが硬いスポンジのようでわずかなディレイ感を伴うが、慣れてしまえば何とか克服出来そうな気がする。それに音色の種類は無限に近いし、音の強弱も自由なので、これまでの打楽器の代用に止まらず、さらに広いリズムの世界を切り開く可能性を秘めているような気がする。(例えばバッハの曲に使ってみるとか)

同じアプリKORG GadgetでTokyoという打楽器のシンセサイザーもあるし、他のシンセサイザー 例えばMarseilleでは"PIPE ORGAN" や"GLOCKNSPIEL" があるからnanoPAD2を鍵盤式キーボードに交換すればパイプオルガンや鉄琴の演奏が出来るわけで、リコーダー合奏に気軽に色々な音色を持ち込むことが可能となる。他のアプリ例えばGarageBand でも同様に使用でき、弦楽器なども鍵盤キーボードで操作出来る。

・・バッハのコラールの演奏にパイプオルガンの音を加えることが出来たら楽しいと思いませんか・・・

iPad が簡単に楽器に変身してしまうところが魅力だ。キーボードやパッドとiPadをつないでいる要が「Lightning-USBカメラアダプタ」で、これは本来カメラとiPadをつなぐためのパーツなのだが、裏技としてキーボードなどをつないで使用することが出来た訳で、Appleが動作保証しているわけではない。その後「LightningーUSB3 カメラアダプタ」が発売され Appleの保証もあり、使用しながらの電源供給も可能らしい。KORGでもより高機能のplugKEYを発売予定(訂正、すでに発売済み)としているので、かなり期待をしている。

例えば出力もiPadのヘッドホーンジャックから3.5mmステレオプラグでひきださなければならないが、これはかなりの制約だ。plugKEYでは2個の標準 6.3 mmのプラグが使われている。これがあれば特別扱いされなくともPAの世界に入れるパスポートだ。
Erody、電気ギター、コンデンサーマイク、などと対等に勝負できるのだ。

plugKEYを入手しテストして実際の演奏に使用してみたいと思う。

1/28/2017

「ピエタ」 ポプラ文庫

「ピエタ」 ポプラ文庫


18世紀 地中海貿易で利益を得て大きく発展したヴェネツィアだが、その後貿易は地球規模に広がり、それに遅れをとったため経済は傾きかけている。しかし音楽や絵画の巨匠たちがキラ星のように並び文化は爛熟期

爛熟期のヴェネツィアに生まれたヴィヴァルディは、そこのピエタ(注1)と40年近く関係を持ち、多くの協奏曲を発表し、オペラも手がけ、ヨーロッパにその名を轟かせたが、最後はウイーンで病死し貧民のように葬られた。まさにドラマチックな人生だったと思われるのだが、正確にたどるのは難しい。仲間や崇拝者によって活動が記録されたのちの時代の作曲者たちとちがい、資料が少ないらしい。しかしヴィヴァルディの曲は背後にあるヴェネツィアの爛熟した文化とそこから派生したピエタ音楽院という特殊な集団を抜きにしては語ることが出来ないだろう。 この小説「ピエタ」はそんな疑問に答えてくれると思う。

「ピエタ」 大島真澄 ポプラ文庫

綿密な考証を積み上げたのだろう。実在の人物を何人か登場させている。私がわかった範囲では
アンナ・マリーア     : ピエタ出身とされるヴァイオリンニスト
アンナ・ジロー嬢    : ヴィヴァルディと行動を共にすることが多かった歌手
カナレット  : 画家
など
作者の創作と思われる
エミーリア : 親友アンナ・マリーアと一緒にピエタで育てられた。現在は書記を任されている。 彼女の口からこの物語が語られる。
ヴェロニカ : 貴族の娘、以前ピエタに通いヴィヴァルディの指導をアンナ・マリーアやエミーリアと一緒に受けたことがある。
クラウディア : コルティジャーナ (高級娼婦)
ジーナ  : ピエタ出身の薬屋

