8/02/2010

セロ弾きのゴーシュ 2

「印度の虎狩り」は実在の曲か

第六交響曲の他にもう一曲重要な曲がある。「印度の虎狩り」だ
練習を冷かしに来た三毛猫をキリキリ舞させ
楽長に「あんな曲」と言わせ
最後に大喝采を受ける曲

ネコ→トラ→印度の虎狩 とイメージが拡大して行くこの曲名は物語が進行していく上で重要な役割であるが、どうも実在の曲では無いようだ。

YouTube などで調べてみると "Hunting Tigers Out in Indiah"は見つかった。

http://www.youtube.com/watch?v=YxgK9Hj6Mas

しかし聴いてみると「印度の虎狩り」というわざと大げさな曲名をつけて、それを茶化しているような感じで
ゴーシュが演奏した曲とは全く別物であるとの印象である。

また賢治のレコードコレクションの中にもそれらしい曲名は含まれてないようなので、この「印度の虎狩り」と言う曲名は賢治の創作と考えても良いと思われる。
1982年のアニメ映画「セロ弾きのゴーシュ」では「インドの虎狩り」とあと一曲「愉快な馬車屋」は間宮芳生が新たに作曲したそうだ。

8/01/2010

涙のパバーヌ

まだCDが発売される前、LPレコードが全盛だったころ、ハンス・マルティン・リンデ「ブロックフレーテ名曲集」のLPレコードを持っていた。
当時LPレコードは大変高価だったのでそれほど多くのLPを所有していたわけではない。
ヘンデルやテレマンのソナタ、天使のナイチンゲール、グリーンスリーヴスによる夜想曲、などが入っており
特に気に入った曲はリュート伴奏の「涙のパバーヌ」ヴァン・エイク 、リュートはコンラート・ラゴスニッヒとなっていた。

・・・時は流れ、HRCが結成され・・ギターが得意なKさんがリュートを入手した。 しばらくして「合奏しませんか」と楽譜を見せられた、

ジョン・ダウランド(三つの舞曲)
一つの旋律楽器(リコーダー、フルート、ヴァイオリン)とギター(リュート)のための(コンラート・ラゴスニック編) 日本ショット社 1981年

この中の一曲が「涙のパバーヌ」 旋律楽器のパート譜にはハンス・マルティン・リンデの名前もある
まさにレコードの演奏そのものの楽譜ではないか!

Kさんがこの楽譜を入手したのは80年代で、当時ギターを演奏していたKさんはリコーダーとの合奏を目指していたわけではなく、偶然入手したのでその後ずっと本棚に眠ったままになっていたらしい。

「昼下がりのコンサート」などで合奏したのだが、近江楽堂で演奏しないかと細岡師匠から声がかかった。
最初は気後れしていたが、こんな機会は滅多に無いことなので、思い切って受けることにしたのだ。

多くのリコーダー愛好家の前でこの曲を演奏することは、かなり勇気を必要とするが、
8月8日の演奏会まであと一週間、「セロ弾きのゴーシュ」に成るのは無理としても、気持ちだけでも、そのつもりで演奏に臨みたいと思っている。

写真は、LPをコピーしたCDと「涙のパバーヌ」の楽譜

7/24/2010

セロ弾きのゴーシュ 1

宮沢賢治が好きで時々思い出したように本棚から引っ張り出して読んだりしている。ハンドルネームの"KENJI" も実は彼から借用しているのだ。(もったいなくも)

賢治自身はチェロを所有し熱心に練習したが、演奏技術はなかなか進歩しなかった。
当時教則本もほとんど無く、花巻では手ほどきをしてくれる先生などいなかったので、上京して交響楽団のメンバーに「三日間でセロの手ほどきをしてくれ」などと無理を言って実際にレッスンを受けたこともあるらしい。