Vivaldi L'estro Armonico ル エストロ アルモニコ(調和の霊感)
12曲の協奏曲集、ヴィヴァルディはこの曲集を全ヨーロッパに向けて出版する事により、一躍注目を集める事になる。協奏曲の基礎を確立したと言われるこれらの曲はピエタの「合奏の娘たち」と呼ばれた合奏団での経験の蓄積があったからこそで、その経過が小説開始直後に熱く語られる。途中「合奏長」アンナ・マリーアの指導による練習もL'estro Armonico   でありエピローグで演奏されるのも、この曲集なのだ。ヴィヴァルディといえば「四季」を持ち出したくなるが、敢えてL'estro Armonico だけに焦点を絞っているのは作者の考証の自信からだろう。

物語は一枚の楽譜をめぐって展開してゆく。それによってピエタやヴェネツィアのようすが浮かび上がってくる。
「貴族の娘」や「高級娼婦」を登場させ爛熟したヴェネツィアの裏の世界も見せてくれる。

エミーリアとアンナ・マリーアとの関係、ピエタとヴィヴァルディの、
ピエタとヴェネツィアの関係が徐々に明らかになっていく。

ヨーロッパでは戦乱が始まり、イギリスでは産業革命ののろしが上がり、時代は大きく動き出した。 

L'estro Armonico  を再度通して聴いてみる。どの曲も個性的かつ野心的でさえある。
熱心さと好奇心に富んだ若い生徒たちが主体となっているピエタの合奏団との共同作業がなければ、生まれてこなかった作品群かもしれない。
派手好みで飽きっぽいヴェネツィア市民、その心をとらえるべく画期的なニューサウンドを生み出しヴェネツィア市民の喝采を浴び、ヨーロッパでも注目を集めたのだ。

某評論家が「ヴィヴァルディの音楽の品のなさが耐えられない・・・イタリアのテノール歌手のように歌いさわぐだけで・・云々」などとかなり「的外れ」な発言をしているが、むしろ「ピエタ」の作者大島さんの方がL'estro Armonico  だけにピシリと照準を合わせている事を頼もしく感ずる。
ヴィヴァルディの伝記にはない部分も十分に説得力がある。お勧めします。

注1 ピエタ 「公立の捨て子養育院、音楽院も併設されていた」当時のヴェネツィアには同様の施設がピエタも含めて4つあった。 





12/29/2016

リコーダーの結露対策


結露への対策
気温が下がってくるとリコーダーの内管に水滴が溜まり、場合によっては微妙なサミングを邪魔してしまい、とんでもない音が出たりする。原因は窓の結露と同じことで、肺の中に溜まっていた水分をタップリ含んだ暖かい空気が冷えたリコーダーに吹き込まれると、空気が急冷され、含まれていた水分が内管に凝結する訳だ。

本題の前にこの現象にまつわる話を2つ
HRCを立ち上げたころだからかなり昔の話ではあるが痛みを持って思い出す。
新入部員の加入に伴い新規の楽器が届いたばかりの頃だった。国産の木管アルト。結露のため音が出にくくなったらしい。遠心力で水を抜こうとしたのだろう。管をつかんでビュンと力強く振ったのだ。勢いで頭部管がスポンと抜け、運の悪い事にその方は和太鼓の演奏者でもあったので、並の力をはるかに超えていたのだろう。さらに床がコンクリートにリノリューム張りで、絨毯や畳でなかったことも悲劇性を強めた。カッキーン! と鋭い音で床にぶつかりコロコロと転がった。あわてて拾い上げてみると吹き込み部分とブロックがひどく損傷していた。・・・その後修理は完了したとの話は聞いたが、演奏に使っているのを見たことが無いから、当初の性能に復帰できなかったのでお蔵入りとなってしまったのだろう。