彼のオーケストラでの演奏経験は無いはずで
チェロの腕前にしても花巻の音楽環境にしても極めて乏しかったはずだが、上京した折、オーケストラの練習を見学し貪欲に吸収したのだろう、「セロ引きのゴーシュ」のオーケストラの練習風景は的確である。

ゴーシュの住んでいた町には活動写真館付きとはいえ第六交響曲を演奏するプロの楽団があり、金沓鍛冶や砂糖屋の丁稚の寄り集まり(つまりアマチュアの楽団)まであるらしいのだ。

さて第六交響曲とは誰の作品だろう有力な候補は
ベートーヴェン 第六交響曲 「田園」
チャイコフスキー 第六交響曲 「悲愴」
マーラー 第六交響曲 ・・・・・・
交響曲を作曲した作曲家は数多くいるし、ほとんど6曲以上作曲しているから候補は無限にあるわけだが、当時賢治が所有していたSPレコードのリストの中にベートーベン「田園」があるのでこれが最有力だろう。
しかし「セロ弾きのゴーシュ」や彼の残した文献などからは特定はできないそうだ。

ゴーシュが楽長から痛めつけられている間、他の楽員は「気の毒さうにして、わざと自分の譜をのぞき込んだり、自分の楽器をはじいて見たりしてゐます」・・・このあたり妙にリアルだと思いませんか?

続く・・・

7/11/2010

リグナムバイタ

所有するアハユの木製ケーナ、購入するとき材質の名前を確認しなかった、
ローズウッドの仲間ではないかと思っていたが、このほどリグナムバイタと判明

重量はズシリと重く170g 、竹製のケーナが85g 程度だから2倍の重さである

比重は1.28 、黒檀(1.09)、ローズウッド(1.04)に比べてもはるかに重い
木材の硬さとしては黒檀やローズウッドに劣るかもしれないが、強度は上回りそう、昔は船舶のスクリューシャフトの軸受けとして使われたとの事でズシリとしたその重さは武器にも使用できそう、もしケーナ練習中に賊に襲われたとしてもこれで十分渡り合えるかもしれない。
試しに水を張った「風呂おけ」に落としてみるとバチャンと簡単に底に沈んでしまった。
竹製のケーナに比べて音の鳴りがイマイチだったのだが、最近は慣れてきたのか高音も比較的良く鳴るようになった。
音程が良いのでリコーダーと合奏することが多い私にとっては大切な一本となっている。

「リグナムバイタ」はラテン語で"生命の木"を意味するそうで、樹液が万病に効くとされて、名づけられたらしい。
写真はアルトリコーダー(ローズウッド 竹山)と並べたケーナ(リグナムバイタ アハユ)

6/27/2010

第9回昼下がりコンサート終了

6月27日昼下がりコンサート終了した
第一回目が昨年の6月だそうですから一年が経過し 今回で9回目となりました。

最初のころは一ヶ月ほど前から練習を重ねて演奏会に臨んだのですが
今回は曲目が決定して楽譜をもらったのがなんと演奏会の3日前
木曜の夜の練習と土曜の午後練習後は当日のリハーサルだけ
演奏内容は別としてやっていることはプロ並み

ミスもあったが、何とか格好だけはついた感じ
度胸が付いたと言うより、ズーズーしくなっただけかも知れない

プログラムは
七つの水仙・・・・L.ヘイズ&F.モスリー
真夜中のギター・・・河村利夫
あなたの心に・・・・都倉俊一
若者たち・・・・佐藤勝
この広い野原いっぱい・・・・森山良子
コンドルは飛んでゆく・・・ダニエル.A.ロブレス
花祭り・・・・E.サルディバル
昴・・・・・・谷村新司
神田川・・・・南こうせつ
スターダスト・・・・ホギー.カーマイケル
美空ひばりメドレー・・・・高梨征治編曲
青い山脈・・・服部良一