次はかっこいい話だが、残念ながらクラリネットだ。
クラリネット協奏曲を聴きに行った、確かモーツァルトだったと思う、新進気鋭といった感じの奏者。第1楽章が終わった時、片手を上げて指揮者に何かアピールした。
ン!何だろう と思う間もなく、2本のネジを緩めてリードを外し、手品のように取り出した深紅の絹のマフラーのような布をリード部分の穴に差し入れ、そのままスッと先端のベル部分から引き出した。ネジを締めてリードを取り付け、そのまま何事も無かったように第2楽章を開始した。・・・
試し吹きもなく慌てる様子もない、それでいて早く、あざやかさに拍手したくなる程だった。
いつかリコーダーでもやってみたいと思ったが、木槌でコンコンコンとブロックを抜かなければできないだろう。

さて本題  リコーダーの内管の水分を取り除く方法
通常は頭部管を外し、ガーゼのような布を巻き付けた掃除棒を差し込んで水分を取り除き、中部管、足部管も同様にして水分を取り除き、再度組み立てる。
この作業を楽器をバラす事なくやってしまうのが今回の趣旨。
写真1 クリーニングスワブ、掃除棒 モダンピッチアルト

準備するもの
・ヤマハ クリーニングスワブ S  
・木製掃除棒
クリーニングスワブ 昔はガーゼ製だったが現在はマイクロファイバー製 薄くて滑りが良い。
木製掃除棒  全長は32cmは必要、楽器のケースには収まらないかもしれない。(写真の掃除棒はバロックピッチの楽器にも対応するため 38cm)
既存の金属やプラスチックの掃除棒は長さが不足しているし、管内を傷つけるおそれがある。太すぎるのもスワブを押し込むには不適格。5φ(アガチス材)の丸棒、一端にゼムクリップをカットした金具が取り付けてある。(この金具はオイル塗布などに使用)
写真2 押し込んだ状態

足部管の下側の穴からスワブを掃除棒の木製部分で押し込んで行く。布の部分がほぼ押し込まれたら、掃除棒でスワブを押し上げる
布の先端がブロックに触れたら(写真2)の状態、掃除棒を引き抜く。
ウインドウエイに強く息を吹き込み中の水分を吹き飛ばす。
スワブの紐を静かに引き出すと管内の水分が除去され完了
 
写真3 ゼムクリップをカットした金具 キリで穴をあけ糸で巻く

クラリネットの新進気鋭氏ほどスマートではないが、楽器をバラさなくても良いので位置関係の再調整が不要になる。かなり完璧に水分除去が出来るので、楽器の鳴りも良い。

演奏会を終わって

第4回細岡ゆき門下生 リコーダー演奏会
2016年12月4日(日) 近江楽堂
チェンバロ 矢野 薫
ヴィオラ・ダ・ガンバ  なかやま はるみ
演奏曲
G.P.Telemann. Sonate f-moll TWV41:f1
   Triste Allegro Andante Vivace

もう2週間以上も過ぎたが体調のバランスがくるったのか、まとめるのに時間がかかってしまった。
演奏会当日はバタバタと過ぎ、必死で演奏したけれども、やはりダメなところはダメ、セロ弾きのゴーシュにはなれなかった。

リコーダーを演奏する限り、いつかはテレマンをとの思いはあったが、この曲 ソナタヘ短調TWV41:f1は私にとって難しすぎたかもしれない。五線の頭にフラットが4つも並んでいてさらに加線もふんだんに使用されているから、加線を数え運指表で確認しながら進むハメになった。半音階などの基礎がしっかり身についていれば、これほど苦労することはなかったと思うが、とにかく遮二無二やるしかない。一つのフレーズを何回か練習すると”指”が覚えてくれるのか、なんとかその部分を演奏できるのだ、しかし完全に理解できているわけではないから、たとえば途中から演奏しようとすると悩んでしまって動けない。
それを補うためプロの演奏を徹底的に聴くことにした。通勤の往復は2時間はあるのでiPodに入れてある録音を連続して聴いた。
iPodには聴いた回数を記録している機能があるので調べてみると300回を超えていたからそれなりにスゴイと思うが、半分は寝ていたかもしれない。
あと練習の場所と時間の確保が大変だった。この時期はどうしても他の演奏会と競合する。土日などは他の演奏会やそのための練習などで埋まってしまう。HRCなど合間にヒイヒイ練習している私のために、合奏練習を早めに終了させ場所と時間を提供してくれたことが何回かあったがこれは多いに助かった。多摩川の河原はこの時期暗くなるのが早いしリコーダー向きではない(最近事件があったが、そこは私が練習している場所)