今回ケーナの演奏は
恒例の「花祭り」 かなり慣れてきたけれども最後の部分の高音がかすれてしまった
「美空ひばりメドレー」のリンゴ追分では少し余裕が出来た
「コンドル・・・」はリコーダー用の楽譜を使用、前半はケーナで、後半はアルトリコーダーで演奏
一般的な「コンドル・・」と調が異なるのでケーナでは難しかった

「昴」「神田川」「スターダスト」はTさんのクラリネットソロ、私はアルトリコーダーで対応したが
練習量が少なく、リズムに乗り切れず、苦戦した。

次回は7月25日の予定

6/12/2010

ロビーコンサート終了



6月12日中央文化センターロビーコンサート(稲城)が終了しました。
曲目は5月の「つどい」演奏会で使用した曲を一部入れ替えて使用

1.青い山脈
2.美空ひばりメドレー
3.ふるさと
4.アリアNo3
5.アベ・ベルムコルプス
6.イエスタデー
7.サリーガーデン
8.花祭り
9.白い渚のブルース(Strangers on the Shore)
10.テネシーワルツ
11.鈴懸の径
12.浪路はるかに
アンコールとして鈴懸の径

会場の響きも良好、直前には別室で全曲を「おさらい」出来て、落ち着いて演奏に臨む事が出来ました。
曲目も日本の歌、クラッシックの名曲、ビートルズ、アイルランド民謡、南米フォルクローレなどいろいろあり
楽器もリコーダーだけではなく、クラリネット、ケーナ、ボンボ、チャランゴ、ギター、各種パーカッションなど多彩でした。
お客さんには楽しんでもらえたと思います。

私は今回リコーダーのほかケーナも演奏、
音がちゃんと出るか心配でしたが、何とかなったようです。
リコーダーからケーナに持ち替えたときすぐに音が出ないことがあるのです。
特に今回美空ひばりメドレーでは
アルトでスタート「港町13番地」、次にケーナで「リンゴ追分」、最後にソプラノで「東京キッド」
間は2小節ほどしかないので、切り替えが大変、楽器の持ち替えや指使いの変化だけではなく
呼吸法や構え方も違うので気持ちを瞬時に切り替えなければならない。
必死で「リンゴ追分」を演奏したあとソプラノに戻るのが難しかった。

写真は「鈴懸の径」の演奏中
Tさんがクラリネット、私がソプラニーノ
会場はロビーなので雑音もあったが、絵画が展示され明るく雰囲気も良い。

5/29/2010

ガークライン



Kung社のガークラインを一本所有している
今は生産していないがClassicaシリーズのgrenadilla製
ソプラノリコーダーより1オクターブ高いので長さはほぼ半分
指孔の間隔が狭いので指を立ててつまむような感じで楽器を保持しないと指が互いにぶつかってしまう。
めったに出番は無いのだが、リコーダーオーケストラで使用する曲を検討しているので練習しておかなくては。
運指も一応「バロック式」を名乗っているが一部異なるので付属していた運指表を載せておきます。

「アウロス」の」トヤマ楽器よりクライネソプラニーノリコーダーの名称で樹脂製の楽器が製造されているが、
クライネ(独語)、ソプラニーノ(伊語)、リコーダー(英語)と国際色豊かな命名ですね。

一般的にはガークライン(GARKLEIN)と呼んでいるがこれは独語で
GAR 「更に」 KLEIN「小さい」 の意味と思う。

久しぶりにKung社のHP を見たら
日本のリコーダー製作家 Yukiko Yaita がKung社 のチームに加わり新しいソプラニーノリコーダーを作ったとある
ステラで演奏していた矢板由希子さんだ。リコーダーの製作に関わっているとは聞いていたが、Kung社だったのだ。

http://www.kueng-blockfloeten.ch/en/news/dokumente/SinoSUPERIO_copy.php

パワフルで甘い音だそうだ、機会があったらその楽器を演奏してみたい

4/05/2010

フレンドシップコンサートの録音





録音は今回も私が担当した。
演奏、録音、編集、マスタリングを兼ねることは時間も神経も使うが得ることも多い

録音機材は
マイク RODE NT5 2本
録音機 FOSTEX デジタルマルチトラッカー VF80
昨年と同じだが前回は遠慮してマイクスタンドを2階にセットして結果が良くなかったので今回は2列目中央の座席の位置にマイクスタンドを立てORTF方式のマイクセッテイングとした。
確かに中央で目障りではあるのだが最初からビシリと立てておけば演奏者や観客にも納得してもらえるようだ。