本番演奏中は”滑ったり転んだり”だったが、一瞬冷静になれる場所もあり、チェンバロとガンバがしっかり支えたり手を差し伸べてくれたりするのが実感できた。さすがプロ!

楽器への工夫
指掛け
私はモダンピッチの楽器には自作の指掛けを取り付けている。しかし今回使用した楽器には使っていない。伝統的なバロックピッチの楽器であるし、カエデ材に塗装仕上げであることも取り付けを躊躇させていたのだ。しかし右手がらみの細かい動きにモタつきがある。子細に観察してみると右手親指の位置が定まっていないため楽器の支えが不安定で、それを補うためか右手” 人差し指” ”中指”の腹でも楽器を支えていることがわかった。
小型の指掛けを作り、両面テープで固定した。それなりの効果は期待できる。アマチュアの場合許される範囲と思う。
楽器の結露対策
 気温が下がってくると管内の結露が多くなる。その都度楽器をバラして水分を拭き取るのは音程や取り付け角度が狂ったりして手間がかかる。
掃除棒やスワブ(拭き取り布)の材質やサイズを工夫して、組み立てたまま拭き取ることが可能となった。

演奏が終わりとりあえずほっとして考えてみると、ソナタなどの演奏は登山に似ていると思った。プロの奏者達は多少のガレ場でも楽しそうにスイスイ超えて行ってしまう。私はチェンバロとガンバの頼もしいガイドが同行しているのに”滑ったり転んだり”悪戦苦闘の連続なので、「素晴らしい展望ですよ」、「きれいな花がありますよ」など言われても見る余裕なし、それに山の規模は高尾山、大山ではなくて北岳クラスだったと思う。

男性の参加
Face Book に演奏会の集合写真が載ったが、「男性が少ない」との書き込みがあった。正にその通りで、Yさんと私だけなのであった。門下生が圧倒的に女性だけというわけではない。現に私の所属しているRicco Suonoではほぼ半数ずつだと思う。
私の場合ドン・キホーテ的で恥もタップリあったが得たものも多かった。
男性の場合少しばかりの自信と”自己防衛本能”のようなものが強すぎるのかもしれない。

これは”昼下がりの演奏会”のような演奏を行ってもお客さんはほとんど女性ばかり。男性はほんの一握り、同じような傾向だ。初めて聴くリコーダー合奏にも「アラいいわね」などと興味を示す女性も多いのに、男性は「なんだカラオケじゃないのか」と帰ってしまう。年をとるほど柔軟性が不足して頑固になるように思う。自分自身も含めて心しなければならない。

11/24/2016

テレマン リコーダーソナタ ヘ短調 (TWV41:f1)


テレマンのリコーダーソナタ ヘ短調 (TWV41:f1) を初めて聴いたのはかなり昔のことではっきりしない、確かブリュッヘンの演奏だったような気がする。出だしが雄大でなかなかカッコいい曲と思った。ヤマハの楽譜売り場で偶然この曲を見つけた。 リコーダーと通奏低音のための「4つのソナタ 」ベーレンライター版 だった。演奏することなど考えてもいない、楽譜を見たいだけ、でも購入したのだ。当時はHRCを立ち上げて間もない頃でソナタの演奏なんて実力も環境もなかった。せめてサワリだけでもと思ったが、フラットが4つも並んでいるので恐れをなして、本棚行きとなってしまった。