リハーサルでのレベル合わせなどあるので朝一の9時には会場に入り、真っ先にマイクをセッテイングしたまでは良かったが録音機VF80 の表示が少しおかしい「ハードディスクが見つかりません」 なにい! 慌ててスイッチのON/OFF を繰り返したりACコードを抜いたり
ゆすったりしたけれど事態は好転せず。15分ほどジタバタした後 、責任者のKさんに録音はダメかも知れないことを報告した。(脂汗)
自分達のリハーサルが迫っているので一旦復旧作業を中止し、リハーサル終了後VF80を裏返してHDDが取り付けてあると思われる辺りの底板をバシバシ叩き,両手を合わせて神にお願いしてからスイッチをONしたら 立ち上がった! 以後怖くてOFFできないので夕方まで連続運転となった。

演奏は休息をはさんで3部に分かれているので、各部ごとにプログラムを作り、休息時にプログラムを切り替えることにより3分割したデータが得られる。
あまり巨大な連続データーを作ると扱いも大変だしトラブルの原因になってしまう。
録音レベルは高めにビシリと取れれば良いのだが、付きっ切りで録音出来ないしリハーサルでもレベルのチェックはほとんど出来なかった。
リコーダーの場合ダイナミックレンジはそれほど広くないしグループの違いによる差も比較的小さいのでちょっと抑え目程度で何とかなるのだが、
打楽器やピアノなどの異種楽器、手拍子などは注意しなければならない。今回はレベルメーターの目視とヘッドホンで決定し最後まで変更しなかった。

翌日 VF80は全く問題なく動作し1部2部3部とも各2枚ずつ計6枚のCDRでデーターを取り出すことが出来た。これを編集ソフトPEAKが入れてあるMac,で読み込み
編集作業を行う。編集作業の内容については別項で書くつもりだが昨夜4枚のマスターCDRに仕上げることが出来た。
今回の録音は編集中の音を部員に聴いてもらったがかなり好評で、各楽器の音がリアルでかつ場内の雰囲気も捉えているとのこと
やはりワンポイント録音の場合マイクスタンドを立てる位置が決定的に大切となる。

マイクに入ってくる音を演奏者から直接マイクに入る音を「直接音」、場内に反射しながら空間に満たされている音を「間接音」とすれば
直接音はリアルではあるが、マイク位置が離れると急速に音量が低下していく、一方 間接音は場内の残響分でマイク位置が変わってもそれほど音量は影響を受けない
従って適切な位置にマイクを設定すると「直接音」と「間接音」がちょうど良くブレンドされるわけだ。
今回の録音では太田さんの演奏中の息遣いも聞こえるが、楽器の音色も潤いがあると思う。
今週末には頒布用CD も完成するはずなので、ぜひ感想など聞かせてもらえるとありがたい。

VF80 が立ち上がらなかった件だが、記憶をたどると過去にも一回HDDを認識しなかったことがあったのを思い出した。
それはちょうど1年前、この同じ会場で起こったのだ。そのときは比較的短時間で復旧したし、その後は何の問題もなく動作していたのでそのことは忘れてしまっていた。
HDD自体が老朽化し動作が鈍くなってきていると考えるのが常識だが、同じ会場で2度も連続して問題が起きたことを考えるとあるいは会場のAC電源に問題がある可能性も浮上する。電圧が低いとかフイルターのようなものが挿入されているとか・・・ まだ結論は出ていない。

写真はマイクセッテイングの様子とマイクスタンド直下に置いたVF80