その後渡辺清美先生のところで、チェンバロやガンバ付きの演奏会にHRCの3兄弟を加えてもらい、(刺身のツマ?)ソナタを演奏する機会ができたのだ。その後細岡師匠も独奏会を始められたのでそちらに参加、シックハルトやヴァルサンティの曲を楽章を落としたりして(表向きは時間の都合、実は指が回らない)演奏させてもらった。
今回も近江楽堂での演奏会が決まり曲目を聞かれた時に、いつかはテレマンをやりたいとの思いがあったので、この曲名を伝えたのだった。「いざとなったらできない楽章を落とせばいい」・・・

リコーダーでは有名な曲らしく多くの奏者が演奏している、私はPamera Thorby などをよく聴く。
 YouTubeで演奏例などを探しているうちに珍しい録音を見つけた。ファゴットでの演奏だ。これが実に名演で惚れ惚れしてしまう。リコーダーの演奏とは趣がちょっと違うけれども表情豊かで気持ちがよい。よほどの名手の演奏だろう。リコーダのお株を取られると心配になるほどだ。・・・ 最近になって楽譜を調べようとペトルッチの楽譜ダウンロードサイトで探すとテレマンのリコーダーソナタの中にこの曲が見つからない。??? さらに捜索範囲を広げて探したらファゴットのソナタで TWV41:f1 を発見した。このサイトではアレンジ譜も載せるからそいう場合もあり得ると自分を納得させるも、なにかスッキリしない。
何か手がかりはないかともう一度ベーレンライターの原譜に戻ってみる。序文がドイツ語なので無視していたのだが、よく見ると半分は英語なのだ。・・テレマンは2週間ごとに音楽レッスンのための刊行物シリーズ "Der getreue Musikmeister"「忠実な音楽の師」を発刊していた。(事業家としての才能も優れていたらしい)その中にいろいろな楽器のための楽譜が載っていて、もちろんリコーダーの楽譜もあるのだがこの曲(TWV41:f1)は低音部記号で書かれファゴットのソナタとして考えられている。しかし最終楽章でテレマンが「このソロはリコーダーで演奏することができる」と書いてあるのだそうだ。・・・・納得・・・曲の出だしの雄大さはファゴットに由来するのだ。テレマンはファゴットのために作曲したのだろう。しかし当時でもファゴットよりリコーダー奏者が圧倒的に多かった。そこで彼は営業上の配慮から「リコーダーでも演奏できる」と書き加えたと想像する。

曲の出自は解ったけれども演奏が進歩したわけではない。演奏が難しい場所がいくつかあり未だ克服できない。テンポを落としてもたもたすると制限時間を超過してしまう

実は演奏日が迫っていて、12月4日 オペラシティ近江楽堂 通奏低音を演奏して下さるチェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバの奏者にはすでに楽譜を送ってある。
楽章を省略する案も検討してみたがこれが意外と難しいのだ、第1楽章の"Triste"は短いけれどもこのソナタの看板みたいなもので下ろすことはできない。第2楽章の"Allegro"は長大でおまけにダカーポまである。しかしこの曲の中核をなす部分で省けない。第3楽章"Andante"と第四楽章"Vivace"は短いのだがペアになっているような感じでどちらか一方だけでも外すとバランスが悪くなる。
結局どの楽章も省略できないかも知れない。昨夜はHRCの夜練習だったのだが、私がソナタをヒイヒイ練習しているのを見て、練習を切り上げて会場を私の為に空けてくれた。ありがたいことだ。

こうなるとセロ弾きのゴーシュの心境だが、結果は彼と同じとはいかないだろう。

11/23/2016

バスリコーダー専用ストラップ


以前EWI の為のストラップを作るblogを書いた。バスリコーダーにも欲しかったが、私の首は一つしか無いわけで、EWIのストラップに延長リードを取り付けて使用していた。しかし最近バスリコーダーを使用する機会も多くなったので、専用のストラップを作ることにした。
前回も使用したBIRD STRAPの方式はデザイン使用感共に優れているので、今回もBIRD STRAP用のVプレートを使用。
首に当たるパッドの部分は、前回は合成皮革のパッドを流用したが、材料が古くかつ力が加わったためだろう表皮と本体部分が剥がれてしまった。この部分丈夫な皮革とハトメ加工が必要になる、しかし皮革は比較的高価なため端切れ品などを購入することになるが、厚さや強度が一定せず、それに見合うサイズのハトメを加工するのは敷居が高い。そのため今回はストラップの構造を変更してみた。

変更点
楽器の重量をロープだけではなく、皮パッドにも受け持たせている。そのため皮パッドは引っ張り強度も高くなくてはならず、ロープとの接続点(2ヶ所)も不安の種となる。
それならば構造を少し変更して皮パッドに力がかからぬ様、楽器の重量を支えるのはロープに任せ、皮パッドは首へのクッションのみ受け持たせる。
構造としては皮パッドに結びつけていた部分のロープをさらに15cmほど延長し、左右のロープどうしで結ぶ、本結びなどが良いと思う。皮パッドは孔を何個か開けてロープを通しておけば楽器の重量を支える張力はかからないが、クッションの役割は果たすことができる。今回は皮を使用せず30mm幅のナイロンベルトを使用してみた。バスリコーダーの重量はそれほど大きくないので、これでも十分使用に耐え費用も安価である。
ナイロンベルトの加工写真を示すが、サイズなどは概寸であり厳密な数値ではない、皮革を使用する場合は両端ハトメ仕上げも可能だが、今回の構造も悪くないと思う。安全性は高まり、ロープ全長の調整も楽である。

ロープの長さ

ストラップは伸縮できるが、適正位置にVプレートが来るようにあらかじめロープの長さを決めておく必要がある。参考までに今回作成したストラップのサイズを示す

ナイロンベルトの先端から楽器取り付用のナスカンの先端まで300mm、Vプレートの位置をパッドの先端から50mmとする。長さを計ることが可能な部位はA部とB部、
A部に必要な長さは190mm×4=760mm
B部に必要な長さは 50mm×2=100mm   合計 860mm
実は今回使用したロープの全長が1500mmであることは確認してあるので、
両者の差  1500mm-860mm=640mm  
この640mmの内訳は(Vプレート内を横に通している部分、パッドに沿わせている部分、結び目部分、折り曲げなどによるロス部分)などであり、同寸法のVプレート、パッドを使う限り固定で変化がない。したがって必要なロープの長さを計算することができる。ロープの全長を L として、A部、B部の長さを決めれば下記で求められる。
L=A×4+B×2+640mm 

ナイロンベルトのパッド
写真にて概寸を示す。ベルトを所定の長さにカットしたら両端の角を丸く切断する、そのままだと繊維がどんどん解けてくるので、ガスコンロなどの炎にサッと通す。繊維の先端がわずかに溶けて溶着する。溶けすぎると固まって硬くなってしまうのであくまでサッと。
孔は熱した千枚通しの様なもので、3.5φ程度の穴を溶かして開ける

Vプレートその他
厚いアルミ板を加工して自作も可能だが、手間を考えれば部品として購入がおすすめ。
新大久保のクロサワ楽器で2100円で入手した。色もいろいろ選べる。今回は全体を細く作った新型があったのでそれを使用してみた。孔位置は同じなので機能上は変化ないが見た目がかなりスマートで洗練されている。3mmロープ、30mm巾ナイロンベルト、小型ナスカンは東急ハンズ  ロープは70円/m ,ナイロンベルトは230円/m程度入手できる。小型ナスカンは100円ショップの携帯ストラップに使用されていたりするので探してみる価値はある。 

Vプレートだけではなく、カラフルなロープも市販されているので、いろいろ工夫してみることもできる。よく考えてみるとリコーダーでストラップが楽しめるのはバスリコーダーだけなのだ。

楽器に付属してきたストラップを義務的に使っているのはダサいですよ。

10/08/2016

Vivaldi L'estro Armonico (調和の霊感)

前日の練習風景

学生時代マンドリンクラブに所属していた。9月にクラブのOBOG会があり、そこでの演奏を依頼されたので同期の有志で演奏することになった。40ウン年前の卒業だからもう半世紀に近いが、卒業後も演奏活動を続けている仲間が多いのだ。しかし練習するにも、それぞれの演奏活動でいそがしく、遠方に住んでいる仲間もいるので、練習のために集まれるのは本番前日の一回ぐらいしか出来ない。選曲は私に任されたので、 Vivaldi  L'estro Armonico (調和の霊感)No.6 第一楽章  
有名なヴァイオリン協奏曲だが、ヴァイオリンのパートをリコーダー2本で分担して演奏するアレンジがあったので使用させてもらった( 積志リコーダークラブ編曲)リコーダー1本だとソロ ヴァイオリンと第一ヴァイオリンを兼ねることになり、とんでもなく忙しいが、2本で分担するとかなり楽になる。ただそれだと solo と tuttiの区別がつきにくく、ヴィヴァルディの協奏曲らしくないので、マンドリンに加わってもらいtutti を形成する。チェロはチェロの楽譜そのままだが、本来はコントラバスもあるので、奏者の判断で部分的に1オクターブ下げた演奏もアリ。


練習の足しになるかと、私のリコーダー演奏にメトロノームを加えた音源を作り、MP3でみんなに送付したけれど再生できたのは1人のみ、(全員工学系なので問題なしと考えた私が甘かった。年齢を考えるべきだった。)
しかし心配した前日練習も特に問題なく仕上がり、響の良い部屋のせいか、かなりうまい演奏に聞こえる。多分皆さん練習したのだろう。
ヴィヴァルディの指揮する「ピエタの娘たち」は、かなりの速さで見事に演奏したと思われるが、我々はちょっとゆっくり、でも名曲だから十分に楽しめる。

本番前のリハーサルでは私が珍しく「あがって」しまい、早いパッセージで指がもつれたり、息が苦しくなったりして心配したが、本番では少し落ち着きを取り戻し、なんとか演奏できた。お世辞が混じるにしても「演奏良かったよ」と声をかけて下さる方が何人かいたし、演奏者達も「楽しく演奏できた」と言ってくれたのでとりあえず成功かな。
あとで録音も聴けたけれどちょっと貧相な音でがっかり、でも録音方法を工夫すればもう少しマシな演奏になるはず。

今回は選曲が良かったと思われる「ヴィヴァルディ様様」だ。

Vivaldi  L'estro Armonico  ル エストロ・アルモニコ(調和の霊感)
ピエタ慈善院の合奏団を指導しながら試行錯誤を重ねたヴィヴァルディがその結果をヨーロッパ全体に問うた最初のコンチェルト集で、大きな反響を呼び、バッハも編曲して研究している

<ピエタ慈善院の合奏団とヴィヴァルディの関係を引用しておきます>
「多少とも新鮮な感覚が鈍り、すぐにあら探しをする職業音楽家ではなく、熱心さと好奇心に富んだ若い生徒たちが主体となっているこの音楽家の集団が、ヴィヴァルディの指導に対して、いかに敏感な反応を示したかは想像に難くないが、この若い敏感な感受性を持つ音楽家たちに、ヴィヴァルディの人間性は完全な影響力を持っていたのである。この点においては、ケーテンにおける大バッハや、エステルハーツィーにおけるハイドンよりも彼はずっと恵まれていた。彼は時間の制限や、頑固な演奏家や、”演奏家労働組合”の厳格な規則にふりまわされずに、オーケストラの扱い方や、合奏上の問題などについて経験を積み、ゆっくり研究を進めることができたのである。」
【マルク・パンシェルル著 ヴィヴァルディ 生涯と作品 早川正昭/桂誠 音楽の友社】